テラーノベル
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ある日の朝、緑谷出久はいつもより体が重かった。
「…あれ、なんかだるい…?」
それでもヒーロー科の生徒として遅れるわけにはいかないと、無理やり起き上がり、雄英高校へ向かった。
教室に入ると、すぐに爆豪勝己が気づく。
「おいデク、お前顔色悪すぎだろ」
「え、そ、そうかな…大丈夫だよ!」
そう言うものの、声にはいつもの元気がない。
その様子を見ていた麗日お茶子が心配そうに近づく。
「無理しちゃダメだよ、デクくん。保健室行こう?」
「で、でも授業が…!」
その時、ガラッと扉が開いた。
「何を騒いでいる」
現れたのは相澤消太だった。
一瞬で教室が静まり返る。
相澤は緑谷をじっと見て、ため息をつく。
「…お前、完全にアウトだな。今すぐ保健室行け」
「え!?で、でも——」
「ヒーローは自分の体調管理も仕事のうちだ」
その一言に、緑谷は何も言えなくなった。
結局、蛙吹梅雨に付き添われて保健室へ向かうことに。
ベッドに横になると、急に力が抜けていく。
「…やっぱり、無理してたのかも…」
ぼんやり天井を見ながらそう呟くと、少しだけ悔しさが込み上げた。
——もっと強くなりたいのに。
でも、そのときふと、教室のみんなの顔が浮かぶ。
「ちゃんと休んでね」
「あとでノート見せるよ」
そんな言葉を思い出して、緑谷は小さく笑った。
「…今は休むのも、ヒーローになるため、だよね」
そうして、静かに目を閉じた。
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コムム