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「大丈夫か、エマ?怖かったろ、よく頑張った」
『こほっ…ベッ、ク…!……あり、がと』
「ごめんな、こんなにボロボロになって………歩けるか?」
『だい、じょぶ』
エマを押さえつけていた山賊もぶっ飛ばされ、ベックは駆け足で向かう。
砂をとっ払い、ゆっくり起こしてあげるとエマはいつものように、にかっと綺麗に笑った。
ベックは心の底からから安心して立ち上がり、ヒグマに向かって再び戦闘態勢を組んだ。
「うぬぼれるなよ山賊…………!!
ウチと一戦やりたきゃ軍艦でも引っぱってくるんだな」
「…つぇぇ…」
「すごい……」
「……や!!待てよ…仕掛けてきたのはこのガキだぜ」
「どの道、賞金首だろう」
『ちがうよ、さいしょはそっち』
「だってよ」
「……………ちっ」
赤髪海賊団の気迫に押されたのか、汗を流しながら焦りの表情をうかべるヒグマ。
次の瞬間、どこに隠していたのか煙幕を取りだし舌打ちしながら消えていった。
「こいガキ!!」
「うわっ!!くそ!!はなせはなせェ!!!」
『わわ、ちから入んないや…』
「ルフィ!!エマ!!
し!し!しまった!!油断してた!!二人が!!」
「悪い、俺がもっと見とけば」
「ベックのせいじゃないさ!!でも、どうしようみんな!!」
「うろたえんじゃねェ!!お頭この野郎っ!!みんなで探しゃあすぐ見つかる!!」
近くにいたルフィと横たわってたエマはヒグマに抱えられ連れていかれる。
残った赤髪海賊団は総出で町の捜索を始めた。
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海上
「はっはっはっはっはっ!!!まんまと逃げてやったぜ!!まさか山賊が海に逃げたとは思うまい!!
さて、ゴムのガキ。てめェは人質として一応連れてきたが、もう用なしだ!女の方は予定通り売り飛ばして一儲けだ!!
おれを怒らせた奴は過去56人、みんな殺してきた。」
「お前が死んじまえ!!」
「プッあばよ」
『ルフィ…?』
ドンっと海に放り出されたルフィを、何も拘束されてなかったエマは追う。
「馬鹿な!!」
「くそ!!くそ!!」
「ガキが…しょうがねェが金は今回は諦めよう。二人仲良く死ぬんだな」
『ルフィ…!!』
「あいつら!!クズのくせに………!!
一発もなぐれなかった…!!畜生!!!
………………!!!……畜生ぉ!!!」
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