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#ROBLOX
ゆゆゆゆ
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十数年後。
夜空を焦がすような爆発音とともに、Builder Brother’s Pizzaは派手に崩れ落ちた。
炎が上がる。
ガラスが砕ける。
煙が空へ昇っていく。
そして――
「クール!!!」
セブンの絶叫が響いた。
隣では当の本人が腹を抱えて笑っている。
「あははははは!」
「笑ってる場合か!」
「だって面白かったし!」
「面白くない!」
「ちょっとc00lguiの残骸を触っただけだって!」
「だから触るなって言ってるだろ!!」
ごつん、と頭を小突く。
クールキッドは痛がるどころか、ますます笑った。
店員は半泣きだった。
消防車のサイレンが近づいてくる。
野次馬が集まり始める。
そして数十分後には、親子そろって永久出禁が言い渡された。
文句のつけようもなかった。
完全に自業自得だ。
最悪だった。
本当に、どうしようもなく最悪だった。
――なのに。
セブンは、立ち昇る黒煙の向こうを見上げた。
夜空は静かだった。
騒がしい現場とは不釣り合いなくらいに。
ふと。
遠い昔の声が蘇る。
まるで、ノイズ混じりの古い通話ログが再生されるみたいに。
『世界は僕たちの劇場だ』
『君がいないとつまらない』
『どうせ悪役なら、最高に目立たないと』
思い出したくなくても。
忘れようとしても。
あいつの声だけは、時々こうして不意打ちみたいに蘇る。
セブンは小さく笑った。
「……見てるか、Noli」
返事はない。
あるはずもない。
それでも。
もし今この光景を見せたら。
きっとあいつは大笑いしただろう。
涙が出るほど。
呼吸が苦しくなるほど。
そして肩を叩きながら言うのだ。
『はははっ! 見ろよセブン!』
『最高のアンコールじゃないか!』
まるで、自分が演出した舞台でも眺めるみたいに。
誰よりも嬉しそうな顔で。
誰よりも楽しそうな顔で。
セブンは目を閉じる。
ほんの一瞬だけ。
かつて隣にいた男の笑い声を思い出しながら。
気がつけば、隣ではクールキッドがまだ笑っていた。
その無邪気な横顔は、どこか腹立たしいほど昔の誰かに似ている。
血なんて繋がっていないはずなのに。
似なくていいところばかり似てしまった。
「あははは!」
「……馬鹿」
呆れたように呟く。
けれど、その声は少しだけ優しかった。
あの日。
確かに幕は下りた。
世界を相手に笑い続けた二人の舞台は終わった。
けれど。
物語までは終わらなかった。
誰かが残した火種は。
誰かが蒔いた混沌は。
形を変えながら生き続ける。
呪いのように。
遺産のように。
あるいは――愛情にも似た、厄介な置き土産として。
夜風が吹く。
燃え残った火の粉が、星みたいにゆっくりと昇っていく。
セブンは空を見上げたまま、静かに息を吐いた。
胸の奥に残ったのは、切なさだけではない。
失ったものへの寂しさ。
取り戻せない日々への郷愁。
そして。
世界そのものが舞台だったあの頃の、どうしようもなく眩しい高揚感。
全部ひっくるめて。
今でも消えずに残っている。
まるで、カーテンコールが終わった後も劇場に漂い続ける拍手の残響のように。
END