俺達はひたすら歩いた。
「そういえば、なんて言う国なんですか?」
俺はずっと疑問にしていたことを話す
「ストゥルトゥスっていう国です」
「結構有名な国ですよね!」
「人間の中で、だけどね」
俺以外の3人は知っているようだ。俺は地理が得意気がするが、ここら辺はあまり知らない。まあ、魔女の森からが近いってだけだからな…
それに俺にはあとひとつ疑問がある
「てか、飛ばないんですか?」
「「「あ」」」
「いやいやいや!わざとですよ!?体力向上を目指すために!!」
めめさんが必死になって言い訳をしてて、俺は思わず笑みを零す
飛んだことによって、さっきよりも数倍も早くつきそうだ。歩いてたせいで足は痛くなったけど…もう少し早く言えばよかった、と後悔している
──────ストゥルトゥス──────
その国の周りは自然豊かな森や山々がその国を囲っている。頑丈で大きな鉄の門がその国を守っている、そんな錯覚に囚われた。城壁は石を積み上げてできており、まるで、その国全体が城とでも言うように堂々と佇んでいる。
「じゃあ、ここで私は別れます」
めめさんは俺達が返事をするより早く城壁を飛んで行ってしまった。
「じゃあ、私も準備しておきます」
レイラーさんは飛んで城壁の上に座る
残された俺達は正規ルートで入ることにした。
門番に話しかける
「すみません、ここの国に入りたいのですが…」
「ここの国になんのようでしょうか?」
兵士はそう簡単に入れるわけないだろと見下したような目。嘲笑うかのように口元には残酷さが見える。俺は腹が立ったが、今は感情を無くして淡々と接するのが正解、そう思い、その行動を無視することにした。
「俺は旅人です。この国に知人がいて、久しぶりに逢いに来たんです。あ、パスポートです」
俺はめめさんから貰ったパスポート(偽)を使う。めめさんの技術は普通の人達よりすごい。偽と言っても何もかも同じに作られているから、機械でも見破るのが難しいだろう
「茶川いえ様…はい、ここの機械にスキャンしてください」
「了解です」
ピッと心地よい音が鳴る
「どうぞ通ってください」
兵士は丁寧に一礼し、俺は先に通るがみぞれさんをひっそりと見守ることにする。
「そちらの方は?」
「…最近、この国に冬が訪れないと聞きました。それはあっていますか?」
「え、あ、はい。そうですが…」
兵士の質問をガン無視してるな、と思った。兵士だって仕事なのに大変そうである。
「私は冬を司る精霊です。精霊族の1人として助けにまいりました。」
「!?」
精霊と聞くと驚いたようにすぐに膝まつく
「精霊様でしたか…!!城へご案内いたします。王がお呼びです」
「いえ、その前にこの国の様子を見ます。ここの国の人達が精霊の祝福を与えるのにふさわしいか、自分の目で確認します。」
「護衛を付けますか?」
「いえ、大丈夫です」
精霊って人間にとって神のようなものなのだろうか?明らかに対応が違いすぎる。なんて疑問を零す。みぞれさんが動き始めたし俺も動こう、そう思い裏路地へと歩いていく
「今年も税金上がりましたねヒソヒソ」
「ほんとにね…困るわ〜ヒソヒソ」
「人間の国なのに異種族が国を収めるからこうなったんだわ!!」
「ちょ、声がでかいわよヒソヒソ」
どうやらこの国のものは王をあまりよく思っていないらしい、それどころか異種族だからといって貶してるように見える
俺はまた、離れて歩き出す
城下町に来た。そこは活気に溢れ、綺麗に整備されたところだった。住人達が笑顔で歩き、たくさんの人が訪れている。俺は本屋に向かう。ここの歴史について学んどこうと思ったからだ。
──────書店──────
古びた本から新しい本まである。外見は綺麗で大きく見えたが、中はそこまで広くは無いし壁は一部の木が剥がれている。荒らされたような跡はないので、元々こういう店なのだろうということが分かる
ただ、どこになんの本があるか、あまり分からない。すると
「お客さんとは珍しいねぇ。何しに来たんだい?」
店の奥からおじいさん…多分ここの店長が顔を出す。まあ、この店のことは店長に聞こうと思い、俺は質問を投げかける
「あの、この国の歴史について教えてくれませんか?」
「いいが…君、人間か?」
俺は意味深な質問に驚くが素直に答える
「そうですけど…もしかして、差別ですか?」
「いや、違うが…こんな小さな子もねぇ…」
おじいさんは俺に哀れむような目を向ける。
「なんなんですか?」
「…この国の真実を知りたいか?」
このおじいさんはなにか情報を持っているらしい。喉から手が出る程知りたい情報だ。俺は素直に頷く。
「と、言っても俺が知っていることだけだけどな…
あー、昔からここは人間の王が治めていたんだ。知っての通り結構珍しかったんだぞ?基本的俺達人間は奴隷だからな。」
知ってるのか知らないのかよく分からないような言い方で言い始める。俺は無言で相槌を打つ
「ただ…いつだったかな…5年前くらいか?人間の王が暗殺され、代わりに違う王が治めることになった。最初はいい王だと思ったよ。どんな種族でも平等に接してくれたからな。ただ、変わっちまったよ。」
その顔には俺を見ているのではなく、遠い昔を見ているような、全てを諦めたような目をしている。
「3年前くらいか?人格が変わったように税を上げ、逆らうものは武力で支配する、とんでもねぇ国になっちまったよ…」
俺は悟り妖怪では無いから、真実かは分からない。けど、その顔が真実であることを語っている。
「いいことを教えてやろう…と、思ったが、それより前提として俺は能力者だ。能力は『歴史を知る』ことが出来る能力だ。戦闘にはなんも役に立たねぇが便利だろ?」
「チャキッ」
俺は無言で銃を構える。この能力は持っとけば便利だ。そこに善悪はない。このまま生きていたら話を聞いた限り奴隷にされるかもしれない。辛いだけだろう。ならば殺してあげた方が良い。
「はぁ…お前が暗殺者か?それとも…いや、それだけは違うな。別に殺したければ殺せばいい。奴隷になるつもりは無い」
と言いつつ、おもむろにタバコを取り出し吸い出す。タバコの嫌な匂いが本屋に広がる。
「最後に一服できたしな」
「…その能力が欲しい。それだけだ。奴隷になってくれるなら命は助けよう。」
「いーや。お前は俺を奴隷にできないし俺を殺すこともできない..はあ、あんなに情報あげたのに…村長の差し金だろ?」
「…!?」
俺の手から一瞬で銃を取られ、逆に突きつけられる。…こんなことになるならローブを着とけばよかった。いや、それより今、村長って
「はじめまして、かな?私は元めめ村メンバー!現国の防衛隊リーダー!王の命令だからさ、お願い!」
「…死んでくれない?」
声が青年のような声になり、後ろにいるため姿は見えない。悪寒が走る。冷汗が背中を伝う。生きた心地がしない
はい!どもども!仲春です!めちゃくちゃお久しぶりです!その代わりに長めに書かせていただきました!これからも頑張っていきます!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
コメント
11件
初コメ&フォロー失礼します。 語彙力が凄いです!続きが読みたくなるようないいところで切られた・・・! 頑張ってください!
まりょさんかな?