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メンバーでの収録が終わり、リビングで休憩していたら隣にnaさんが座ってきてこそっと言われた。
「なんか最近hrくんと距離感おかしくない?喧嘩してるんですか?」
さすがnaさんkrpt勘が鋭い代表なだけある。俺らのことを本当に心配してくれているの分かってるけどこればっかりは何も言えねえ、すまない。俺とhrくんの沽券に関わる問題なので。それにnaさんだってメンバー同士の性事情なんざ知りたくないじゃろうて。俺は作り笑いしながらすっとぼけた声で答える。
「そんなことないけど、そう見えちゃう?」
「あれー?hrくん最近やたらurさんのこと遠くから見てるんよね、だから喧嘩してるんじゃないかと思ったんだけど」
「それは…何でやろなあ?」
思わず苦笑が零れてしまう。hrくんマジで誤魔化しが下手すぎ。こちとら片思い相手のhrくんの必死なお願いに折れてきちんと距離を置いたし、あの部屋であったことを一日も早く忘れようと努力してるっていうのに肝心のhrくんの態度がそうさせてくれない。こっちは本当はなぁ、あの日の可愛いくてエロいhrくんを忘れたくねんだよ!それどころかあわよくばもう一度あそこにhrくんと閉じ込められたいと毎日願ってる。悶々とhrくんとのことを考えていたらnaさんがあっと小さな声を上げた。その声にはじかれるように前を見ると少し離れたところからこちらを見ている人がいることに気づく。その人物は俺とnaさんに見つかった事に気づくと分かりやすく動揺した挙句、思いっきり明後日の方向を見た。
「…いや誤魔化すのヘタクソか」
「そこがhrくんの素直な良いところなんだけどねぇ」
はぁ、とひとつため息をついて苦笑いしているnaさんに、ちょっと行ってくると告げて立ち上がった。そっちがあの日のことを忘れるつもりがないんだったらこっちも忘れてやらないしグイグイ押してやる、覚悟してほしい。俺は今みたいな中途半端な状況が一番嫌いなんだ。まずはどれだけ俺がhrくんに惚れているのか分からせるところから。変わらずおろおろしているhrくんのほうへ俺は足を進めた。