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糸夜空をまとって。

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糸夜空をまとって。

1 - 〖第一章〗不思議な糸

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2025年08月13日

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〖第一章 不思議な糸〗

八月。蝉の声がいつも私を起こす。夜なのに夏の涼しい風は全くやって来ない。目が覚めてしまえば、その風が恋しくて、家の裏にある神社へと足を運ぶ。神社の近くはよく風が吹き、とても心地よい。特に、神社の裏側。神主さんからは許可を得て、いつも涼みに言っている。今日も風で木の葉が揺れ動き、その風が私の首筋へと流れていく。いつもなら、このまま木の上に登って、この風を堪能するが、今日はあるものが目に入った。

「これ、なんですか?糸、ですよね」

私がいつも登っている木に、一本の糸がかかっていた。その糸は、一見白色の普通の糸に見えるけれど、よく見ると、淡い光を放っているのだ。

「光る糸なんて聞いたことないよ⋯?」

色々と不思議に思っていると、糸が浮き始め、私についてこいとでも言うようにまっすぐと伸びていった。

「ま、待ってください!どこ行くんですか!」

声をかけても止まるどころか伸びるスピードを速めてきた。そして、やっとの思いで糸に追いつくと、糸は祠の前で止まっていた。

「目、閉じて」

私は、言われたとおりに目を閉じた。

「いいよ」

「あの、いきなり何なんです⋯か⋯?」

私の眼の前には、白い装束を見にまとっていて、顔には大きな布をした身長の大きい人?が立っていた。

「ん⋯あれ?ここって⋯」

目が覚めると、私の上にはなぜか知らない天井が見えた。

「おはよう」

私に声をかけたのは、あの時見た人?だった。

「いきなり、倒れたから、心配、した」

どうやら私は、この人?をみたあと、倒れてしまい、この人?がここへ運んできてくれたのだとか。

「ありがとうございました。あなたのお名前は?」

「オリノカミ」

オリノカミ⋯神様!?確かに、いきなり眼の前に現れたり、装束みたいなの着ているし⋯わ、私神様に助けていただいたの!?

「か、神様⋯それはともかく⋯あの、オリノカミ様!助けていただいたお礼をしたいのですが⋯ 」

「いい」

「お願いします、私がしたいんです 」

人であれ人でなかれ、助けていただいたお礼はしなければ。

「⋯名前は」

「私は、夜咲 都唯よさき つゆと申します」

私が名乗ると、オリノカミ様は驚いた顔をしたあと、しばらくの間だまってしまった。そしてオリノカミ様はやっと言葉を話してくれた。

「ツユ、お前をカンナギにする」

糸夜空をまとって。

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