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何をどう捻ると、どこからこんな神作が生まれるのか.
♡ありがとうございます!
あと、コメントしてくれてる人めっちゃいて、モチベが爆上がりです!
前回に引き続き
暴力
鳴海さんの過去捏造
それでもいいという方はどうぞ
朝の光が、静かに部屋へ差し込んでいた。 目を開けると、隣にちいさな寝息。 昨夜の泣き顔が胸に刺さったままなのに、それでも。
今の鳴海さんは、幸せそうに眠ってる。
布団に半分埋もれて、安心しきった顔で寝ていた。昨日はあんなに震えていたのに、今はほんまに、無防備で。
思わず、胸がゆるむ。
「……可愛いなぁ」
声を潜めて呟く。 すると、ふと「この瞬間、残しときたい」という気持ちが湧いた。
記録や。これは記録。
決して、ただ単に“可愛いから”なんて…いや、まぁ可愛いけど。
そっとスマホを取り出し、影が落ちんよう角度を気にして、
ぱしゃ、と一枚。
続けて、もう一枚。
……もう一枚だけ。
撮った画像を確認すると、そこには完全に天使が写っていた。
こんなん、反則やん。
気づけば、指が勝手に動いていた。
「待ち受けに設定」――ぽち。
「……よし」
満足してスマホを胸に抱える。 こんな子を、あんな小さな身体を傷つけた過去があったなんて。昨夜見た傷跡の光景が、一瞬胸に影を落とす。
けど。
今、目の前で安心しきって眠ってる。 その寝顔を守れるのは、今の僕だけや。
そっと布団を整えてやると、寝ぼけたように小さな手を伸ばし、僕のシャツの裾をぎゅ、と掴んだ。
「……いなくならないで……」
その一言で、胸の奥が一気に熱くなる。
「行かへんよ。どこにも」
柔らかく返すと、鳴海さんは安心したように呼吸を整えた。
そんな姿を見つめながら、ぽつりと呟く。
「……守るで。これから先もずっと」
その時だった。 布団の中で鳴海さんがもぞりと動き、薄く目を開ける。
「……ん……おはよ……」
寝起きの声があまりにも無垢で、僕は思わず笑ってしまった。
「おはよう。まだ寝ててもええんやけどな」
すると目を半分閉じたまま、ふにゃっと言う。
「……ほしな……のにおい……すき……」
あかん、これはあかん。 心臓もたへん。
「……そ、そうか……それは……うん……ありがとな……」
それからは一緒に朝ごはんを食べたり、遊んだりして過ごした。
体は小さいんやけどいつもの非番とあまり変わらんな。
机に向かって事務作業をしていたら、テレビの前で遊んでいた鳴海さんが、突然ぐらりと膝を折った。
「弦くん?!」
「大丈夫?」
駆け寄ると、小さな体が熱に浮かされたみたいに震えている。
息も苦しそうで、胸が浅く上下していた。
「ほ……しな……?」
呼ぶ声まで震えてる。
その身体からは、湯気みたいな白い気配がふわふわと立ち上っている。
――これって、戻ってるんよな?
僕の袖をぎゅっと掴んでくる手は、さっきまでよりも強くて、どこか頼るように必死だ。 震える小さな指を包み込んでやると、鳴海さんの瞳が不安で揺れた。
「大丈夫や。怖ない。戻っても、僕はちゃんとここにおりますんで。」
そう言うと、ほっとしたように小さく息を吐く。
「……うん。」
その瞬間――
身体が、びくり、と大きく震えた。
「っ、あっ……!」
苦しげな声と同時に、熱が一気に膨れ上がる。
子どもの背丈だった影が、光の中で伸びていく。 腕が、脚が、骨が軋むように形を変えていくが、抱いている腕越しに分かった。
肌がひりつくほどの光。
成長する衣擦れの音。
呼吸は荒く、喉は低く震える。
「……っ、は……っ」
僕の腕の中で、身体の重さがどんどん増していく。
もう小さくない。
僕が知ってる“鳴海さん”の大きさに戻りつつある。
光がゆっくり収まるころ、力が抜けたように僕の肩へ倒れ込んできた。
「鳴海さん。」
呼びかけると、長い睫毛が震えて、ゆっくり目が開いた。
「……っ、う……」
もう子どもの声じゃない。 戻った声や。
「……ぁ……ほ、しな……?」
まだ意識はぼんやりしてるのに、僕を探すように名前を呼ぶ。
返ってきた“声”に胸が熱くなる。
「あ……たま、痛い……」
「ボク、なんで……?」
声が震えている。 僕はすぐに顔を覗き込んで、彼の背を支えながら、優しく言葉をかける。
「覚えてないんですか?」
「何をだ?」
目を開けたものの、まだどこかぼんやりしている。起き上がろうとするけれど、力がうまく入らない様子。
「鳴海さん、怪獣の体液かかって幼児化してたんですよ。本当に、気をつけてください。」
「よ、幼児化?」
「はい。体も、精神も、昔に戻ったんです。」
「それは、いつぐらいだ?」
「たぶん、6歳くらいですかね。」
その瞬間、鳴海さんの肩がびくっと震えた。 少し息を詰まらせて、まるで何かを思い出したように目を閉じる。
「み……たのか?」
僕はその質問に、少しだけ胸を痛めながら答えた。
「……見た。」
風呂上がり、髪を乾かしているとき。背中に刻まれた、あの古い傷跡。 あまりにも無防備に、あまりにも痛々しくて。
鳴海さんは少し黙って、僕の手を握りしめた。 その手が、震えているのがわかる。
「……そうか。」
その声は、どこか遠くから聞こえてくるような響きで、胸を刺した。 でも、僕は何も言わずに黙っていた。
鳴海さんは視線を下に向けて、唇をかみしめる ている。
そして、かすかに声を絞り出すように言った。
鳴海さんは少しだけ目を閉じ、深い息を吐いた。
その姿勢が、どこか過去に引き戻されるような気がして、僕は黙って見守った。
「……あれは、親父にやられた。」
淡々と静かに話し始める
「ろくでもない奴だった。家に帰ってこないくせに、帰ってくれば酒と暴力だ。母さんは働きづめで……ボクは、息してるだけで殴られた。」
淡白に言う声が逆に、生々しい。
「……6歳の頃が一番酷かった。」
拳を握りしめることしかできなかった。
何か言えば壊しそうで、黙るしかなかった。
「もう2人ともいないけどな……気にしなくていい。」
無理に笑おうとしているが、その笑顔は痛々しく、どこかに必死さが漂っていた。
僕が知っているあの人は、強く、優しく、誰よりも努力している。そんな人を、僕が大好きな人を傷つけた人が許せない。
何を言えばいいのかわからなかった。
「辛かったな」と言うのは違う気がした。
「可哀想に」なんて絶対に言いたくなかった。
ぎゅっと鳴海さんを抱きしめる。
微に肩が震えている。
だけど抱きしめ返してくれている。
その姿が子供の時と一緒でーー
「弦くんはかわええな」
思わず口が滑ってしまった
「え……は?今名前、、、」
「ご、ごめんなさい。昨日ずっとそれで読んでたので。」
「今のボクは大人なんだぞ!//」
「ほんまに無意識で、、、」
「もう呼ばないので」
耳まで赤いまま、もじもじしながらうつむいて、
蚊の鳴くような声で呟いた。
「……べつに……呼ぶなとは言ってないだろ……」
一瞬、聞こえなかったふりをしてしまった。
「え?」
鳴海さんの顔はさらに真っ赤になる。
「聞くな!!!聞き返すな!!忘れろ!!」
その反応があまりに可愛くて、
思わずふっと笑ってしまう。
「笑うなあああ!! ……はぁ……バカ……//」
怒っているのに、語尾は照れすぎて溶けていた。
「……じゃあ、たまに呼びますね。」
さらに腕に力を込める
「勝手にしろ……!!でも今は呼ぶな!!むり!!」
よかった、いつもの調子に戻って。
「今日は非番もらってるのでゆっくりして下さいね」
そう言って鳴海さんの口にキスを落とした。
ここまでお疲れ様でした!
終わりほのぼのさせたかったんですけど、ゴリ押しっぽくなっちゃった気が、、、
子供から大人に戻るの実はちょっと某名探偵のシーンを参考にさせていただきました(笑
次はリクエスト頂いていたうちの一つ書こうと思います!
次回もお楽しみに〜
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