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冒険者ギルドの地下にある訓練場。

そこには疲弊しきった大勢の冒険者達が満足に立つこともできずに息を切らしていた。

激しい運動を繰り返していたため、大量の汗もかいている。


時刻は午後4時前。冒険者達への稽古が終わる時間だ。


「良し。今日の稽古はここまでとする。皆よく頑張ったな」

「お、終ったぁあ~~~!」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、やっぱ、はぁっ、これぐらい、やらないと、はぁっ、強くなれない、はぁっ、みたい、だな…っ!」

「だがよ、ぜぇ、効果は、ぜぇ、ばっちりだぜっ!ぜぇ、はぁ」

「マジかっ!?はぁっ、はぁっ、後で、はぁっ、聞かせてくれっ!」


早速稽古の効果を体感した者達がいるらしい。彼等は昨日は稽古を行わなかったようだから、その間に討伐依頼を受けたのかもしれないな。

効果を実感してくれた冒険者達がその効果を他の冒険者達にも教えて、その話を聞いた冒険者達が新たに私の稽古を受けに来る。


そうして大勢の冒険者達がランク相応の実力を身に付けてくれると言うのならば、私としては言うことは無い。甲斐があるというものだ。


いつものように栄養補給飲料を冒険者達に配ったら訓練場を後にする。転移魔術の完成まであと少しだ。仕上げに取り掛かるとしよう。


途中、呼吸が落ち着いて来た冒険者達が、自分達の体験を他の冒険者達に語っている内容が耳に入ってきた。



「昨日よ、久々に討伐依頼を受けてみたんだが、すげえのなんのって!魔物が次に何をしてくるのか分かっちまうんだよなぁ!」

「しかも自分の体が思った通りに動いてくれるんだぜ!」

「ただ動けるだけじゃないんだよ!同じ武器を使ってるはずなのに、今まで以上に攻撃がしっかりと通るんだ!」

「今まで邪木鬼《じゃぼっき》を切りつけても途中で刃が止まっちまってたんだが、昨日は何と真っ二つだぜ!?真っ二つ!自分でもビビったよ!」

「マジかよっ!?たった2日間の稽古でそんなに変わって来るのかっ!?」

「そもそもさ、俺達、姐さんの”お仕置き組”なんだよ。でな、俺達のランクの魔物と姐さんを比べてみると、な…」

「「「「「あー…」」」」」

「姐さんのアレを知ってたら、”中級《インター》”の魔物とかなぁ…」

「もうさ、俺達、こんなの相手にビビってたのか…ってなっちまってさ」

「分かるぜ。俺達が初日の稽古で血頭小鬼《ブラッディゴブリン》に初見で勝てたのも、姐さんの”お仕置き”があったからだしなぁ…」

「血頭小鬼と姐さんとじゃあ、どっちがヤバいかなんて、考えるまでもねえもんなぁ…」

「誰かが姐さんのことを女神って言ってたが、その気持ち、分かるわぁ…」

「「「「「分かるぅ…」」」」」



分かるな分かるな。まったく、有難がるのは別に構わないが、拝んだりなんてしてくれるなよ?それが信仰心になってエネルギーとして私に送られてきたら、どうしてくれると言うんだ。


聞かなくて良いことまで聞いてしまったな。さっさと図書館へ移動して転移魔術の最終調整に取り掛かるとしよう。




時刻は午後6時45分。だいぶ遅くなってしまったが、何とか完成までこぎつけることができた。

とはいっても、この転移魔術も万能ではない。転移可能距離は私が認識できる範囲までとなっている。

例え『広域探知』を魔力色数込みで無制限に使用したとしてもここから家まで効果が及ぶわけでは無いので、ここから家まで転移することは不可能である。


だが、それでもこの国の領土程度ならば私は十分に認識できる。そして、当然私以外の者も対象にできるようにしてある。これで子供達を安全にマコトの元まで送り届けられると言うわけだ。


完成したら連絡すると伝えたし、一度フウカに連絡を入れた後、彼女と共にマコトの所まで転移で移動するとしようか。勿論、2人には事前通達を行っておく。


〈フウカ、今の状況を教えてもらって良いかな?〉

〈現在は宿泊先で待機中です。屋敷には必要以上にいたくありませんので〉


嫌われているなぁ、ヘシュトナー侯爵。当然と言えば当然だが。

まぁ、ヘシュトナー邸にいないと言うのならば都合が良い。ついでに様子を確認する子供が到着する時間も聞いておくか。

それで時間に余裕があれば、マコトに連絡をして彼の元へ転移魔術のお披露目と行こうか。


〈搬送されている子供が到着する時間は分かるかな?〉

〈本日の午後14時。貴族用の特別搬入門から連れてくるそうです〉

〈それなら、時間にはかなり余裕があるね。子供達をマコトの元まで届ける魔術が完成したから、お披露目も兼ねて今からフウカの所に向かわせてもらうよ〉

〈承知しました。お待ちしております〉

「いや、待つ必要は無いよ。こうして貴方の所まで一瞬で移動して来れるからね」

「っ!?!?ノ…!?えっ!?今っ!?えっ!?!?」


流石に驚くか。

遠くにいたと思っていた相手が、会話をしている最中に一瞬で目の前に現れたのだ。事前情報が無ければ私だって驚く。


正直なところ、転移魔術を用いなくとも、私1人ならば以前でも同じようなことができている。モスダン邸で密会をしていた時の様に、透明化させた幻を予め移動先に出現させておけば良いのだ。

『幻影《ファンタム》』及び『幻実影《ファンタマイマス》』と『入れ替え《リィプレスム》』の併用と転移魔術の大きな違いは、当然使用魔術の回数が挙げられる。

前者は2回の魔術で移動するのに対し、後者は1回の魔術の使用で移動が可能なのだ。要領を覚えれば手間が掛からないのである。


そしてもう1つ、転移魔術は自分以外も移動の対象にできるという点だ。

術者と共に他の対象も移動させられるし、術者以外の対象のみを転移させることも可能だ。しかも対象は複数指定が可能だ。その分魔力は消費することになるが。

要するに、指定できる対象の幅が極めて広いのだ。

多分だが、私ならば30人と言わず、数千人以上の人間の集団を纏めて転移させることも、余裕でできると思う。


まぁ、こんな感じで理想を求めて魔術を開発していたら、こんな時間になるまで時間が掛かってしまったというわけだ。

ちなみに、図書館への退館は幻に行わせているのでいきなり私が消えた、などとは思われていない。


とりあえず、マコトに連絡を入れて、問題なさそうならばマコトの元までフウカと共に転移しようか。


ああ、その前に錯乱してしまっているフウカを落ち着かせておこう。



「本当にデタラメと言うか、理不尽と言うか、何でもアリだな、アンタ。」

「だが、そのおかげで問題は解消されたんだ。それで良しとしない?」

「あまり頻繁に使わないでくれよ?昨日のアレもそうだが、間違いなく騒ぎになる内容だからな」

「当然だね。そもそも、一瞬で移動してしまったら移動中の景色が楽しめないじゃないか」


転移魔術は極めて有用な魔術であることは間違いないが、欠点もある。

先程私がマコトに伝えたように、移動の楽しみの1つである景色を眺めることができなくなるのだ。

往きたい場所へ一瞬で到着できるのは非常に便利だが、あまりにも味気ない。旅そのものを楽しむのであれば、やはり移動も大切なのだ。


「……そういや、アンタの目的は旅行だったな…」

「うん。イスティエスタからここまでの馬車で見た景色は、それはもう見事なものだった。ああいうものは転移魔術を使用したら、楽しめないだろう?」

「そりゃそうだが…世紀の大発明だってのに…はぁ…。自由だな、アンタは…」


まぁ、転移魔術を人間が開発したら間違いなく歴史に名を残す偉人として称えられるだろうな。

その辺りの人間の事情は、私は関与するつもりは無い。使いたいのなら自力で習得してくれ。


「とにかく、これで此方の準備は整った。後は子供達の行方を知るために、ヘシュトナー邸へと搬送されているであろう子供が、ヘシュトナー邸へと到着するのを待つばかり、と言ったところだね」

「時間は分かってるのか?」

「貴族専用のルートを用いて午後14時頃に到着するんだって」

「そうか…。ああ、そうだ。ノア、アンタにコイツを渡しておく」


そう言って、マコトから手渡されたのは複数の書類だ。

内容は…各貴族家における資金流入の調査結果か。……いくつかの家に不自然な点が見受けられるな。改竄でもしたのだろうか?

と言うかこの書類、誰の手によって作成されたんだ?まさか、コレもマコトが?


「この調査結果は?」

「ユージェンから夕方届いたものでな。王都周辺でかつ不自然な数字が見受けられる家を調べようかと思ったんだが、アンタがやった方が早いだろ?悪いが、頼まれてくれねえか?ギルドの依頼として扱うことはできねえが、報酬は勿論出す」


なるほど。マコトが仕事漬けなのは今に始まったことでは無いが、ユージェンも大概仕事漬けの生活を送っているらしい。

たったの3、4日でここまでの情報を調べ上げる辺り、ユージェンも相当にやり手なのは間違いないな。

どうやらユージェンはこの機会に所謂悪徳貴族と呼ばれる存在を、騎士を制圧しようと企む貴族と共に纏めて締め上げる気でいるらしい。


さて、マコトから非公式の依頼を持ち出されてしまったわけだが、問題は無い。彼は私に仕事を押し付けるようなことをしているのに対して申し訳なく思っているようだが、私としてはむしろ喜ばしいことだ。

貴族家の調査は『実幻影』を用いれば容易だし、私がこの調査を行うことによってマコトの負担も大分減らせる筈だ。


だが、マコトだからな。余裕ができた分、別の仕事を作りかねない。ここは釘を刺しておこう。


「引き受けよう。報酬はまぁ、今の私のランク相当の価格を調査する貴族の家の数に応じて用意してくれればそれで良いよ」

「そう言うわけにはいかねぇだろ。貴族家に内密で調査するってのは、結構な大事なんだぜ?」


本来ならば、1つの家に忍び込んで調査をするだけでも大仕事だろうからな。多額の報酬を支払おうとするのは分かるが、金は私にとってそこまで大きな報酬にはならないんだ。稼ごうと思えばいくらでも稼げるからな。


だから、マコトには金以外の報酬を要求するのだ。


「金額が低いのは、金額とは別に報酬を求めるからだよ」

「…なぁんか嫌な予感がするな…。その要求ってのは?」

「マコト。私がこうして貴方の仕事の肩代わりをするのだから、貴方は今の内にしっかりと休んでおくんだ。仕事を追加してはいけない。もし何か仕事を追加しようとしたら…そうだね。その時は強硬手段を取らせてもらおう」

「さらりと怖えこと言うなっての。しかし報酬が俺に休むことを要求って…。アンタも結構意地が悪いっつーか、人が悪いっつーかよぉ…」


マコトから苦言を言い渡されてしまった。

だが、仕方が無いだろう。放っておいたらドンドン仕事を増やしてしまうのだから。

今回の様な要求でもしない限り、彼はゆっくりと休もうとしない筈だ。


「余裕が出来次第、次から次へと仕事を作ってしまう貴方が悪い。それで肝心な時に体調を崩されたら、困るのは此方なんだ。何だったら、監視役として幻を一体貴方の傍に置いておこうか?」

「勘弁してくれ。分かったよ。新しく自分の仕事を追加しない。今から飯食って風呂に入って寝る。それでいいな?」

「うん。それでいい。ゆっくり休んでくれ。それじゃあ、戻るとしようか。突き合わせて悪かったね、フウカ」


マコトに転移魔術の効果を伝えるために連れて来たフウカは正直今回は全く話すことが無かったのだ。私達の会話を聞いていただけである。

此方の都合に付き合わせてしまったことを謝罪しておいた。


「いえ。転移魔術の効果を知らせるには効率的でしたでしょうから」

「そう言ってくれると助かるよ。だけどフウカ、不満があったら遠慮せずに言って欲しい。私の言うことが絶対と言うわけでは無いんだからね?」

「善処いたします…」


善処ってことは、普段は私の言うことは絶対だとでも思っていそうだな。今後フウカの心境に変化が訪れてくれると良いんだが…。


フウカに転移魔術を施して元いた待機場所へと転移させる。

うん。転移魔術に問題は無いな。彼女は無事、元いた待機場所に転移できた。

これで、後はヘシュトナー侯爵がフウカへと使いを送って来るのを待つだけだ。


「ノアさんは、戻らなくて良かったんですか…?」

「うん。マコトにはもう1つ、例の子供達のことで相談しておこうと思ったことがあったからね」


フウカのみを転移させて私がこの場に残ったことで、マコトはまだ私の要件が残っていることに気付いたようだ。

フウカがいなくなった直後に変装を解いて、本来の口調で訊ねて来た。


「この話、多分フウカが知ったら冷静でいられなくなると思ったからね。彼女には伝えないでおこうと思ったんだ」

「冷静でいられなくなるって、まるでインゲインのせいで子供達が病に侵されたような…っ!?まさか、意図的にっ!?」


マコトも気付いたか。流石だよ。

さて、何処まで話そうか。正直、私が考えた可能性を知った場合、マコトも激高しかねない内容なんだよなぁ…。


「ああ、多分だけど、ヘシュトナー侯爵は治そうと思えばいつでも子供達を治せるんじゃないかな?だけど、子供達が治ってしまったら”影縫い”を従える材料がなくなってしまうからね」

「彼女を従えるために敢えて不完全な治療を…。確かに、奴がやりそうな手口ですね…」


さて、私は更に最悪な可能性が頭から離れていないのだが、証拠がない。だからこそ、子供達が隔離されている場所に調査へ向かう必要があるし、ヘシュトナー邸をもう一度調査しようと思ったのだ。

尤も、ヘシュトナー邸の方は3日前に調査したのだ。有力な情報が見つかる可能性は低いだろう。


そこで子供達が収容されている隔離場所だ。薬を用いて症状を保っていると言うのなら、必ずその薬に関する書類が見つかる筈だ。


「純粋に治療であるのなら良いのだけどね」

「まだ、何かあるんですか?」

「私が見たヘシュトナー侯爵と言う人物は、例え有力な暗殺者を従えるためとはいえ、流行り病に掛かった村の子供の命を繋ぎ止める人物には思えないんだ」

「………」

「そもそも、村を襲ったのは本当に病なのかな?」


マコトの体から魔力が勢いよく溢れ出して怒りの感情が露わになる。


優しい人だ。見ず知らずの子供のことだと言うのに、外道な手段の…あくまで可能性の話をしただけだと言うのに、ここまで怒ることができるのだから。


彼の魔力が部屋の外から溢れ出すことは無い。私が今いる部屋を自分の魔力で覆っているからな。存分に感情を吐露すると良い。


「……あくまで…可能性なんですよね?」

「うん。だから今晩、幻を使って徹底的にヘシュトナー邸と子供達の隔離場所を調査するよ」

「ノアさんの推測を、全て聞かせてもらって良いですか…?」

「構わないよ。ただし、現状はあくまで可能性。仮にヘシュトナー侯爵と顔を合わせる機会があったとしても、感情を露わにしないようにね?」

「大丈夫です。それぐらいの腹芸は培ってきていますよ…」


静かに応えるマコトの表情は今まで見たことも無い程に暗いものだ。

これは、来るべき時にヘシュトナー侯爵にどれほど凄惨な目に遭わせるかを頭の中で構築してそうだな。


「子供達が掛かっているのは病などではなく、ヘシュトナー侯爵が村全体に齎した、毒なんじゃないかな?そして、子供達を使って毒の効果を検証、実験し続けている。毒の使い道は色々あるだろうけど、直近で使われると思うのは、やっぱり騎士制圧の機会かな?」


再びマコトから大量の魔力が噴出される。

これは相当お冠だな。このまま風呂に行って大丈夫なのだろうか?


「ノアさん、可能性とは言え、そんな外道な行為を想像して、貴女は何とも思わないのですか…?」


私が予測した、子供達の…フウカの故郷の真相に対して私の態度にまるで変化が無いことに、マコトは思うところがあるらしい。

正直、人間の悪い部分を詰め込んだような外道な行為であることは私も理解しているのだが、私にとっては[それも人間の持つ一面だ]と言う感想が先に出てしまい、そこまで感情的にはならない。

問題の子供達とは、私は会話どころか会ってすらいないからな。どうしても感情が大きく変化しないのだ。


ただ、仮にシンシア達やエリザが同じ目に遭ったとなった場合、問答無用でヘシュトナー邸ごとヘシュトナー侯爵を『消し飛ばす』自信があるな。多分、王都の一部すら巻き込むと思う。

その辺りの自制は、正直効きそうにない。


だからこそ、子供達のことを知っているフウカにこの内容を教えようとは思わなかったのだ。

彼女にこの可能性を教えた場合、証拠も無い状態でヘシュトナー侯爵を始末しに行きかねないと思ったからな。


「何とも思わないわけでは無いんだけどね…。私が関わった人物でない以上、あまり感情移入ができないんだ。むしろ、可能性の話だと言うのにそこまで怒りの感情を露わにできるマコトに、私は関心を覚えるよ」

「僕は…甘いのでしょうか…?」


どうやらマコトは、他人のことで感情が変化することが冷徹になれないことが、甘さではないかと考えているようだな。

それもあるかもしれないが、甘さと言うのは感情の変化に対するものでは無いんじゃないだろうか。

変化した感情に対して、当人がどう行動するかが、甘さと冷徹さの分かれ目だと、私は思う。


例え極悪人でも相手が可哀想だと思ったからと言って殺さない選択をする人は、客観的に甘いと思われるだろう。

逆に大きな原因があってやむを得ず大罪を犯してしまった人物を可哀想だと思っても、決まり通りに裁くような人物は、冷徹と思われるだろう。


この2つのケースにおける優しさの判定は、相手を可哀想だと思うか思わないかの違いだと、私は判断している。


「まさか。純粋に優しい人、と言うだけのことだろう?貴方が子供達を想う気持ちは、よく優しさと混同されがちな甘さとはまるで違うものだよ。今の感情に流されずに正しい判断ができるのなら、私からは特に言うことは無いよ」

「そうですか…。ええ、そうですね…。僕自身も、そう思います。ノアさん、調査の方、お願いします」

「うん。マコト。分かってると思うけど、この可能性が真実だったとしても、早まった行動は取らないでよ?」

「ええ、分かってます。もしも真実だったのなら、簡単に死なせるつもりはありませんから、死を懇願しても叶わない、生き地獄を味わわせてやりますよ」


思った以上に苛烈な事を考えてた。

まぁ、ヘシュトナー侯爵は今回のことを除いても相応の悪事はしているだろうから、無理もないか。



話すことも終えてマコトと別れ、幻にヘシュトナー邸を調査させる。


その間、本物の私と言えば遅めの夕食を取り、風呂に入って部屋で複製した本で読書をして時間を潰していた。


そして時刻は午後14時


「来たみたいだね?」

「はい。ノア様、あの子達のこと…どうかお願いします」

「うん。任せて」


ヘシュトナー邸からフウカ、”影縫い”に対して使いが来たのである。


さて、ヘシュトナー侯爵を追い詰めるために、本格的に動くとしようか。

ドラ姫様が往く!!

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