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ウ サ ミ @也

俺が小学校3年になる前
この街に転校する事が決まり、学校までの道程を確認していた時
俺はアイツと出会った
アイツは道端で膝を擦りむき泣いていた
どうせコケただけだろうと無視して通り過ごそうかと思ったけど‥‥
「痛くて歩けないのか?」
「‥‥ううん‥‥大丈夫」
「早く帰って手当てした方が良いよ」
「‥‥‥‥」
涙を擦りながら俺を見て笑顔を向ける
俺はその小さな子の手や足に付いた砂を払ってあげた
「ありがとう」
「一人で帰れるのか?」
「うん、大丈夫」
そう言うと俺に手を振って歩き出した
俺も家に戻ろうとコイツの少し後ろを歩き出した
10分ほど歩く
前の男の子と一緒の道を
そして家に着いたと思われるその子が家に足を向けた時、思わず声が出てしまった
「え‥‥お前んち、ここ?」
俺の声にその子が振り向く
「‥‥そうだよ」
「俺んち、隣なんだけど」
「あ、引っ越して来た人?」
「そう‥‥」
俺よりも小さなその子は俺の同級生だった
しかもあの日泣いていたのは、いじめられていた子を助けたら報復を受けていじめにあっていたようだ
俺はその日からいじめっ子に目につけられたコイツ‥‥
宇佐美リトと行動を共にした
家が隣な事もあり、俺達はすぐに仲良くなった
そして気まぐれないじめもいつの間にかなくなり、宇佐美は一層明るくなった
互いの家を行き来し、中学生になってクラスが違くても関係は変わらなかった
「‥‥お前そろそろ勉強始めろよ」
「んー‥‥これ読み終わったらやる」
「晩御飯の時間になるぞ」
「じゃあ食べてからやる」
「‥‥ノートは見せないからな」
「え?間違ってる所、教えなくても良いの?」
「うっ‥‥それとこれとは話は別だろ」
宇佐美が俺のベッドから起き上がり、背後から顔を出してノートを覗き込む
俺は書き終わったばかりのノートに目を落とす
何も言わない宇佐美に俺は振り向いて顔を見た
すぐそばにある宇佐美はノートではなく俺を見ていた
「なんだよ‥‥どこが間違ってんだよ」
「‥‥‥‥まだ見てないよ」
「は?何見てたんだよ?」
「そんなの‥‥‥‥に決まってるじゃん」
「‥‥なんだって?」
俺の耳元でゴニョゴニョと聞き取れない言葉を喋ったかと思えば、急に俺の方におでこを乗せた
「なんだよ、そんなに腹減ってんのか?」
「‥‥‥‥そうだよ」
「じゃあ先に食いに行こうぜ」
「‥‥‥‥小柳さ」
「ん?」
俺は手で宇佐美の頭を退けると立ち上がり、背伸びをして宇佐美を見下ろした
宇佐美もベッドから降りて俺を見てくる
コイツ‥‥
昔は小さくて可愛かったのに、いつの間にか俺の身長を越してばかデカくなりやがった
「俺がなんだよ?」
「ううん、なんでもない!腹減った!」
「俺飯終わったらゲームしよ」
「俺もやりたい!」
「お前は宿題が先だろ?」
「写せば良いもん」
「俺とお前の課題、違ったら良いのに」
「学年が一緒なんだから仕方ないだろ?」
俺は宇佐美に肩を掴まれながら一階のダイニングへと降りていった
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コメント
3件
宇佐美とこやの2人少ないから助かる