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今日は特にこれと言った用事はなかった。
ただいつものように回るだけ。
そのはずだった。
私の前には狂気の紅い瞳と、綺麗な羽、そして金髪の長いサイドテールが特徴の女の子が立っていた。
「初めまして……かな?」
「レティ・ホワイトロックさんだよね?」
いきなり名前を言われたことでつい何も言えずにいた。
「あれ、大丈夫?」
「おーい!」
私は慌てて口を開いた。
「どうかしたの?」
「あ、よかったー死んでなかった!」
冗談にしてはかなり怖いことを言われた気がする。
別に今はどうでもいい。
「えっと、私に何か用……よね」
逆に用がないならなんで声をかけたんだって感じなのだが。
「うん!あなたに頼みたいことがあるの!」
頼みたいこと?一体なんなのだろうか。
「私にできることならなんでも言ってほしいわ」
いつもの頼れるお姉さん感を出してみる。
これで相手がどう動くかによっては、態様を大きく変えることになる。
「えーっとねー……」
「これ!」
そう言って彼女が出したのは「人の心を知るには」と書かれた一冊の本だった。
完全に専門外だ。
私はただの雪女、さとり妖怪でもなんでもない。
「これは……」
答えを探す
探して、探して、探して、探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して。
でも、見つからなかった。
「レティさん、大丈夫?」
彼女を困らせてしまった。
「あ、うん大丈夫よ」
「えっと、私はこういうのはできないから、地底に行ったらいいと思うわ」
「力になれなくてごめんなさい。」
本当に、申し訳ない。
こんなことを言われたら、普通の子はしゅんとした顔をする。
だけど彼女は違った。
彼女は、希望で溢れている目をしていた。
「大丈夫、レティさんなら、きっとできるよ 」
正直、何を言っているのかわからない。
私はただ冬の時だけ強くなる……あ。そういうことか。
この子は、今の私を求めている。
今はちょうど冬。強くなっている私に用があってもおかしくはない。
……と言っても、人の心なんてわかりもしない。いや、わかりたくない
「レティさん?」
「なんでもないわ」
「人の心を知る方法、教えてあげる」
***
最初はほんの出来心だった。
ずっと冬が続くから少し巫女とかを揶揄おうと思った。
冗談で「私がくろまくー」などと言っていたらボコボコにされたのを覚えている。
これが私の最後になるなんて、考えてもいなかったのだから。
本当に、これでよかったのかしら。
***
『大丈夫だよ!私が君を導いてあげるから!』
そんな声が聞こえた。
死ぬ直前に言われても、困る。
「レティ……さん……」
わたしは最後の力を振り絞って声を出す。
レティさんは少しだけ反応したが、すぐに行ってしまった。
だれかたすけて。
まだしにたくない。
おねがい。だれか。
『また復活するんだから、怖がることなんて何もないよ!』
黙って
『そうしてそんなに怖がる必要があるんだい?』
黙って
『君が望んだことじゃないか!』
黙って
『そんなに同じ言葉を言われても困るよ。』
黙って
『……一緒にいた子はもうとっくに逃げちゃったんだよ?』
うるさい
『助けてなんて言っても、誰も来てくれない。』
お願いだから
『なんでそんなに願うの?』
レティさん、もうやめて。
***
何かが一気に私の中に流れ込んできた。
これは一体なんなのだろうか。
彼女の能力?いや、それはない。彼女は破壊の能力を持っているはずだ。こんなことができるはずがない。
「レティさん、私がなんであなたに頼んだかわかる?」
わからない。
「あなたには素質があるの!」
「私が今から起こすことは最悪で最高の異変になると思うわ!」
「そんなことしたら霊夢が来るんじゃ」
「そこは安心して! 」
安心なんてできない。
「霊夢ならもう壊してあるから」