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それは、ほんのささいなことだった。僕がいつものように高校に向かって歩いていると、その子は僕を追い越し……って!?
いつもぶつからないはずの彼女が、今日はなぜだか僕にぶつかって、そして、本当にふいにベストなタイミングで、僕らは見つめ合ってしまったのだ!!
「ご、ごめんなさい!」
「ああ、いえ、こちらこそ」
それは本当にささいなことだったけど、その子の顔は、凄く綺麗だった。
毎日の通学路で、僕はこんなことにも気づかなかったのかと思う気持ちと、神様に感謝する気持ちとが混ざって、訳の分からない気持ちになった僕は、瞬間、押し黙ってしまった。
「じゃ、さよなら」
それを察した彼女が、僕から離れていく……僕の思考回路は、このときおかしかったのだ!!
「あの!」
いつも出さないくらい大きな声が、このときはなぜだか自然と出てきて、でも、なんとか彼女を繋ぎ止めたくて、僕はさらに彼女に声をかけてしまった。
「僕と、つきあってください!」
「え」
彼女は驚き、戸惑った様子で僕を見た。しかし、なぜだか彼女は頬を赤く染めながら、僕を上目がちに見て、離れた分の距離をまた引き返してきた。
「あなた、なんで!?」
この角度、このアングル、このキャラクターたち……すべての要素が、今日はかみ合っていた! 彼女は戸惑いながらも僕に近づいてきて、小さな声で僕に、よろしくおねがいします……と告げた!
ただの一目惚れ。ただそれだけ。僕の目にはただ彼女がとても美しく見えただけ。
それが、僕の勇気の理由……