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イギ(大英帝国)×江戸、監禁、拘束描写有
ゴリッゴリにR-18
地雷は回れ右推奨。
「さあて、着いたね」
「……一体、何なんですか、ここは」
日帝の目が戦慄いた。
眼前に広がるのは、鉛色と黒で構成されたような無機質な街並み。日本に連れて行ってもらった現世のような高い建物がいくつもあった。
そしてそこを往き交う人は多いものの、賑やかさは無く、皆建物と同じ黒か灰色の姿で、辺りにはどんよりと濁った空気だけが漂っていた。
「また……◇◇◇◇は相当なことをやらかしているようじゃないか……」
圧政の結果だね、と江戸が呟く。
日帝は異界全体に多大な影響を与えている◇◇◇◇という人物を改めて認識し、今からその人物と対峙するという事実に戦慄していた。
「失礼」
と、江戸が迷いない足取りで道往く一人に話しかける。
「◇◇◇◇の屋敷はどこか分かるかね?」
『ヒッ……まさか、あいつの所に行くのか?!』
「そのつもりだよ」
人々が江戸の発言を聞いて騒めく。
『悪いことは言わないから、止めておけよ、旅の方。あそこは入っていったものは殆ど帰らず、帰って来てもどこかおかしくなっちまうって噂だ。……悪いが、俺たちはそうなっても助けてやれないよ。』
「御忠告、感謝するよ」
息を吐くと、江戸は一枚の手紙を見せた。
「だが、生憎と招待を受けていてね?案内の必要はないから、場所だけ教えてくれないかい?」
血のように赤い封蝋が押されている封筒には、差出人である◇◇◇◇の名前が流れるような文字で書かれていた。
灰色のローブにすっぽりと身を包んだ人物が目を血走らせて封蝋と文字を苦々し気に見つめる。
そして、チッと舌打ちをすると深いため息を吐いて言った。
『…αβ街のB-956だ。』
「おや、変わっていなかったのだね。それは僥倖。」
江戸は日帝に声を掛け、教えてくれた人物にも礼を言い、また、迷いない足取りで進み始めた。
普段の江戸には似合わず、冷徹な光を湛えて黙ったまま足を運んでいる。
「ち、父上?」
「すまないが、黙ってくれるかい?」
顔は笑っているものの、どこか冷えたような感じがあった。日帝は肩を強張らせる。
黙って江戸に付いて行く日帝。しかし、その沈黙は突然に破られた。
〈陸、ここからは英帝に聞かれる可能性があるから主にこちらで会話しよう〉
日帝は目を見開くが、直ぐに適応すると、黙って返信をした。
〈解りました。作戦に変更はないですね?〉
〈嗚呼。場所が変わっていなくてよかった。これなら術も効きそうだねぇ〉
〈……本当に、大丈夫なんですか、父上。〉
〈…………それは、陸が気にすることではないよ〉
濁された答えに、何とも言えない感情になった日帝であった。
〈さ、着いた。ここからは普通に会話しようか。……作戦通りにね〉
〈了解しました。〉
「ふふ…昔となんも変わらないねぇ……」
「大きい……」
日帝は屋敷の規模に目を見張った。
一周するのに四半時はかかってしまうのではないか、と思えるほどには広く、こんなところに、◇◇◇◇は独りで住んでいるのだろうか?と疑問に思った。
『ドチラ様デスカ?』
「江戸だよ。招待状を貰っていてねぇ」
相変わらずのんびりと受け答えをする江戸。
出発が一週間遅れてしまったのは異界に手紙を届け、返事を待つためであった。いつも事前に約束などは殆どしない癖にこういうところだけ律義なのだ。江戸曰く、「アポなしで入るなんて真似、いくら私でも出来ないよ」とのことだったが……
『……オ通リクダサイ』
豪勢な鉄の門が開き、足を踏み入れて先ず感じるのは薔薇。
一面、赤をはじめとしたさまざまな色の薔薇が咲き乱れ、濃厚な香りがひっきりなしに鼻をくすぐる。
「…庭師を雇ったらいいのにねぇ、全く」
咲き放題にさせているから、と呟いた江戸が袖で鼻の辺りを覆う。
日帝は匂いに眉根を寄せ、次いで江戸の顔を見た。
自分よりも背の低い小柄な父。その父に、今日は何か芝居ががったものを感じる。
一挙手一投足に優雅さがあり、しゃなりしゃなりと音が聞こえてきそうだ。
(立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花……)
まるで手本をなぞらえたかのような華のある立ち居振る舞い。
江戸の静かな変化に、日帝は困惑の表情を浮かべた。
「ようこそ、歓迎するよ」
高級そうなティーカップに注がれている紅茶と共に、◇◇◇◇は二人を迎えた。
「久し振りだねぇ、◇◇◇◇」
「ああ……ずっと会いたかったよ、江戸……」
熱っぽい視線と声色に日帝の背筋が粟立った。しかし江戸は意にも介さず相手をしている。
「随分と日本語が上手くなったんじゃないかい?」
「江戸の発音だけは熱心に練習したからねぇ………それにしても、なぜこんな急に?」
核心を突かれ、日帝は内心動揺するが、相変わらず江戸は微笑をたたえている。
「風の噂で…其方が『サクラ』という名のメイドを雇っていると聞いてねぇ、是非会って見たいと思ったのだよ」
「ああ、あの娘か……ところで、江戸の後ろの彼は…一体?」
江戸の指示で従者然としていた日帝は軽く礼をした。
「大日本帝国陸軍と申します。以後、お見知り置きを。」
「私の可愛い長男だよ。」
江戸の紹介を耳にし、◇◇◇◇は鷹揚な笑みを浮かべた。
「そうか、君の後継か……ああ、本当に良かった。知らないうちに江戸が男とできているのかと不安になったよ……」
江戸は、後半は聞かなかったことにし、「優秀な子だよ」とだけ言い添えた。微笑は相変わらず崩れる気配がない。
「それで、メイドだったね。今連れて来よう」
◇◇◇◇はそう言い、芝居がかった仕草で卓の上にあったハンドベルを鳴らした。
からん、からん……
音が鳴り響き、1分と待たずにドアをノックする音が聞こえてきた。
『……失礼しまス』
高い声を響かせ入ってきたのは、メイドの服を着た少年だった。
まず目についたのは顔の旭日旗である。己と寸分違わぬように見える模様だった。
次いで、その身長や発育具合から年齢の特定にかかる。
(空……?!)
表面上は冷静な顔をしながらも、心の奥では喜びが止まなかった。
自分の頭が、記憶が、この少年を確実に、弟だと、そう、告げている。
(やっと、逢えた……!!)
今すぐ駆け寄り、抱き締めてやりたいのを我慢し、せめてもっとよく顔を見ておこうとその瞳を見た瞬間、日帝は愕然とした。
(__________空じゃ、ない?)
違う、絶対に違うと今度は正反対のことを頭が告げる。
(空はもっと利発な瞳だったし、聡い子だったし、こんなに濁っている筈はないし……何より……)
___________なぜ、紅が抜けている?
空、と思われる少年の瞳は、ただ空虚な黒だった。
日本家の人物は皆、瞳に紅を宿している。
それは、海や空とて例外ではない。
〈……どうやら、精巧に空を模した人形か何かの様だねぇ……〉
〈ということは、空は〉
〈いや、それは無いよ。分かるだろう?〉
最悪のパターンを想像するが、江戸の否定で我に返る。
(そうだ、生体反応……)
この屋敷の地下深くに、空、海、と思われる人物、それと、他2人の生体反応があった。
動くことはできているようで、また、目の前にいる人形でもないことは明白だった。
残りの二人が誰かは分からないものの、位置が解っている以上は、助けやすい。日帝はこれからの動きを反芻した。
「………さて、これでご満足かな?」
「うん、確かにサクラに相応しいねぇ」
「本当は、君にこの名前を付けたかったのだが。」
◇◇◇◇が身を乗り出して江戸の瞳を見つめる。
「儚く散るのは御免だよ。」
すっと伏せられた瞼に、◇◇◇◇は残念そうな顔をして身を引いた。
そして、江戸の傍らに控える日帝を憎らし気に一瞥する。
「…………ご子息は、もう客間にご案内しよう。サクラが案内するから、付いて行ってくれ」
体よく追い出されたな。日帝はいよいよと目を細めた。その目には鋭利な眼光が宿っている。
「…………承知いたしました。では、父上、また後程」
「ああ、楽しんでいらっしゃいな」
人畜無害そうな顔をした江戸の瞳に、一瞬だが悦楽と侮蔑が浮かんだのを日帝は見逃さなかった。
〈◇◇◇◇に一泡吹かせておいで、陸〉
〈…..端からそのつもりです。〉
〈武運を祈る。〉
〈父上の方も。〉
こうして二人は、◇◇◇◇によってか一時離れることとなった。
「………それで、何か話でもあるのかい、◇◇◇◇」
居住まいを正して尋ねた江戸の手から、突如として鎖の音が響く。
「…………これは」
両の手に錠が掛けられていた。鉄製で頑丈と見え、生半可な力ではとても壊れそうにない。
「ああ、この時をずっと待っていたんだ、江戸……流石に私も二人同時に掛けるのは難しかったからね。それに、彼はこれくらい引き千切れそうだったし……」
やはりと江戸は目を細める。日帝に対して妙に警戒していたのは、いかにも軍人で江戸の護衛のように見えたからだろう。
だからこそ、引き離したのだ。
「さあ、こんな応接間では雰囲気もないから、寝室に行こうか。それとも、もう待ちきれないかい?それならここでしてもいいよ。私はどちらだって構わないさ。人払いは万全なのだしね。ようやく江戸と愛を確かめられるなんて……もう幸せで仕方がないよ!」
江戸をソファに押し倒してその上に跨る◇◇◇◇は、自分が優位と分かると急に饒舌になる性質のようだ。しかし、どう見ても正気でない目をしていては、癖なのだか江戸への愛なのだか区別がつかない。
「……ここでは痛そうだし、寝室に行きたいねぇ。私は君のように頑丈ではないのだよ。分かっておくれ。」
どうやら待ちきれないのは◇◇◇◇の方と見え、江戸の腰や太腿を撫でまわしていた。
「……では、そうしよう。」
心持ち残念そうな表情になった◇◇◇◇は、それでも紳士的に江戸を横抱きすると、応接室から出て廊下を音も立てずに歩く。
「……………っ」
江戸は◇◇◇◇の歩みと共に訪れる振動で刺激を感じていた。あの野郎、何か混ぜるだろうとは思っていたが、まさか本当に一服盛るとは。陸に飲まないよう言っておいて幸いだった。
「はは……素敵だ。君の作る表情の中でも一等素晴らしい。」
「は……っ、戯けた、ことを」
吐き出す息は己の物とは思えないくらいに熱く、薬の即効性とその効力を改めて認識した。
その内に寝室に辿り着いたらしく、背中に柔らかなシーツの感触が当たる。
「ああ、まさかこんなに早くこの時が来るとは。エサを撒いた甲斐があった……」
「そ、れは……『異界漫遊記』の、ことかい……?」
「御名答。ああいう輩はいつも始末して来たけど、今回ばかりは役に立ったよ。人にも多少の利用価値はあるらしいな。」
江戸は顔を歪めた。
そんなものじゃない、人の利用価値を多少と見くびってはいけない……それが判らないのであれば、最早◇◇◇◇も終いか。
そうなれば、嬉しいことだ。自らの力不足故に衰退していくなど、奴にとっては自尊心をずたずたにされることに違いない。
「さあ、雑談はここまでにしよう。早く君の綺麗な身体を見せてくれよ………」
◇◇◇◇は恍惚とした表情で江戸の着物の合わせ目に手を差し入れた。
「っ………う」
江戸は声を出すまいと唇を噛んでいるが、そう長くは持ちそうになかった。
涙がつっと江戸の頬を伝う。
◇◇◇◇はそれを舐め、甘さに驚いた。
「………ああ、こんなに甘い涙があったとは……やはり江戸は神から私に遣わされた無二の伴侶……!」
こんなことをしておいて神も何もあるかと江戸は顔を歪める。そうしていないとあまりの快楽で声が抑えきれなくなりそうだったから。
「く、は……ぁっ」
大きく息を吐こうとするともう声が出てしまう。まともに呼吸ができないではないか。
「はぁ………焦らすのはやめにしよう。さあ、足を開いて。痛くしたいわけではないからね」
表面上は希うような言葉だったが、殆ど命令と同じだ。それに、自分から開かなくてもどうせ無理やりにでも開かせるのだろう。奴の強引な性格はよく知っている。
しかし、この老体になってまで痛めつけられるのは御免だ。経験があるとはいえ、後継が生まれてからはまともに遊んでいない。ただ、若い頃、幾度も売った身体だ。この一度くらい、大した問題ではない。
「っう………」
だがどうしたことか、足が震えてまともに動かせない。恐怖しているのか?私が…奴に?
理由は久々の刺激など色々あるだろうが、一欠片でも奴に恐怖を抱いているのは否定できない。
頭が訳の分からない言葉の羅列と感情で埋まり、何も考えられなくなってきた。
もうすべて委ねてしまおうとした、その時。
ちりん……
軽やかな鈴の音が、鳴り響いた。
視界が開けるような感覚がし、頭の中も洗われた様にすっきりしている。
そして、奴に対する恐怖心がすっかり雪がれているのが分かった。
そして、同時に、今自分が何をすべきかも思い出した。
「◇◇◇◇………」
そう簡単に、息子たちに手を出させるものか。
「………まだ、心の準備が出来ていませなんだ……」
自分の魅力を最大限引き出す方法は良く知っている。今もまだ、感覚はこの身に刻まれていた。
腰を逸らし、はしたなく奴の衣服にしがみ付く。顔はあまり上げずに目線だけをちらと奴の顔の方に遣る。
「……そうか」
流石にこれだけでは乗らないだろう。何せ、奴も男であるから。
だから、こうする。
「?!何を……」
「代わりに、誠心誠意ご奉仕致します……」
南蛮の服は相変わらず慣れないが、向こうの好色共に随分相手させられたので脱がせ方は板についている。
べると、を外し、彼の痛いほどに反っている猛りを露わにする。
それを、そっと口に含んで、舌で舐めまわした。
更に奥に加え込んで、刺激を与え続ける。
◇◇◇◇は先程までが嘘のように大人しく、はしたない姿だった。おやおや、紳士の顔はどこへやら。
目線はずっと、奴の顔を見上げている。
お前は私がここで止めよう。お前の全てを狂わせて、もう二度と、私の子供たちに狼藉を働かないように。
一旦切って次からは日帝サイドに入ります。
次話……この話の♥500で(目標は高い方がいいよね!達成できる気しないけど!)