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すると信じられない事に、僕は17時過ぎに仲村にメールを送っていた。
嘘だ…‥
僕じゃない…‥
《大事な話がある。18時に駅で待ってる》
何だよこれ…?
どうしてこんなメールが…‥
それよりも、早く仲村を止めに行かなきゃ。
そして、僕は慌てて家を飛び出すと、自転車に乗って全速力で駅へと向かった。
このまま行けば、あと数分で駅に着くだろう。
プルルルル…プルルルル…‥
しばらくするとスマホの着信音が鳴った。
自転車を止めて、ポケットからスマホを取り出して画面を見ると葵さんからだった。
『もしもし…』
『紺野さん、今どこにいますか?』
『今、駅に向かっています』
『えっ!? 何しに駅に行くんですか?』
『仲村を助けにです。だって仲村は今日事故に遭って命を落とすんですよね?』
『・・・・・』
『葵さんっ…‥時間がないんだ。教えてくれ!』
『確かに…私の見た未来ではそういう事になっています。だからって紺野さんが行く必要なんてありません。私は、あと数分で事故が起きてしまう滝谷町交差点に着きます。私が助けに行くんで、紺野さんは急いで家に戻って下さい』
『もう無理ですよ…』
『何を言ってるんですか?』
『その滝谷町交差点が…今目の前にあります』
『直ぐにそこから離れて下さい。仲村さんが救おうと…‥したのは…ザザザザ…ザザザザ…‥』
突然会話中にノイズが入って、葵さんの言葉が聞き取れなくなった。
仲村が救おうとした人物の名前を言おうとした瞬間だった。
でも、話の流れからすると仲村が救おうとしたのは…‥
僕…‥
葵さんに戻るように言われたにも関わらず、仲村をこのまま放っていく事など出来ない僕は、仲村の姿を探しに歩きで横断歩道の中に入って行った。
その瞬間だった。
ズキンっ…ズキンっ…‥
頭が割れるような痛みが走った。
耐えがたい痛みが何度も繰り返して起こり、意識が朦朧としていた。
それでも、フラつきながら何とか道路を渡り切ろうとした。
「紺野くんっ!?」
誰かに名前を呼ばれ、顔を上げた瞬間、数メートル先には僕に向かって突っ込んでくる大型トラックの姿があった。
どうやらぼっ…‥
ダンッ…‥
次の瞬間…僕は誰かに突き飛ばされ、横断歩道から外に放り出された。
足腰に力が入らない僕は、道路に顔面から叩きつけられた。
ドンッ!?
ガシャーン…‥
ガガガガガっ…‥
バンッ…‥
ボンッ…‥
後方から物凄い衝撃音が聞こえてきた。