テラーノベル
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今日もマッチングアプリで知り合った人と会う。
俺は基本的にワンナイト専門だけど、”体の相性が合えば”2回、3回してもいいかなと思う。
まぁ、まだそんな人には出逢えてないんだけど…。
22時過ぎ。遅い時間にも関わらず、繁華街は沢山の人で溢れかえっている。
中学生の何人かが煙草を吸っていたり、ホームレスのババアが何かを叫んでいたり。
人を待っている時は、いつも以上に周りの騒ぎが気になる。
早く来て欲しいな……いち早く性的欲求を埋めたいんだけど。
「っはぁ、、遅いな…。」
周りの喧騒にも嫌気が差して、苛立ってしまう。
ポケットからスマホを取り出し、アプリのメッセージ画面を開く。
『ホテル前で待ってます、大丈夫ですか?』
慣れた手つきで文字を打ち込み送信ボタンを押した。
メッセージは直ぐに既読になって、相手が入力中という事を示した。
『すみません、仕事が長引いて遅れてます。』
『もう着きます、服装教えてもらってもよろしいですか?』
ポンポンとメッセージが2件届いて、俺は自分の服を簡単に説明した。
相手、どんな人なんだろ。
DMでも少ししか話してないけど、品性の良さそうな人だ。なんでマチアプなんかやってんのかってぐらい。
名前は『Motoki』。本名なのかは知らない。
プロフィールには『168cm、ネコ専門』とだけ書いてある。
少し低めの身長も可愛らしいと思ったし、俺はタチ専門だからピッタリだと思った。
まぁ、どんな人なのかは会ってみないと分からないな。
「あのっ、、」
「っ、…!」
スマホの画面に夢中になっていたため、突然声をかけられてビックリした。
咄嗟に顔を上げて、やっと目の前に立つ人を認識する。
「『Wakai』さんですか、…?」
俺の名前を知っている。
もしかして、マチアプの……?
「ぁ、えっと……『Motoki』さんですか?」
「っ、そうですっ、…!」
やっぱり。
これが、モトキさん……?
自分の想像とはかなり違う見た目に驚いた。
髪はフワフワで、少し伸びた前髪が左目を隠している。
真っ黒で大きな瞳は、僅かな光が目の中で揺らめいていて、吸い込まれてしまいそうだった。
身長、低……可愛い…。
何よりも、男には見えなくて…俺は目を丸くした。
ほんと、女の子みたい。可愛らしい顔立ちに、男にしては低い身長。
こんなに可愛いネコ、いるんだなあ…。
「あぁ、逢えて良かったです。お仕事お疲れ様です」
「こちらこそ…あ、ありがとうございます!」
「じゃあ、行きましょうか。」
モトキさんをエスコートするように、腰に手を回してホテルに足を運ぶ。
俺の手が腰に触れただけで肩を跳ねさせて、初心な人なのかなとも思った。
適当な部屋を選んで鍵を受け取ると、エレベーターのボタンを押す。
エレベーターを待っている時にモトキさんが口を開いた。
「ぁの……やっぱり、慣れてるんですか?」
「あぁ…えっと、、、はい。」
“慣れてる”というのは、ラブホに来ることなのか、人と体を重ねることなのか分からなかったけど、
とりあえずどっちも慣れてるし肯定した。
「、、ですよね…!
ワカイさん、カッコいいですし…。」
突然褒められて俺は再びビックリしたが、カッコいいと言われるのは今に始まったことでは無い。
男でも女でも、皆俺にカッコいいと言い集る。
「はは……、よく言われます、ありがとうございます。」
「モトキさんも、カワイイです、…」
「……、えっ。」
慌てて自分の口を抑える。
何を口走ってるんだ俺。
出逢って間もない人のことを褒めるなんて、滅多にしないのに。
何だか恥ずかしくなってしまって、気まずい雰囲気になるところを、到着したエレベーターの電子音に助けられた。
先にモトキさんをエレベーターに乗るよう促して、モトキさんが乗り込んだのを確認してから俺もエレベーターに乗る。
目的の階のボタンを押して、モトキさんに体を向ける。
「あ、ありがとう、ございます……。」
「カワイイ…とか、言われ慣れてないので…照れました、//」
……破壊力すごいな。
何故か心臓がキュッとして苦しい。
モトキさんが頬を赤らめてふにゃっと笑うから。
不覚にもドキドキした。
「え、ホントですか、もっと皆に言われてそうなのに〜…!」
「いやいや、そんな風に褒められることがまず無いですよ、笑」
「あ、そういえば……ワカイさん、27ですよね?」
「はい、そうですっ!」
俺のプロフィールを見てくれたんだろうか。
俺のプロフィールには年齢が記載してある。
「じゃあ、同い年です、…!」
「え〜!ホント!びっくりした、嬉しいな…!」
オーバーリアクション大事。
今までの人との関わりで身につけてきたコミュニュケーション能力、沢山使わないとね。
「はい、だから……良かったらタメ語で話したいです…!」
「うん、是非是非!じゃあタメで話すよ、」
照れながらも目を合わせてお話ししてくれる。
いちいち反応が可愛いな。
俺がタメで話すと言っただけで、踵を浮かせて喜んでいる。
エレベーターが到着して、開くボタンを押しながらモトキさんを先に降ろす。
降りる時もペコペコ頭を下げて、挙動が全部可愛いなあとしみじみ思う。
部屋のドアを開けてあげると、モトキさんは目を輝かせて部屋を見渡す。
「何この世界…!」と、ピンクな世界に包まれた部屋をグルグル駆け回る。
ラブホでこんなにはしゃぐ27歳いないよ。この後何するか分かってるはずだよね?
…もしかして、初めて来たのかな。
「ふふ……初めて?こういう場所、」
「あ……、はいっ、、初めて、です…。」
自分の行動が恥ずかしくなったのか、恥ずかしそうに俯くモトキさん。
……まさか処女ってことは無いよね。
処女だったら……その……、かなり燃える。
「シャワー浴びて来ていいよ、俺色々準備しておくね。」
「ぁっ……えっと、…ハイ、、///」
“準備”という言葉に反応しているのか知らないが、緊張している様子。
頬を赤らめながら、荷物をベッドの横に置いてバスルームに向かって行った。
「……処女の可能性高いな。」
モトキさんに聞こえないように小声で独り言を呟く。
バスルームからシャワー音が聞こえてきて、俺も準備を進める。
棚に常備してあるコンドームを何個か手に取り、ベッドサイドに置いておく。あとローションも。
処女だった場合無理させちゃダメだしね、ローションは必須かも。
……いや、あんな子が風呂で準備してたら可愛すぎるでしょ。
変態的な妄想を広げていたら、シャワー音が止まって、バスルームのドアが開く音がした。
新作出しちゃった
今の連載も全然更新してないのに🙄
フォロワー1000人様ありがとうございます🥹🩷
これからも頑張ります🥹🥹
コメント
26件
えてんさい、
最高すぎます、、、フォロー失礼します!💕
え、めっちゃめちゃ好きです もう神作な予感しかしないんですが…!