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部屋に光が差し込む。
扇風機の風が部屋中を泳ぐ。
暑さに慣れていないため、ボクは扇風機に直当たりしている。
あ〜と扇風機に向かって声を出せば震えたような声でボクに返ってくる。
ベランダでも出るか…
暑いのは分かっているがたまにはいいだろうと思いながらベランダに足を踏み入れた。
暑いな…そんなことを思っていた。
チリンチリン
涼しげな音を鳴らす風鈴がボクに夏が来るお知らせをしに来た。
懐かしいな…風鈴
小さい頃祖父母の家で風鈴の音を聞いていたことを思い出す。何歳のときだっけ…
これからこの思い出を思い出すことはないだろうな。
チリンチリン
また風鈴がボクに何かお知らせをしに来たみたいだ。
なんだろう。
…あれ?
何故かボクは灰色のベッドの上にいた。
夢か…あの風鈴は。
でも、
あの夢の途切れたときの風鈴のお知らせはなんだったんだろう…?
もうこの夢は見れないのかな…