~💚~ (1週間後)
目黒と付き合い始めて半年が経過した。
実は、俺は康二ともそれなりの関係を持っている。
どちらとも関係は良好で、二人は同じくらい大きな愛と快楽を俺に捧げてくれる。
だから、どちらかを選ぶなんて俺にはできない。
先に付き合ったのは目黒だけど、最近体を重ねるのは康二の方が多い。
誑かすような真似を結果的にしてしまっているわけだから、自分でも悪い男だな、と思う。
我ながら悪趣味な性格に加えて、「いつかバレてしまうかもしれない」という背徳感が癖になってしまったようだ。
今でもずるずるとその関係を維持している。
💚「これは決して浮気なんかじゃない」
そう自分に言い聞かせて、俺は今日も二人に会いに行く。今日先に行くのは目黒の家。
インターフォンを押すと、いつも通りの声が聴こえてきた。少ししてドアが開く。
🖤「いらっしゃい、上がって」
💚「お邪魔しまーす!最近あんまり来れてなくてごめんね」
🖤「仕方ないよ。最近忙しいんでしょ?」
💚「そーそー。朝の情報番組のパーソナリティーとかいろいろあってさ」
🖤「そうだよね。いつも観てるよ」
💚「さすがだね!ありがと」
🖤「ふふっ、こちらこそだよ」
笑った目黒の瞳が、何故かいつもよりも充血しているように見えた。気のせいだろうか。
ソファに座るよう促されたので、言う通りにする。
🖤「はい。これ、友達から貰った紅茶なんだ。ちょっと特殊な効果があるらしいけど、よかったら飲んでね」
💚「ありがとう!じゃ、頂くね」
勧められた紅茶を飲むと、目黒の口が歪につり上がった。その瞬間、ぐにゃりと景色が歪んで、睡魔に襲われた。
💚「あれ…なんか、、急に眠く…」
🖤「眠くなってきた?良かった。これで阿部ちゃんはどこにも行けなくなるね」
体が動かなくなり、俺は床に倒れこんだ。俺を見下ろす目黒の呟きが聞こえたのを最後に、視界が真っ黒になった。
次回に続きます。
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