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藤澤 side …
その後の作業は順調に進み、18時を回ろうとした頃だった。
「ごめん、俺今制作期間だからちょっと先抜けるね」
元貴が荷物を肩にかけ、スタジオの扉に手をかける。
「またね! 」
僕が手を振ると、元貴も、またね!と笑い、手を振り返してくれた。そして元貴はスタジオから出ていってしまった。僕は元貴が出ていってから、直ぐに廊下に出た。すると予想通りのことが目の前には起きていたのだ。
「__?」
「____、__」
目の前にはコソコソと誰にも聞こえないように会話をする元貴と若井の姿があった。全部予想通り。元貴が先に帰るのも、こうやって二人でコソコソと会話するのも。自然と口角が上がっていく気がした。
「結構進みましたし、今日はここまでにしますか?」
作業の合間にスタッフさんが問いかける。元貴が先に切り上げてから、大体2時間ほど経ったかな?
「そうですね!」
若井がそれに食いつくように答える。どうせ元貴なんだろうな。そんな姿に少しだけ嫌気がさした。
だが、僕も若井の意見に賛成し、今日の作業はここまでとなった。僕と若井はそれぞれ荷物をまとめ、各自帰宅という流れとなった。僕はあえて若井より支度を遅らせ、若井が先にスタジオを出るのをじっくりと待った。
「じゃあお先に失礼します!涼ちゃん、またね!」
「うん、またね!」
若井が自身の荷物を肩にかけ、スタジオから出ていった。それに合わせて僕も荷物を持ち、少し遅れてから若井のあとを追うようにスタジオを後にした。
スタジオを出ると、数十メートル先に彼の姿が見える。ここからは気づかれないように若井のあとを追うだけ。僕は慎重に若井のあとを付けた。
もちろん行先は分かってる。この前見た若井の家でもない、元貴の家でもないあのマンション。2人が同棲をしているのであろう。
若井をつけてから10分ほどたった。段々と道はマンションの近くへとなる。曲がり角を曲がると、そこにはあの日見たマンションが大きく建っていた。
今だ。
僕は若井の元へと走る。若井が大声を出さないといいんだけどな。段々と距離が縮まると若井は気配で気づいたのか振り向こうとする。
僕はそれを阻止するかのように、予め用意しておいた鉄製の工具を若井の頭に振りかぶる。
ガンッッッ゛!!!
鈍い音と共に、若井がパタリと倒れる。
「ッ……りょ゛ッ、ちゃ゛ん゛ッ…?」
若井はまだ意識があるようで、今にも瞑ってしまいそうな目でこちらを見る。可哀想に、僕のワガママの為だけにこんな痛い思いをさせられて。
「ごめんね、若井。」
僕はそれだけ言い残し、再び鉄製の工具を振りかざす。
ガンッッ!!!!
このシーン大好きです…… ((((((
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コメント
6件
私も好きですそういうシーどゅふふ 間違えましたw 涼ちゃんやっちまったなぁーw
おおぉ!涼ちゃんついにやっちまった...
こんにちは、初コメ失礼します、、! このお話だいすきです。ダークなふじさわさん、好きです(語彙力皆無) 更新たのしみにしております🙇♂️