少しグロ要素あります。
苦手な方はご注意ください。
【zm視点】
「ここ何処やねん…」
俺はゾム。まだ15歳。
目が覚めると見覚えのない部屋に放り込まれていた。
【視点なし】
彼は元々、普通の暮らしをしていた。
zm(小学生)「母さん!俺お腹空いた!」
z母「ふふ、ゾムったらさっき夜ご飯食べたでしょ?」
z父「まぁまぁ、いいじゃないか!笑育ち盛りなんだから。なぁゾム?」
zm「そうやで!母さん!」
z母「しょうがないわね笑」
学校から帰れば暖かい両親がいて、温かいご飯があって、お風呂があって、安心して眠れて…。
そんな、ごく普通の暮らしをしていた。
彼は
zm(この暮らしがずっと続けばええなぁ)
と思っていた。
しかし、ある日状況は一変する。
ドカドカドカ バーン ガッシャーン
「逃げろッ!ここは壊滅するッッ!!」
「キャーッ!!助けて!旦那がぁッ!子供がぁッ!」
悲鳴や銃声、爆発音…。
それらが町中に響きわたった。
下校の最中だった彼は大きな不安に呑み込まれ、逃げよう、と手を引く友人でさえも振り切り、家へ向かった。
zm「母さんッッ!!!父さんッッッ!!!」
一人の少年の声が、シーンと静まる町で響き渡る。
zm「生きとんのやろ…?出てきてや…」フルフル
倒壊した家の瓦礫や幼少期に遊んでいた思い出の代物が散らかる場所、
…彼の家だったところで恐怖や不安に震えながら叫ぶ。
そして彼の目にはある物が映る。
zm「か、あさん…?」
信じたくなかっただろう。
赤く染まり、体のあちこちが千切れている女性の姿を。
目に光は宿っていない。
zm「とう…さん?」
考えたくもないだろう。
その女性の近くに、赤く染まり、足や腕、首までもが重圧によってダメな方向にネジ曲がってしまっている男性の姿を。
体に熱はない。
ただ座り込む。
もう帰らぬ人となった二人をぎゅぅっと、「離したくない」とでもいうように、固く、かたーく抱いて。
目から涙は流れていなかった。
頭が追いつかないのだ。
昨日までは喋っていた、一緒にご飯を食べていた、生きていた、彼にとってたった一人の母親、父親というものが、
…こんな悲惨な姿になってしまったことが。
数年後
居場所を失った彼は学校を辞め、所謂スラムと呼ばれる場所で、生きていく為のお金を得るために様々な事をしてきた。
人殺しだって、彼自身の体を売る事だって、生きていく為には仕方がないことだ、と思ってやってきた。
それに、スラムだから子供が狙われるのは当然で。
怖い人達にたくさん絡まれたりした。
暴力を受けたり、暴言を吐かれたりした。
でも、彼は屈しなかった。
どんなに酷い目にあっても、自分が嫌になっても、
負けず嫌いの性格の彼は、諦めなかった。
体を鍛えたり、ナイフの使い方を工夫したりした。
そして、喧嘩をふっかけられても、命を狙われた時でも、返り討ちにできるほどの力を彼はつけた。
…だが、彼は恐れられる存在となっていった。
力をつけていく中で目はナイフのように鋭くなり、
歯は犬歯が目立つギザギザに発達し、
中学生の年齢だとは思えない強靭な体を身に着けたからだ。
それ故、絡まれていたところを救った子供からは恐れられ、
老人らからは近寄るなという怯えた目で見られ
_彼の味方など一人もいなくなっていったのだ。
「今日も一人か…」
少年は呟く。
「つまらんわ。こんな人生」
喋り相手も、遊んでくれる相手も、自分を理解してくれる人もいない少年はそう思う。
言ってしまえば、生きる事、生に絶望したのだろう。
そして誰もいない、寒い場所で静かに目を瞑る。
この日が少年にとって大きな変化を迎える一日だと知らずに。
コツ…コツ…コツ
少年に近づく一つの足音。
それに気づいた少年は飛び起き、警戒の姿勢をとる。
「なぁに、そんなに警戒しなくても笑」
zm「お前は誰や?」
「…」
男は黙り込む。
そして…
「…」シュッ
zm「ッ?!!」クラ…バタッ
一瞬のことだった。
恐れられていた少年でさえも反応できない速度で、男は少年の口と鼻を布で抑え、少年はそこで気絶してしまった。
「クハハッ…これで我が国もまた強くなる…!
ゾムくん…期待しているよ」
男はそう残して、少年を連れ去っていった。
【zm視点】
俺がここに来るまでに覚えとったのは、俺より強いやつがいて、そいつに気絶させられたことや。
俺より強いとは認めんけどなッ!
…まぁ、それはそれ。これはこれや。
なんて考えているとコツ…コツと上から足音がして、それは徐々に近づいてきた。
そして、その足音は部屋にある唯一の扉まで来て、重い音を上げながら扉は開いた。
zm「…!」
俺の記憶の最後にある男はそこにいた。
そして男はこう声をかける。
「おや、ゾムくん。起きていたのかい。」
zm「お前!なんで俺の名前を知ってッ…」
男は確実に俺の名前、ゾムを口にした。
こんなやつに喋った覚えはないんやけど…
「フハハッ…君の事くらい知ってるに決まっているさ…
なんせ、あの危険なスラムで恐れられていると有名だろう?」
zm「!!」パァァア
コイツ…俺のこと知ってくれてるんか!?
俺は友達や話し相手が少なかった。
だからこうして話していることも、俺のことを知ってくれているということも、
すごく嬉しかった。
「ククッ…嬉しそうな顔をするね。面白い子だ。」ニコニコ
そして男はにこやかな顔を切り替え、真剣な面持ちで俺にこう尋ねた。
「ところでゾムくん。軍、というものに興味はないか?」
zm「軍…」
俺は軍という組織には抵抗があった。
なぜなら…
俺の両親はある軍の激突によって巻き込まれてしまったからや。
zm「…ッ興味ない」フイッ
「…そうか、それは残念だ。」
zm「ッ…」
嘘だ。軍なんて興味しかない。
俺のことを使ってくれるなら、俺のことを必要としてくれるなら、
軍に入ることを望む。
それでもやはり、引っかかるのは……
「…両親のことかい?」
zm「ッ?!!お前…心読めるのか??」
「なぁに、そんなんじゃないよ。言っただろ?君のことは知っていると。」
コイツ、ただもんじゃない。
そう本能が、体がビリビリと感じ取る。
気になる。コイツは何者なのか。
zm「お前は…何者なんや」
「クフフ、私が気になるかい?」
zm「…」コクコク
「…私はね、
A国の総統だよ。」
そうとう…?
ソウトウ…?
そ、総統…
総統ッ?!!!
zm「ッ……」パクパク
「はは、ゾムくん。信じられないみたいな顔をしているね…」
「どうだい?私は、君がA国に必要だと思ったんだ。 」
「その鍛え上げられた肉体。素晴らしい剣さばき。体術。見事だよ。」
zm「!!」パァァア
認めてくれてる……!
「さぁ、ゾムくん。この手を握って、A国に来ないか?」スッ…
コイツなら
この人なら…
…いや、でももうあんな光景は見たくないんや。
赤く染まった悲鳴が響き渡る、あんな光景は
zm「……」
「…そうだな。君は無理に前線に出なくてもいい。
国民が巻き込まれそうになったときに救ってほしい。 」
「それならどうだね。」
zm「!!」
救う…。
今までは恐れられていたけれど、それが変わるかもしれないのか…?
それに、この人達は…
この人なら、俺を必要としてくれている、?
それなら…
zm「…行きます。A国に行きます。」
彼はまだ気づかない。
この選択が大きなドラマを生むなんて。
正義:???
パァァアってしてるzmさん、大好きです(((
コメント
2件
わかる()パァァって可愛いよね() うううゾムさん軍入っちゃった..!!!!!!!!!これからどうなっていくのか...........!!!!!!!!!!!!!!