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kzlr
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「ねぇ。くっさんはおれがいくらなら買う?」
「は?」
人のベッドに優雅に寝っ転がりながら漫画を読んでたローレンがいきなり訳の分からないことを言う。
俺の反応に目を悪戯っぽく細めると読んでいた漫画を差し出してきた。
「ん〜? 人間オークション? おまえ悪趣味なもん読んでんな」
「この雑誌、くっさんちにあったやつだけど」
そう言われれば確かにこの雑誌の表紙には見覚えがある。けれど俺はこの雑誌を読んだ覚えがない。パラパラと他のページを捲っても目ぼしいものもなし。何故こんな雑誌が俺の部屋にあるのか──
「あ、椎名か」
「椎名さん?」
「ほらこれ。麻雀の漫画載ってんだよ。で、面白かったから読んでみろ〜って押し付けられた」
あの時は皆ちょっと酒が入っててあざーっす! と意気揚々に椎名さんから雑誌を受け取ったものの、帰って床に投げ捨てて忘れ去っていたものだ。ローレンが発掘しなければゴミの日に捨てられるだけの存在に成り果てていただろう。
「で?」
「だから、椎名から」
「ちがうちがう。くっさんならおれを競り落としてくれる?」
どうやら訳のわからない問いかけは続いていたようだ。ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべるローレンを横目に人間オークションとやらの漫画に目を通してみれば、登場人物たちは一億だの十億だの実に漫画らしい額で人間を競り落とそうとしている。
「ちなみに今はいくらなんだ? おまえ」
話に乗ればローレンは楽しそうに声を弾ませる。
「そうだなぁ。うーん… 。じゃあ、三億」
「ふはっ。大きく出たな、ローレン」
「えー? おれ、それくらい魅力あると思うんだけど?」
「はいはい」
自信たっぷりにそんなことを言うローレンが寝っ転がっているベッドの上に移動してその体を組み敷けば、三億円の商品様は楽しそうに口角を上げる。
「ちょっと。商品に手出しちゃダメでしょ」
「味見だ味見」
「うわっ、なんかオヤジくさ… …んっ、」
べろりと。首筋を舐めればローレンは体を震わせる。そのまま頬にキスをして、唇を重ねればローレンも素直に舌を絡めてくる。
「ふっ、ン……ぁ、」
舌を深く捩じ込めばそれに対抗するかのようにローレンの舌も俺の口の中へと入ってくる。じゅ、と入ってきた舌を吸い上げれば甘い声を漏らし再び俺に口の中を蹂躙される。
「ぁ、… …ンっ、… …ッ」
ローレンの瞳に涙が浮かび、息継ぎが下手になってきたところで口を離せば随分と蕩けた顔を晒している。可愛い。エロい。
そんな風に思っているのが顔に出ていたのか、ローレンは口元を拭うと指でばってんを作り可愛くないことを言ってくる。
「… …はいっ、味見終わりでーす。現在の価格は五億! 五億円に上がりました〜」
頬を紅潮させ、目には涙を浮かべ、明らかに欲情した顔をしてるくせに終わりだなんてよく言えたものだ。
「ほらほら、くっさん? もっと値段あがっちゃ… …うぁっ!?」
完全に油断しきっていたローレンの下着に手を入れて勃っていたものをやわやわと握ると、さっきまでは余裕を残していた表情が追い詰められたものに変わる。
ちょっと。そう言って止めようとするローレンの両手を片手でまとめ上げると僅かな抵抗を見せるものの、体は快感を求めて満足に力が入らないようだ。
「やっ、…ぁ、あっ、お…お触りっ、だ、ダメだって… …」
「んー?」
「あっ! あ、あぅ、く、…っくっさん、…ッ、あ、ひぁ… ..ッ!」
つぷ、と後孔に指を二本入れれば難なくそれを受け入れていく体に思わず笑いが漏れる。風呂で準備していたくせに何がお触りはダメ、だ。言葉とは裏腹に自分の指をぎゅう、と締め付けるローレンの中に思わず喉が鳴る。
「ひッ、んん… …っやぁ、.. も、もう… …ッ」
好きなところを擦ればローレンの腰が切なそうに跳ねる。限界が近いのかまとめ上げられた手にも全く力が入っていない。きゅう、と更に中の締まりがよくなった瞬間。俺はローレンの中から指を抜き、まとめ上げた両手も開放するとローレンは信じられないものを見るように潤んだ目で俺を見てくる。
「え…. …? な、なんで… …」
「“お触りはダメ”なんだろ? 五億様?」
俺の言葉にローレンは恨めしげに睨んでくるものの、そんな潤んだ目で見られては逆効果だ。
自分から言った手前、なかなか発言を取り消すのが難しいのだろう。もぞもぞと下半身を切なげに揺らし、俺に文句を言いたげに眉を顰める姿はこちらを煽るには十分だった。
ローレンにいくらの価値があるかなんて考えるまでもない。その身もその心も、金で手に入るような男ではないのだから。そんな男が目を潤ませて完全に欲情しきった顔で俺を見てくるのだからそろそろこちらも限界なのだが。
「く、くっさん… …」
「なんだ?」
観念したかのようにローレンが俺の手を握ると指を絡めてくる。そしてそのまま自分の顔へと俺の手を持っていき、頬を擦り付けて上目で切なげに呟く。
「おれのこと… …競り落としてくれないの?」
焦らし合いで負けたのはどうやら俺らしい。
「ひっ!? あ、あぁああっ… …ッ…!」
「くっ… … …」
ローレンの頬から手を離し、その細い腰を掴んで解れ切った後孔に剛直を突き挿れればローレンはそれだけで達してしまったらしい。しかも前を汚しておらず、中だけで達したようだ。
あまりの締まりに歯を食いしばって耐えるものの、焦らされていたローレンの中は熱く、俺のものを待ち望んでいたかのように吸い付いてくる。
「あっ、… …は、ぁ… …ッ」
大きすぎる快楽の波から未だ帰ってこれないローレンは大きな目から涙を溢して体を痙攣させている。快楽に翻弄されるローレンは可愛いと思うものの少しやりすぎたかもしれない。
すぐには動くことを我慢して首筋や頬にキスをすれば、その刺激にもローレンは震えた。
「… …は、… …ッ、中で、イくと… …き、きついんだってば…」
断続的に締め付けてくる中に少し上擦った声。
目からは宝石のような涙の粒を溢すローレンに理性を保つほうが難しい。もっと追い詰めたくなる。もっと善がり狂っている姿を見たいと思ってしまう。
「… …ん、そうだったな。悪い」
侘びながらも辞めるつもりは全くなく。俺の手がまだ出せていないローレンのものに触れるとぎょっと目を瞠る。
「あっ!? やっ、ンッ、くっ、くっさぁっ… …あっ、〜〜〜ッ!!」
ギリギリまで抜いた自身を勢いよく奥へと挿れればローレンは楽器になったように可愛らしい声を上げ続ける。それを繰り返していくうちにまたしても締まりが良くなるローレンの中に持っていかれないよう歯を食い縛った。
「… … …っく、」
ぱちゅんぱちゅんと卑猥な水音が響く中、勃ち切ったローレンのものを扱けばその先端からはすぐに白濁が吐き出された。
立て続けにイかされたローレンの中は俺のものを痛いほど締め付ける。目の前にはほぼトびかけで蕩けた可愛い顔をしたローレンの姿が広がり、俺も堪らずローレンの中から爆発寸前のものを抜くとローレンの腹の上に白濁を吐き出した。
「っ、は…ローレン。そんなに俺に競り落として欲しかったのか?」
「ぁっ、だっ、だって…んぅ、」
大きすぎる快楽に二度も襲われたローレンが舌足らずに何かを言おうとしたが、あまりにも可愛すぎるため唇を奪えば辿々しくも舌を絡めてくる。気持ちいいことに素直になっているローレンの破壊力は堪ったものではない。
既に己のものは硬さを取り戻し、目の前にはご馳走が用意されている。我慢をしろという方が無理な話だ。
唇を離し、再びローレンの腰を抱え直せばローレンは抵抗することなく潤んだ目のまま俺の問いかけに答える。
「お、おれのこと… …だれにも、渡したくないかなって… …」
「… … … … …」
ローレンの真意は分からないが今日のこいつは煽り上手なんてものではない。仮に三徹した後だったとしても今日のローレン相手なら難なく昂っただろう。
「はっ、… …ッ! あぁ、うぁっ、やっあぁあ…っ!」
再びローレンの中へと剛直を押し挿れれば歓迎するように腸壁が絡みついてくる。もうほとんどトんでしまっているローレンの首筋を強めに噛めばローレンはその刺激にさえ体を震わせた。
「いッ…! … …うっ、ぁ」
「… …っ、分かってるじゃねーか…ローレン」
ぎゅう、と。
組み敷いているローレンを押し潰さんばかりに抱き込めばローレンは意識があるのかトんでるのか分からない状態で俺の首を抱え込むように手を回してくる。
そんな健気な反応も可愛くて、堪らなくて、──これは俺のものだと本能が訴えかけてくる。
「… …絶対誰にも渡さねーからな」
俺の言葉の意味がちゃんと理解出来たのか。まるで喜ぶようにローレンの中は俺のことを更に締め付けてくるのだった。
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すみませんどちゃくそ長くなってしまいました
お疲れ様でした