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帰っていくふたりと入れ替わるように声がしだす廊下。
休憩とればすぐに談話室にやってくる。
(早く片付けなきゃ!!)
大急ぎで、オムツを隠す、ためあたふたと走り回る。
何枚されたのかわからない布おむつのせいで歩きにくい。
昔から運動神経が悪かったさゆりはこんな時でも動きが遅い。
奥の棚に詰め込んでいく。
が、そんなに大きくない棚では収納力に限界があった。
布おむつだけは押し込めたものの、おむつカバー数枚が足元に置かれたままだった。
(おしっこでちゃったかも……)
半べそになりながらオムツを隠していく。
まるで小学生がおねしょの後を隠すかのように。
(もうだめ…)
その場に尻もちをつきサンプルのおむつカバーを抱えている。
ぐっしょりと濡れた布おむつはさゆりのおもらしを吸ってくれてはいたが限界が来るのも時間の問題だった。
と、ゾロゾロと談話室に入ってくる社員たち。
おむつカバーを抱え飛び出すさゆり。
そうだ!
何かを思い出したさゆりは階段を上がって行った。
朝、トイレが我慢出来なくなったさゆりは上の階に逃げ込んだ。そこはどこの会社も使っていない様子でがらんとしていたことを思い出したのだった。
左手でオムツカバーを抱え、右手はお尻を抑えている。
スカートを抑えていることよりオムツが下がってしまって他の人に見られる方がよほど恥ずかしい。
上に行くと案の定誰もいなく、シーンとしていた。
ふーっ💦
と、おおきなため息をつきトイレに入ることなくおむつカバーを床に置き自分のはいているオムツの確認をし始めた。
(……さいあく……………)
ため息に近いこえでつぶやく。
今は、おむつカバーはあつても布おむつはなくオムツ交換ができない。
ぐっしょりとしたオムツが肌にまとわりつく。
(とりあえずトイレいくしか…)
そう思いこの階には無いトイレを探して歩き出した。