「明日香〜これ良くない?」
「晃さん。ちょっと若作りしすぎじゃね?」
「ちげーよ。これは俺のじゃなくてシンの。あいつに似合いそうじゃね?」
湊と明日香は買い物に来ていた。
―暑くなってきたな~そろそろ新しい夏物欲しいんだよな~
ー勝手に買いに行けばいいじゃん
―明日香ぁ〜暇だろ?付き合え〜
ーはぁ?暇じゃね〜し
ーいいじゃん。お前中々服のセンス良いし、湊さんの服えらべよ〜
ーも〜わかったよ。その代わりぃ〜俺の服も買ってね。アキラさん♡
ーったく。あんまり高けぇーのは買わないからな
ーありがとう♡アキラさん。あっ、でも後で柊くんと約束あるから、それまでね
強引に誘われて、明日香の行きつけのお店にやって来たのだが、湊が選ぶのは自分の服ではなく。シンの服ばかりだった。
「晃さ〜ん。自分の服買いに来たんじゃないの?さっきから、シンのばっかじゃん」
「仕方ねーだろ。この店若い人向けばっかでアラサーには着こなせねーよ」
「だったら別の店行く?」
「あ、ちょっと待って。あっちも見てくる。あれなんか絶対シンに似合うよな~」
そう言って店の奥に行ってしまう。
「晃さん待って!」
慌てて明日香は湊の後を追う。
(本当、晃さんはシンの事ばっかりだな 笑)
目を輝かせながら選んでいる湊の姿に少し呆れながら明日香は微笑む。
「結局シンのだけしか買わなかったじゃん。自分の服見に行ったんじゃなかったの?」
「いーじゃん。俺のはまた買いに行けば」
「俺、もう買い物つきあわないよ」
「明日香ぁ〜冷たい事言うなよ〜お前の服も買ってあげたじゃん」
「1枚だけだよ。シンのなんか5枚も買ったのに!」
頬をプゥっと膨らませ
「そんなに暇じゃないんですけど!」
「そう言うなよ。今度はメシ奢るから!」
顔の前で手を合わせて、お願い!と、頼み込む湊に、仕方ないな…と明日香はつい了承してしまった。
「今度はシンのじゃなくて、自分の服ちゃんと買ってよね」
「わかってるよ~笑」
あどけない笑顔で答えた湊に、
「柊くん待ってるから。じゃあね、晃さん」
と、手を振って明日香は自宅へ向う。
1人家路を急ぐ明日香は大事そうに紙物袋を抱えた湊の姿を思い出し
「どんだけシンの事好きなんだよ 笑」
つい笑ってしまう。
「明日香」
「柊くん!」
家の前には柊が立っていた。
「出かけてたの?」
明日香の持っている紙袋を見ながら柊が尋ねる。
「アキラさんが強引に誘うからさ〜見てみて柊くん。」
紙袋から買ってもらった服を取り出すと
「今度これ来てデート行こっ」
ニコッと笑う明日香に
「成績落ちたら行かないよ。今日は?授業は?」
冷静な声で柊が聞く。
「今日は休校。でも、朝起きて勉強はしたよ♡」
「そう」
相変わらず冷たいなぁ〜少しは褒めてくれても良いじゃん!
内心そう思いながらも、それでも会いに来てくれた柊に喜びを隠せずにいた。
子供達の話し声が聞こえ始めた頃、突然鳴り響く携帯の音。
身に覚えの無い番号からだった。
不審に思いながら明日香が電話に出ると、
「湊晃さんのお知り合いの方の携帯でお間違えないでしょうか?」
聞き覚えの無い声。
「あのーどちら様ですか…?」
恐る恐る尋ねる。
「◯◯警察です。湊晃さんが事故に合い、◯◯病院に運ばれました。ご家族か親戚等とご連絡がつかなかったので…」
えっ?
次第に明日香の顔が青ざめていった。
電話を切った明日香は柊を見るなり、
「柊くん!!晃さんがっ!」
大声で柊に向かって言った。
ただ事ならぬ事情を察し
「明日香。急ごう」
2人は晃の運ばれた病院へ急いだ…
続く…
【あとがき】
まずは…読んで頂きありがとうございます✨
今作は長編になりそうな予感…
大まかな設定と言わせたいセリフや最後は決まっていますので、それに向かって突っ走りたいと思います。
俺はまだ出てこないんですか?と、シンに言われそうですが…君は重要人物なので待ってて(笑)きちんと美味しい場面用意してますよ~と、なだめたところで…
最後に…作者は小説書くのは初めてなので、誤字脱字、あれ?と、思う箇所が所々に見受けられますが(笑)温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
どうか最後までお付き合い頂けると幸いです😊
水萌
コメント
3件
最高です!楽しみに続き待ってます!