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みぃ
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『誰も覚えていない夜』
「目覚め」
――――???
暗い。
何も見えない。
何も聞こえない。
ただ、どこか遠くで時計の針が動いているような音だけが聞こえていた。
――カチ、カチ、カチ。
「…………ん。」
誰かが小さく声を漏らした。
ゆっくりと目を開ける。
そこに広がっていたのは、見覚えのない白い天井だった。
ーー莉犬・ぷりっつ
莉犬「……ここ、どこ?」
身体を起こした莉犬は、周囲を見回す。
白い壁。
大きなテーブル。
壁には時計。
そして、部屋の隅には見慣れないモニターが置かれている。
莉犬「…………?」
少し離れた場所では、誰かがまだ眠っている。
莉犬「……誰?」
近づいて顔を確認する。
莉犬「……ぷりちゃん?」
ぷりっつ「……ん……。」
莉犬「ぷりちゃん!起きて!」
ぷりっつ「……んぅ……。」
莉犬「ぷりちゃん!」
ぷりっつ「……ん?」
ぷりっつが目を開ける。
ぷりっつ「……莉犬くん?」
莉犬「よかった……!」
ぷりっつ「ここ……どこですか?」
莉犬「分かんない。」
ぷりっつ「……ですよね。」
二人は立ち上がり、部屋の中を調べる。
ぷりっつ「スマホ……ない。」
莉犬「俺もない。」
ぷりっつ「財布も……ないですね。」
莉犬「荷物も全部ない。」
ぷりっつ「……なんで?」
莉犬「分かんない……。」
そのとき。
カチッ。
部屋の照明が突然ついた。
莉犬「うわっ!?」
ぷりっつ「びっくりしたぁ!!」
二人が同時にモニターを見る。
画面が真っ暗なまま、文字だけが浮かび上がった。
『おはようございます。』
莉犬「…………。」
ぷりっつ「…………。」
『35名の皆様。』
莉犬「35名……?」
ぷりっつ「俺ら以外にも、いるってことですか?」
『これより、ゲームを開始します。』
莉犬「……ゲーム?」
画面が切り替わる。
そこに表示されたのは――
【人狼ゲーム】
莉犬「…………え?」
ぷりっつ「……人狼ゲーム?」
二人は顔を見合わせた。
ーーるぅと・てると・メルト
てると「……ん……。」
てるとが目を開ける。
てると「…………ここ、どこ?」
起き上がった瞬間、隣から声がする。
るぅと「てるとくん?」
てると「るぅとくん!?」
るぅと「よかった……。目が覚めたんですね。」
てると「ここどこ!?めるめるは!?」
るぅと「……あ。」
二人で部屋を見回す。
部屋の端に、もう一人。
メルトが壁にもたれながら目を覚ましていた。
てると「めるめる?」
メルト「…………。」
てると「めるめる、大丈夫?」
メルト「……大丈夫です。」
るぅと「何か覚えていますか?」
メルト「……何も。」
てると「僕も……起きる前のこと全然覚えてない。」
るぅと「僕もです。」
メルトが扉に近づく。
ガチャ。
メルト「……開きません。」
てると「え?」
るぅと「閉じ込められてる……?」
メルト「みたいですね。」
てると「ちょっと待ってよ……。」
その瞬間、モニターが点灯した。
『ゲームを開始します。』
てると「……人狼ゲーム?」
るぅと「…………。」
メルト「……嫌な予感がしますね。」
てると「怖いこと言わないでよ、めるめる……。」
ーーころん・ゆた
ころん「…………んー……。」
ころんが目を覚ます。
ころん「……あれ?」
隣から声がした。
ゆた「ころんさん!」
ころん「ゆた!?」
ゆた「よかったぁ……!」
ころん「ここどこ?」
ゆた「分かんないです……。」
ころん「スマホは?」
ゆた「ないです。」
ころん「……嫌な感じするなぁ。」
ゆた「僕もです。」
モニターが点灯する。
『35名の皆様。』
ころん「35人……。」
ゆた「僕たち以外にも、たくさんいるんですね。」
『この中にはーー』
画面が一度消える。
そして大きな文字が表示された。
【人狼が存在します。】
ころん「…………。」
ゆた「…………。」
ころん「……本当にゲームなのかな。」
ゆた「分かりません……。」
ーーさとみ・みかさ
みかさ「……ん。」
さとみ「お、起きた?」
みかさ「……さとみくん?」
さとみ「そう。俺もさっき起きたところ。」
みかさ「ここ……どこ?」
さとみ「分からない。」
みかさが扉を開けようとする。
みかさ「……開かない。」
さとみ「やっぱりか。」
みかさ「……怖い。」
さとみ「大丈夫。今は俺がいるから。」
みかさ「……はい。」
ーージェル・はりま
ジェル「……ん?」
はりま「ジェルくん!」
ジェル「はりま?」
はりま「ここ、どこなんでしょう……。」
ジェル「俺にも分からへん。」
はりま「これ……夢とかじゃないですよね?」
ジェル「……だったらええんやけどな。」
二人の前のモニターが光る。
ジェル「……人狼ゲーム?」
はりま「……冗談、ですよね?」
ジェル「…………。」
ジェルは答えなかった。
ーーななもり・つきしろやしろ
つきしろやしろ「……ななもりさん?」
ななもり。「うん。大丈夫?」
つきしろやしろ「はい……。」
ななもり。が部屋を見渡す。
ななもり。「状況が分からないなぁ…。」
つきしろやしろ「どうしましょう……。」
ななもり。「まずは落ち着いて!みんなもどこかにいるはずだよ!」
つきしろやしろ「……はい。」
モニターが点灯する。
ななもり。「……人狼ゲーム。」
つきしろやしろ「本当に始まるんでしょうか……。」
ななもり。「わかんない。」
ーーばぁう・ロゼ
ロゼ「……ばぁうくん?」
ばぁう「……ロゼか。」
ロゼ「ここ、どこですか?」
ばぁう「分からない。」
ロゼ「扉も開きません。」
ばぁう「……随分と趣味の悪い場所だな。」
ロゼ「でも、必ず誰かがここにいるはずです。」
ばぁう「ああ。」
ーーしゆん・たちばな
たちばな「師匠、起きてください!」
しゆん「……ん?」
たちばな「よかった……。」
しゆん「ここどこ。」
たちばな「分からないです。」
しゆん「……人狼ゲーム?」
たちばな「はい。」
しゆん「面倒なことになったな。」
ーータケヤキ翔・パルオ
パルオ「翔さん!」
タケヤキ翔「お、パルオか。」
パルオ「ここどこですか!?」
タケヤキ翔「俺も今起きたとこ。」
パルオ「スマホもないです。」
タケヤキ翔「……本格的やな。」
ーーまぜ太・らいと
まぜ太「……ん?」
らいと「まぜ太?」
まぜ太「らいとじゃん。」
らいと「ここ、何?」
まぜ太「知らん。」
らいと「……ゲーム?」
まぜ太「みたいだな。」
二人はモニターを見つめる。
まぜ太「人狼ゲーム、ねぇ……。」
らいと「笑えない。」
まぜ太「同感。」
ーーちぐさ・らお
ちぐさ「…………。」
らお「ちぐさ?」
ちぐさ「……らお……。」
らお「大丈夫か?」
ちぐさは周囲を見回す。
ちぐさ「ここ……どこ?」
らお「分からない。」
ちぐさ「……怖い。」
らお「……。」
らおがちぐさの隣に座る。
らお「大丈夫だから。」
ちぐさ「……うん。」
ちぐさは小さく頷いた。
らお「みんなもどこかにいるはずだ。」
ちぐさ「……そうだよね。」
ちぐさは笑おうとする。
でも、その表情はどこかぎこちなかった。
ーーあっと・にしき
あっと「……にしき?」
にしき「はい。」
あっと「ここ、閉じ込められてる?」
にしき「そのようですね。」
あっと「人狼ゲーム……。」
にしき「随分と物騒ですね。」
ーーけちゃ・だいきり
けちゃ「だいき!」
だいきり「けちゃくん?」
けちゃ「ここどこ!?」
だいきり「俺にも分かりません。」
けちゃ「怖いよ……。」
だいきり「大丈夫です。落ち着いてください。」
ーー心音・あっきぃ
心音「…………。」
あっきぃ「……心音?」
心音「……あっきぃ。」
あっきぃ「最悪の組み合わせじゃん。」
心音「俺もそう思った。」
あっきぃ「……。」
心音「何?」
あっきぃ「別に。」
二人の間には、少し気まずい空気が流れる。
心音「……とりあえず、ここから出ないと。」
あっきぃ「それは同意。」
モニターが点灯する。
心音「……人狼ゲーム。」
あっきぃ「……マジかよ。」
ーーやなと・まひろまる
やなと「……まひろまるくん?」
まひろまる「やなと!?」
やなと「よかった……。」
まひろまる「何が起きてるんだろう。」
やなと「分からない。」
二人はモニターを見つめる。
ーーおさでい・そあら
そあら「……でい。」
おさでい「起きた?」
そあら「うん。」
そあら「ここ……怖いなぁ」
おさでい「……そうだね。」
そあら「何が起こるんだろ。」
おさでい「分からない。」
ーーものくろ・Lapis
Lapis「…………。」
ものくろ「Lapisさん?」
Lapis「起きてる。」
ものくろ「良かったです。」
Lapis「……何ここ。」
ものくろ「分かりません。」
Lapis「人狼ゲームって書いてあるけど。」
ものくろ「嫌な予感がしますね。」
そして。
全ての部屋で同じモニターが点灯した。
『35名の皆様。』
『状況が分からず、不安に思っていることでしょう。』
『ですが、ご安心ください。』
『皆様には、それぞれ一つずつ役職が与えられています。』
『その役職は――』
画面が切り替わる。
『あなた自身にしか分かりません。』
莉犬「…………。」
るぅと「役職……。」
ころん「嫌な予感しかしないんだけど。」
『昼は話し合い。』
『夜は、それぞれの役職に従って行動してください。』
『そしてーー』
画面が一度暗くなる。
数秒後。
赤い文字が表示された。
【このゲームでは、脱落者は二度とゲームに戻れません。】
35人全員が、言葉を失った。
ぷりっつ「……脱落って……。」
てると「どういう意味……?」
さとみ「……まさか。」
ロゼ「……。」
心音「…………。」
あっきぃ「これ、ただのゲームじゃないのか?」
誰も答えられない。
そして最後のメッセージが表示される。
『これより、最初の話し合いを開始します。』
『皆様は、それぞれの部屋から出てください。』
『そしてーー』
『仲間を探してください。』
カチッ。
全ての部屋の扉が、一斉に開いた。
ガチャ。
ガチャッ。
ガチャ。
35人が、それぞれ部屋の外へ出ていく。
莉犬「……みんな、いるのかな。」
ぷりっつ「きっといますよ。」
るぅと「まずは全員と合流しましょう。」
てると「はい……!」
メルト「……。」
ころん「ゆた、行こう。」
ゆた「はい!」
さとみ「みかさ、行くぞ。」
みかさ「……はい。」
ジェル「はりま、こっちや。」
はりま「はい!」
ななもり。「やしろくん、行こう。」
つきしろやしろ「はい。」
ばぁう「ロゼ、離れるなよ。」
ロゼ「分かりました。」
しゆん「たちばな、行くぞ。」
たちばな「はい!」
タケヤキ翔「パルオ、行くで。」
パルオ「はい!」
まぜ太「らいと、行くぞ。」
らいと「うん。」
ちぐさ「……らお。」
らお「どうした?」
ちぐさ「……一緒にいて。」
らお「もちろん。」
ちぐさ「……ありがとう。」
あっと「にしき、行くぞ。」
にしき「はい。」
けちゃ「だいき、早く!」
だいきり「はいはい。」
心音「……あっきぃ。」
あっきぃ「何?」
心音「行くぞ。」
あっきぃ「……分かった。」
やなと「まひろまるくん、行こう!」
まひろまる「うん。」
おさでい「そあら、行こう。」
そあら「はい!」
ものくろ「Lapisくん行きましょう。」
Lapis「うん。」
――35人。
全員が、中央にある大きなホールへ集まっていく。
久しぶりに顔を合わせた者。
いつも一緒にいる者。
そして――
互いにあまり仲が良くない者。
それぞれが、周囲を見渡す。
ころん「……全員いる?」
莉犬「数えてみよう。」
さとみ「1、2、3……。」
しばらくして。
全員が揃っていることを確認する。
35人。
誰一人欠けていない。
ななもり。「……全員いるね。」
ほっとした空気が流れる。
しかし。
『それではーー』
モニターが再び点灯した。
全員が画面を見る。
『最初のゲームを開始します。』
『皆様の役職を確認してください。』
『あなたのスマートフォンは、各部屋に用意されています。』
『自分の部屋へ戻り、確認してください。』
『なおーー』
画面に一文が表示される。
【自分の役職を、他人に見せてはいけません。】
心音「…………。」
あっきぃ「役職を隠せってことか。」
ジェル「なるほどなぁ。」
しゆん「つまり、最初から嘘ついていいってことだろ。」
ロゼ「……そういうことでしょうね。」
おさでい「これから、誰かが嘘をつく。」
るぅと「そして、その中に人狼がいる。」
ちぐさ「…………。」
らお「ちぐさ?」
ちぐさ「……ううん。」
らお「大丈夫?」
ちぐさ「うん。」
ちぐさは笑った。
いつものように。
自然に。
誰にも怪しまれないように。
けれど――
その手は、わずかに震えていた。
そして35人は、それぞれの部屋へ戻っていく。
まだ誰も知らない。
この35人の中に――
6人の人狼がいることを。
まだ誰も知らない。
このゲームを始めた人物も――
35人の中にいることを。
そして。
この夜を過ごした35人全員が、
いつかこの出来事を――
「夢だった」と知ることになることを。
――第1話「目覚め」終わり。
コメント
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第1話、読み終わりました…! いきなり見知らぬ白い部屋に閉じ込められて、人狼ゲームって…もう最初からゾワゾワが止まらないです😭 35人全員のキャラがそれぞれ違う空気を持ってて、特にちぐさちゃんの震える手とか、心音くんとあっきぃの微妙な距離感とか、そういう細かい描写がめっちゃ気になります…! 「このゲームを始めた人物も35人の中にいる」って一文、好きです。これからどうなるんだろう…続きも絶対読みます🤍