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「星が……お喋りした?」
「私はまだ空に帰ることのできない星なの。だから、お願い。手伝って?」
その星から事情を聞くと、星が地上に落ちるのは『誰かの大切な願いを叶えるため』なのだという。
そして。『一度地上へ降りた星は誰かの大切な願いを叶えなければ空へ戻れない。』という決まりらしい。
「じゃあ、あなたは誰かのお願いを叶えないとなの?誰のお願い?」
リリがそう聞くと、星は答えた。
「あなたの願いだよ。」
リリはとても驚いた。自分には、叶えてほしい願いなんてない。そう思っていたからだ。
――いや、違う。
本当は一つだけ願いがあった。もう1度だけ。もうお空に行ってしまった大切な人に会いたいと言う願いだ。
リリがそのお願いを口にすると、星は強く輝いた。
「じゃあ、目を閉じて?」
まぶしい光に包まれ、リリは言われた通りに目を閉じた。そして。次に目を開けたとき、そこにはリリが幼い頃に亡くなってしまった祖母が立っていた。
変わらない笑みで優しくリリを見つめ、微笑む祖母。
「大きくなったね、リリ」
たった一言。
それだけで、リリの胸はいっぱいになった。
「……おばあちゃん」
そっと手を伸ばした。が、触れることは叶わない。
少し悲しい気持になったリリ。それに気が付いた祖母は、
「おばあちゃんはね。ずっと、リリの中に居るよ。」
そして、少しずつ光が弱くなっていく。
「っ、待って!」
リリが叫ぶと、祖母は最後にこう言った。
「前を向いて歩きなさい。夜空の星は、いつでも見ているからね。」
そしてその瞬間。
光は空へ舞い上がっていった。1つの星が、夜空へ帰っていく。リリは涙を拭いながら、星を見つめた。
もう、寂しくはなかった。
翌日の夜。
空にはどの星よりも大きく、輝いている星が1つ増えていた。そしてその星はどんな夜でも消えることなく、村を照らし続けていた。
リリは、夜空を見上げるたびに思う。
――願いは叶ったあとも終わらない。
叶った願いは、新しい一歩を踏み出すための光になるのだ。
星は今日も。静かに輝いている。
コメント
1件
うわぁ…最後まで読んで、胸がぎゅってなりました🥺💧 星がリリの大切な願いを叶えるために降りてきたっていう発想、すごく綺麗。 “おばあちゃんはずっとリリの中にいる”って台詞、刺さりました。会いたい人に触れられなくても、ちゃんと心には残ってるんだなって。 願いは叶ったあとも“新しい一歩を照らす光”になるっていうメッセージが優しくて、夜空を見上げたくなりました🌙🤍 藍碧さんの紡ぐお話、すごく温かい気持ちになりました。ありがとうございます。
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ささのはだよ
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