500いいねありがとうございます!
今回何書くか迷ったんですけどストーリーを作る上でどうしても入れたかったものを書きました。
どちらかというとほのぼの系というよりシリアスです、、、
⚠️
暴力表現
鳴海の過去を勝手に捏造
それでもいいという方はどうぞ
ー 保科視点 ー
医務室のドアを開けた瞬間、僕は思わず固まった。
ベッドの上にちょこんと座っているのは、第1部隊の隊長こと僕の恋人鳴海さん
……の、三分の一サイズバージョンだった。
髪はふわふわ、瞳はきらきら。
隊服の袖はずるずるで、足はぷらんぷらん。
髪、昔からピンクなんやな
レティーナがないものの淡い瞳は同じままだ
医者が淡々と説明する。
医者 「討伐後に怪獣の体液がかかった影響で、一時的に肉体年齢が退行しています。生命に問題はありません。二日もすれば元に戻るでしょう。」
うんうんとうなずく。
……が、頭の中は説明どころじゃなかった。
なんやこれ……めっちゃかわいいんやけど!?
普段はいじっぱりでツンデレな鳴海さんが、今は小動物みたいに毛布にくるまって、困ったように眉を寄せてる。
もう、それだけで犯罪級。
医者 「ただ、問題があって」
「問題?」
「自我も6歳ぐらいになっているので、記憶もそこでとまってます」
え?鳴海さんの小さい頃も知れるってこと?
「な、鳴海さん? 大丈夫ですか?」
声をかけると、鳴海さんが小さな顔を上げた。
「……だれ?」
心臓を撃ち抜かれる。
声ちっちゃっ! たどたどしい喋り方までかわいいとか反則やろ!
「保科です。覚えてませんか?」
「ほしな……?」
こてんと首を傾げる姿が
医者が苦笑しながらメモを取りつつ言う。
「まぁ、しばらくは“面倒を見て”あげてください」
うわ、あかん
そんなに顔にでてたか?
「分かりました」
その瞬間、鳴海さんがくしゃっと笑った。
「ほしな、へんなかお」
あーーもう無理、世界で一番かわいい生き物ここにいる……
ー 保鳴宅 ー
玄関のドアを開けた瞬間、冷たい夜気とともに静けさが流れ込んできた。
「……ふぅ。やっとついた」 思わずそう呟いて、腕の中を見下ろす。 なんやかんやで結構かかってしまった。
小さな体。 その重みは軽いのに、なんだか腕が離したくなくて困る。
「ここ、ほしなのいえ?」
寝ぼけたような声が胸元から聞こえて、思わず笑みをこぼす。
「そうですよ。」
鳴海さんはきょろきょろと首を動かして、見慣れたはずの玄関を不思議そうに見渡す。
記憶もあの頃に戻ってるんだから、そりゃそうだ。
でも――やっぱり、可愛い。 小さいのに、仕草だけ妙に“鳴海さんらしさ”が残ってるのがたまらない。
「ほら、下ろしますよ」
そっと抱き上げたまま靴を脱ぎ、玄関マットの上に膝をついて下ろす。 ふらふらっとよろけた体が、ズボンの裾をぎゅっと掴んだ。
あのツンツンした大人の鳴海さんがこれ見たら、真っ赤になってブチ切れるやろうな。
「おなかすいた」
「じゃあ、なんか作りますね」
「え?ほしながつくるの?」
ん?そんな驚くことか?
「なる、弦くんはいつもなにたべてるん?」
「コンビニのお弁当温めてる」
当たり前かのように答える姿に違和感を感じる
「それは、、、体に悪いですよ?」
「だって誰も家にいないんだもん」
胸がちくりと痛む
鳴海さんから家族の話を聞いたことはない。
ただ、”いない”とだけ認識していた。
「ちょっと作ってきますね。そこにあるゲームやって待ってて下さいね」
「ゲーム?」
目キラキラしとる
かわええな
「はい、そこに色々あるんで」
「わーい」
こうして後ろ姿を見てみると今とそんなに変わらんな
ー 数分後 ー
「弦くん、できましたよ」
「ん?」
「こっち来て下さい」
「分かった」
すごい素直やん
いつもはもっとゲームするとか言うのに
ー 食べてる途中 ー
「弦くん、ほっぺになんかついてますよ」
「え?」
スプーンを持ったまま、きょとんとする鳴海さん。
自分で拭おうとして、指先が頬に触れる。
それでも取りきれなくて、思わず手を伸ばした。
「ここ——」
ビクッ。
小さな肩が跳ねた。
反射的に身を引く鳴海さん。
「あ……ごめん。びっくりさせました」
慌てて手を引っ込める。
けれど、その瞬間。
「ご、ごめんなさい……」
謝ったのは鳴海さんの方だった。
声が震えてる。 小さな拳をぎゅっと握りしめて、テーブルの端を見つめていた。
え……なんで謝るん? 悪いのは完全に僕の方やのに。
「謝らんくていいよ。今のは僕が悪いし」
できるだけ穏やかに言葉を返す。
そっと笑ってみせると、鳴海さんはゆっくり顔を上げた。
おそるおそる視線を合わせて、僕の表情を確かめるように見つめてくる。
ほんの数秒——そして、少し安心したようにまたスプーンを口に運んだ。
ぱっと見は素直で、良い子。
でも、違う。
何かが引っかかる。
僕の知っている鳴海さんから考えたら、 こんなに怯えっぽい反応はあり得ない。
— 食べ終わり —
「ありがとう」
小さな声。 けれど、ちゃんと目を見て言ってくる。
「おー。ちゃんと言えて偉いやん」
思わず笑って、頭をぽん、と撫でる。
ふわふわの髪が指の間をすり抜ける。
その感触がなんだか愛しくて、少し手を止められなかった。
「僕は食器洗ってるんで、弦くんはお風呂入ってきてええよ」
「ボクが洗わなくていいの?」
「え?」
少し間の抜けた声が出た。
視線を向けると、鳴海さんは心配そうに皿を見つめている。 “手伝わなきゃ怒られる”みたいな表情で。
「やらなくてええですよ。弦くんも疲れてるみたいやし」
できるだけ柔らかく笑う。
「ほんとに?」
小さく首をかしげる声が、妙に慎重で。
“信じていいのか”と探るような響きがあった。
「ほんと。僕がやるって言ったんやから、弦くんはゆっくりして」
ようやく少し安心したのか、
「……うん」と小さく頷く。
キッチンの端に置いておいた袋を取り出す。
「あとこれ服なんですけど、大っきいですよね」
差し出すと、鳴海さんはそれを胸に抱えて確かめるように見つめた。
ぶかぶかのTシャツと短パン。
袖が手をすっぽり隠してしまうくらい。
「だいじょうぶ」
短く答えて、 そのまま小走りで風呂場の方へ向かう後ろ姿を見送る。
胸の奥にじんわりと残る違和感を振り払うように息を吐いた。
——ほんとに“だいじょうぶ”なんやろか。
ー お風呂上がり ー
髪がぺしょっとしてる
Tシャツ、僕のやつ渡しちゃったけどやっぱかわええな
「弦くん、髪の毛乾かしてないやないですか」
「風邪ひきますよ」
「ボク風邪ひかないから」
その謎の自信変わんないな
「僕が乾かしますんで」
「ほしなが?」
「こっち来て下さい」
「うん」
歩き方もたどたどしくてかわいい
タオルでくしゃくしゃに拭いた髪をドライヤーで整えながら、ふと、Tシャツの襟がずり落ちる。
白い肌の上に、異物みたいな色が見えた。
「……は?」
思わず声が漏れる。
小さな肩甲骨の下、 うっすらと色の違う部分がいくつも見える。 何か硬いもので打たれたみたいな痕。 治ってはいるけど、肌の下に記憶だけが残ってるような、そんな跡。
「弦くん、背中どうしたんですか?」
ドライヤーの音が止まる。
静寂が風のように部屋を通り抜けた。
小さな肩がびくりと震える。
小さな手がTシャツの裾をぎゅっと握る。
顔を見せないまま、早口で。
「こ、転んだだけ……」
弱々しい声。 その語尾が震えて、胸の奥が冷たくなる。 無理やり笑おうとして、笑いきれずに震えている。
胸の中で、
何かが“カチリ”と音を立てて噛み合った。
——転んだ?
——こんな痕になるほど?
違う。絶対に違う。 これは、誰かに——
頭の奥が一瞬で熱くなる。
心臓の鼓動が速い。
怒鳴りたいわけじゃないのに、
心の底から何かが沸き上がってくる。
(誰や。……誰が、こんな小さな子に……)
視界の端がじんわり滲んむ。
「……そっか」
やっとの思いで、それだけを絞り出す。
今ここで問い詰めても、この子をまた怯えさせるだけや。
それだけは、絶対にしたくなかった。
だから、そっとドライヤーを止めて、
タオルで髪を包む。
優しく、水気を拭いながら言った。
「痛くない? 風、ちょっと熱かったかも」
「だいじょうぶ」
小さな声。
でも、少しだけ表情が和らいでいた。
「眠たくなった?」
そう訊くと、小さく頷いた。
その仕草が、あまりに素直で。 胸の奥がくすぐったくなるような、痛くなるような感覚がした。
「じゃあ、もう寝よっか」
そっと抱き上げる。
やっぱり軽い。
肩越しに感じる呼吸が、小さくて儚い。
寝室までの道のりを歩きながら、思わず力を込めてしまう。
守らなきゃ
この手を離したら、また何かが壊れてしまう気がして。
ベッドにそっと降ろすと、鳴海さんは目を細めて、まるで安心するように布団に潜り込んだ。
髪を撫でてやると、すぐに小さな寝息が聞こえ始める。
――それだけで、救われた気がした。
けれど、少し経ってから。
その寝息が、かすかに乱れた。
眉を寄せて、喉の奥で何かを押し殺すように息を詰めている。
「……夢、見てるんか?」
問いかけても、返事はない。
ただ、睫毛の下から、透明なものが静かに流れ落ちた。
その一滴を見た瞬間、胸の奥がひりついた。
泣くな、なんて言えない。 言葉にしたら、きっと壊してしまう。
だから、そっと手を伸ばして、髪を撫でた。 子どものように、少しずつ、少しずつ。
「大丈夫や……もう誰も、あんたを傷つけへん」
呟く声が、自分でも驚くほど小さかった。
けれど、その瞬間だけ、表情がほんの少し緩んだ気がした。
布団を直して、明かりを落とす。
静まり返った部屋の中、鳴海さんの寝息が、かすかに震えながら続いていた。
その音を聞きながら、そっと目を伏せる。
あの子は、今の姿に戻ればもう、こんなふうに泣いたりしない。
ちゃんと強くなって、自分の足で立ってる。
笑って、喧嘩して、照れて、そんなふうに日々を生きてる。
けど。
その強さの奥に、確かに、今見た傷跡は残ってるんや。心のどこかに、まだ痛みがある。 それをなかったことにはできへん。
だからこそ。
僕が――僕だけは、その傷ごと抱いて、幸せにしてやらなあかん。
絶対に。
小さく息を吐いて、もう一度髪を撫でた。
子どもの姿の鳴海さんは、まだ涙の跡を頬に残したまま、穏やかに眠っている。
その寝顔を見つめながら、そっと呟く。
「……もう、大丈夫や。」
部屋の灯りが完全に消える。
静寂の中、ふたりの呼吸だけが、穏やかに重なっていた。
ここまでお疲れ様でした!
思ったより長くなってしまいました。
サイドB実は読めてなくて調べたりしたんですがよく分からなくて、、、
次もあるので楽しみにしてて下さい!
♡&💬 m(_ _)m
コメント
3件
本当にすきー!
いちこめとられたぁ(T . T) こ ー ゆ ー け い 大好き ! ✨続き 楽しみ で す ! 無理 の な い 程度 に 頑張って く だ さ い 💪
え、好きです…