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何の前触れもなくキャリーバックを持って帰ってきたから両親は驚いていた。

特に父は昨夜の500万円の話があるので何かあったのかと険しい顔をしていたが、父の話を聞いて驚いたのは私の方かもしれない。


「昨夜の仮想通貨だが、胸糞の悪い金だからそのまま放置してどうなっているのかも見もしなかったが、確認したら700万くらいになっていたよ。叩き返すなら現金化するぞ」


「さすがお父さん、タダでは転ばないね」


「でも、急にどうしたんだ?」


「うん、昨日凌太と久しぶりに会ってお互い色々と誤解があったことがわかったというか、それに関しては謝罪したいって言っていたんだけど、今はそんな話じゃなくて正人が不倫していて」


「「は?」」


両親とも目が点になっている。


ですよねー、私もそうだったもん。


「一年くらい前からで、二人の預金からその子に貢いでいて、正人はその子は二十歳だと言っているんだけど」


「「二十歳?」」


さすが夫婦、息がぴったり。


「もしかすると現役高校生かも」


「「はぁ?」」


ここまで来ると一心同体だわ。


そこで、手紙がポストに入っていたところから美優のインスタからさまざまな証拠写真をゲットしたことを説明した。


「ただ、美優がこんな行動を起こした理由がわからないんだけど」


「未成年でも慰謝料の請求はできるが、支払い能力がないという理由で反故にされる可能性があるな、その子の両親が支払うこともあるかも知れないが、逆に正人くんがそのこの両親から訴えられるというパターンが考えられる」と淡々と話す父に、「あらやだ」と相槌を打ちながら聞いている母を見ると、長い時間をこんな風に過ごせる人と出会えたことは羨ましいと思った。


「美優のことは凌太が調べてくれるって言っていたからそっちは任せようと思う。で、明日は正人と話をしようと思って」


そう言うと、母さんが心配そうな表情をする。


「一人で大丈夫?危なくない?」


「里子がついてきてくれるって」


「あら、里子ちゃんがついてくれるなら安心ね。月曜日にでも離婚届をもらってこようか?」


確かに、なるべく早く動きたいから助かる。


「うん、もらってきて」


「それにしてもね、正人さんが不倫なんて」


「そうだな、真面目な好青年だと思っていたんだが、人は見かけによらないな」


「この三年はなんだったんだろうって思う」


しんみりしても仕方がないし、両親は私の味方だ、帰ってきてよかった。

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