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私は警察学校を卒業し警察庁警備局特殊課に所属した。でもやる事は呪術師と何も変わらない。この課が動くのは警察がこちら側に足を踏み入れようとした時だけ。それに処理の大体は窓や補助監督がやってくれる。私の役割はもっと大きなことが起きた時、らしい。自分でもよく分からない。だから呪術師として多忙な日々を送っていた。
ある日、警察側の上司に呼び出された。
「今、爆弾が仕掛けられてるんだが、犯人が呪詛師と関わっている可能性がある。今、上同士が掛け合ってこちらに捜査権が動くよう話をしている。五条は現場に行ってくれ」
「了解です」
細かい情報をもらいながら現場へ向かう。着いたのは高層マンション。爆処の人間がうじゃうじゃいる。まだ上は話を通してないのだろうか。
「…セリ?」
「松田じゃん。お疲れ」
「何してんだよ」
「あー…この案件、こっちの管轄になりそうなんだよね」
「公安案件か?そんな事件には思えねえが」
「うーん…あ、そうだ。松田、解体したんでしょ?ちょっと見せてくれる?」
「ああ、いいぜ」
見せてもらった爆弾は簡易的で簡単な物だった。情報によるともう一つはマンション。そっちが本命か?
♬.*゚*♪•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪•*¨*•.♬.*゚
私のスマホが鳴る。
「はい」
《本命の方が呪いが関わっている可能性がある。爆処の窓からの情報だ。今、触らせないよう指示しているから直接爆弾の方へ行ってくれ》
「話は通ったんですか?」
《ああ》
「了解です」
電話を切る。
「じゃ、私本命の方行くから」
「防護服無しでか?」
「うん、まあ…じゃ、時間ないから」
「ちょっ、セリ!」
私はマンションの爆弾が仕掛けられている20階へ向かう。
「セリちゃん?!」
「萩原か。よお」
「何で居るの?」
「あれ?聞いてない?」
「えっと、なんか管轄が変わって…あ!!セリちゃんのことなの?!」
「聞いてるね。じゃ、爆処の皆さん避難してね」
私の声で爆処の人達がゾロゾロと非難する。話が通っていた証拠だ。後は私と話している萩原だけだ。
「セリちゃんは?」
「私この爆弾とやることあるから」
本命の爆弾の方は非術師が触ればドカンだ。ここまでよく誰も触らなかったな。
「え!危ないよ?!」
「萩原こそ、防護服無しで何やってんの?馬鹿なの?アホだね。死にたいの?」
「グッ…」
「ほら、他の人達は避難してんだから萩原も避難し、て」
タイマーが動き始めた。
「セリちゃん!!」
私は萩原を抱きしめ無下限の中に入れる。爆発する。
「セ、リ、ちゃん?」
「萩原、怪我ないね」
「な、無いけど」
「じゃ、下行きな。松田待ってるから」
「ど、な、何が起きてるの?」
「生きてて良かったね。ほら、行った行った」
私は萩原の問い掛けを無視し、萩原の背中を押す。
「セリちゃん!」
「私やることあるから」
なかなか行ってくれない。
「はあ…何?」
「え、いや、えっと」
「とりあえず降りて。私今から仕事。それに松田も心配してんじゃない?スマホ、さっきっからずっと鳴ってるよ」
「あ、ああ…あ、後で話聞くからね!」
「はいはい。あ。あと、私の事はあまり公言しないでね」
「分かった」
萩原を下に下ろす。
「さて…」
もう爆発してしまった爆弾を見る。
「置換術式の応用か?」
置換術式。呪力を扱える人間の眼球や脳、体を用いて様々な術式をかける術式。かける術式は人によって様々。今回の呪詛師は爆発させるのが術式だったようだ。犯人が呪詛師、もしくは爆弾の提供者が呪詛師だろう。こっちの鑑識を呼び、私もマンションを降りる。
「セリ!」
「松田?」
「さっきの爆発、萩原と巻き込まれたって…大丈夫か?」
萩原…公言すんなって言ったのに。
「俺以外にはセリのこと言ってねえよ」
「そう…萩原は?」
「一応病院に連れてかれた」
「そっか」
私の無下限に完璧に入れたから怪我は無いが一般人からしたら爆発に巻き込まれたんだもんな。
「セリも早く病院に…」
「五条さん」
呼んだ鑑識だ。
「使われたのは置換術式。爆破されてしまってどの体の部位を使ったかは不明。残穢も確認出来なかった。後はよろしく」
「了解です」
「セリ?」
「ごめん、私報告に戻らないと。萩原にはまた今度って伝えといて。じゃ」
「セリ!」
「松田さん」
同じ爆処の人間に話しかけられてる内に逃げるように去る。
コンコンコン
「はーい」
爆発に巻き込まれたくせに呑気だな。私は萩原の病室に来ていた。
「やっほ」
「セリちゃん!」
「元気そうで何より」
ま、当たり前だけど。
「“奇跡的”に爆発から帰還出来て良かったね」
「そう…そのことなんだけど…セリちゃん、何したの?」
「何もしてないよ」
「嘘だあ。俺らが立っていたところだけ、まるで何もなかったかのように爆発の被害から免れた。爆発直前セリちゃんは俺を抱きしめた。まるでそうすれば助かるかのように。普通、爆弾から距離をとるはずだ。でもセリちゃんはそうしなかった…ねえ、なんで?」
「…」
「…何したの?」
「防護服着ない悪い子には教えなーい」
「グッ…」
「現場行って防護服着ないなんて論外。馬鹿。阿呆。もうバカ。馬鹿。ほんとバカ。もういっそ1回死んだらどうなの?」
「そ、そんな言わないでよ…」
「私がいなきゃ、死んでたよ」
「…うん。セリちゃん」
「ん?」
「ありがとう。なんかよく分かんないけど、守ってくれたんでしょ?」
「私は何もしてないよ。萩原の運が良かっただけ。じゃ、仕事抜けてきたから戻るね」
「うん。またみんなで集まろうね」
「そうだね…萩原」
「ん?」
「命は大事にしな」
今回の件は捜一が担当しているが裏で我々も手を貸すことなった。