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2日目(kgfw)
kgm side
「…そろそろ起きてください、」
部屋の扉の前で一呼吸してからドアノブに手をかけそっと開けるとカーテンの隙間から指す光に照らされすうすうと寝息を立てる 人影が2つ。そんな彼らに声を掛けるも、まだ夢の中に居るのか返事は返ってこない。昨日、私と甲斐田さんは配信があった為なんとなく想像は着いていた。分かっていても私の想い人を抱きかかえて布団に埋もれる彼に少し嫉妬心が生まれてしまう。しかたないか、と感情を抑え代わりの溜息を零しながらもう一度起きてください、と一声掛けその場を後にした。部屋の扉を閉めてリビングに足を運ぼうと廊下を歩いていると突然目の前に銀色と空色の瞳が飛び込んできた。
「ぅわ゛…!びっくりした……」
「おや、おはようございます。随分と早いですね今日は」
「ぁ、おはようございます、今日はちょっと外に用事があって~、ッてそうじゃなくて!!」
彼は死角から飛び出してきた私に驚いた様ですみません、と申し訳程度の謝罪を置いて再びリビングへと足を向けた。一息つき椅子に腰を下ろせば眠気を覚ますようにと用意していた珈琲を口に運ぶ。
暫くすると先程すれ違った彼が髪を濡らしタオルを肩に提げた状態で帰ってきた。
「…朝風呂ですか?」
「そーです、今日は外出るので入っておこうかなと。そういえば、あの2人まだ寝てるんすか、? 」
「どうでしょう…先程声を掛けには行ったんですけど」
彼も想い人の事を気にかけているのか心做しかそわそわしている。そんな事を話していると廊下の方からアッシュパープルの少し寝癖の付いた髪の毛が見えた。重い瞼を擦りながら此方に寄ってくる。
「おはようございま…す、」
「おや、今日はなんかまだ眠そうですね」
「…普通に学校だったわきょう、あと不破くんまだねてる、」
「そういえば学生でしたねもちさん、というかさぞ楽しかっただろうな昨夜は!!!!」
「甲斐田さん朝から大声出さないでください」
「すみませんお2人共、初添い寝は僕が頂きました^^」
「あまり調子に乗るとワタクシの右手が黙ってませんよ」
「まじで覚えてろよガキ…!!」
「いや朝からこわ…いやてか時間やばいんだって、!ちょ、車出してよ甲斐田」
「は!?ムリムリムリ急すぎ!!送迎の時は事前に言って?!!!!」
「僕が準備してる間に甲斐田くんも準備してそのまま出ればいいじゃん、今日なんかあるんでしょ?」
「確かに゛!!!!!!!!!!」
「朝から元気ですねお2人共…」
バタバタと部屋を行き来する彼らを横目に珈琲を嗜んでいると廊下の方から再び人影が現れる。不破さんに違いない。私しか気付いていないのか周りは準備に時間を注いでいたので手が空いていた私は彼に駆け寄った。
「んゎ、ぉはよ~ぉざいあす…、」
「すみません朝から騒がしくて、起こしてしまいましたか?」
「んーゃ、大丈夫す…」
寝る前に見た彼よりも遥かに跳ねている銀色のふわふわとした髪の間で揺れる紫とピンク。まじまじと見ていると思わず彼の輪郭を覆う横髪に指を入れてしまっていた。手のひらが頬に触れているからか、少しくすぐったそうにしている。
「っ、甲斐田くんはやく!」
「ちょまって、!ふわさんに今日会ってないからまって!!!」
「ふざけんな僕も起きた不破くんに会ってないし」
「ぇてかふわさんどこ!」
後ろからドタドタという雑音と共に2人が迫ってくる。そんな姿を見て少し吹き出してしまいそうになるが口角だけに表しておいた。そのまま2人は不破に突っ込んだ勢いでハグをしていた。
「おわ、びっくりした…」
「ふわさ!!!、おはようございます~!」
「不破くんおはよ、ちょっと一瞬だけ吸わせて」
「んは、いいよぉ~、ふたりともおでかけっスか、?」
「僕は普通に用事があって、」
「今から学校」
不破の肩に顔を埋めてるためもごもごと声がこもっていて聴き取りが難しいがなんとか不破さんには伝わってるみたいだ。時間やばい!、と剣持が甲斐田を不破から引き剥がして手を振りながら玄関先へと走っていく。
「まじで今日はダッシュで帰ってきます!」
「いってらっしゃい、2人とも」
「いてらしゃ~、」
そんな2人を見届けて不破さんを連れリビングへと戻る。
「朝早くからすみませんね、うるさかったでしょう、」
「んはは、でもなんかおもしろかったっす」
「まだこんな早い時間ですし…どうします?2度寝してきても良いんですよ」
「んぁ~、択だなぁ、加賀美さんは眠くないんすか?」
「まあ私も朝だいぶ早かったですけど 」
「だったら、おれといっしょに2度寝しません?」
「ぇ、いいんですか私もご一緒させてもらって、」
「折角なんでいっしょ寝ましょぉよ」
「…ではお言葉に甘えて、」
まさかの誘いについ乗ってしまったが…
「なぁなぁ、ぎゅーってして寝よ、?」
「っ、…いいですよ」
心臓が持つか心配すぎる。
先程起きたばっかで顔も洗っていない為半開きの目に甘い滑舌が添えられている。自分の可愛さが分かっていてコントロールしている風にしか見えない程甘え上手。1度理性を保つ為にも深呼吸を繰り返すが息を吸う度に彼の匂いが鼻を刺す。 そうしている内に気付けば不破は此方のに抱きついており胸部に頬を擦り付け暖を取っていた。 そんな彼を抱き返しふわふわとした髪の毛に触れるとんふふ、と可愛らしい声が聞こえた。
「かがみさんの腕の中あったけ~、」
「そうですか、?でも暑かったら離れても大丈夫ですよ」
「じゃ~あつくないって言ったら…ずっとくっついててもいいってことすか?」
「わたくしは全然大丈夫ですけど…、」
「じゃあ今日ずっとこれで過ごしちゃいます、?」
「…それは流石に色々と耐えられないです」
「にゃは、さすがにかぁ~」
そんなふわふわトークをして暫くすると腕の中から寝息が聞こえ始めた為おやすみなさい、と呟き彼の額に軽くキスを落として静かに目を閉じた。
その後帰ってきた甲斐田と剣持に、加賀美が家事とか諸々するの忘れて不破と遊んでいたのをぐちぐち言われるのはまた次のお話
多分きっとおそらく次はhrfw