創作ストーリー
ミステリーかも…?
何と言うのが正しいのでしょうか、
蝶?鳥?
いいえ、天使です。
私は宙を舞う天使なのでした。
ひらりひらりと無垢で真っ白な翼を広げ、まさに天使そのものです。
ひらりひらり、ひらりひらり、ぼとりと鈍い音がした後、無垢な天使は黒く濁った穢れの海へと堕落しました。
羽が、ボロボロ。
齢五つにして、私は崖から突き落とされました。
犯人はきっと、いや、絶対に両親です。
実際に手を下したのは、母でした。
分かりますよ、娘ですから。
必死の思いで生き延び、両親は助かった私を抱き絞めました。
たった五つの小さな娘、宙ぶらりんな思考で、きっと、手を滑らせたに違いないと考えました。
母の腕の隙間からちらりと見えた父親の、あの目を見るまでは。
人生において、あぁ。
思い出すだけで身の毛がよだつ思いでございます。
あれより恐ろしいものを私は見た事がありません。
其処に一切の情や安堵の色は無い。
あるのは落胆と諦めの色。
仮にも物心着いたばかりの幼児に向けるような表情ではありませんでした。
いいえ、あれは、決して人に向けていいような目ではありませんでした。
極めつけ、彼はこの日から私に対して異常なまでに優しく、臆病な態度になりました。
腫れ物を扱うように、何かに怯えるように、丁寧に。
一体彼らは何をそんなに怯えていたのでしょう。
私達は、この頃から徐々に、互いへの関心を失っていきました。
しかし、今思えば、彼らは、元より私に興味等を持っていなかったかもしれません。
さて、これより皆様には、羽根をもがれた哀れな天使の行く末をお伝えしたいと存じます。
なに、大した話ではございません、他人の不幸話お好きでしょう?
悲劇ですって?とんでもない!貴方々にとっちゃあ喜劇でしょう。
ねぇ?だから
聴いてください、心して。
𝑒𝑛𝑑
コメント
8件
うわぁっ、、、なんか怖い、、、! 言葉に表せないなんかこう、、、しっかり来ない感じの、、、、、、こういうの書けるの凄いッッ!✨