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#オリキャラ注意
🖤月影紫音🌙
19
「集合かけたのは?」
「俺です」
俺とおらふくんが駆けつけた時には既に他のメンバーは集合していて、俺らの姿を見るなりドズルさんが話し出す。
「何かあったか聞いてもいい?」
「はい、まず収穫はそこのチェストの中に入れています。そして、バグなのか、アイテム自体の重みは発生しているけど…チェストに入れるとまるで空箱のように持ち運びができます」
おんりーは俺達より先にバグを見つけていたらしい、俺はすかさずそれに「これ持ってください」と持ってきたチェストをドズルさんに渡し軽さを体験してもらう
「うん、軽いね…中になにか入ってるのこれ」
「入ってますよ、開けてみてください」
ドズルさんとおんりーはチェストを覗き込み中からツールを取り出す
それは明らかにチェストの軽さに比例していて重く、おぉ、とドズルさんは声をあげた。
「インベントリが無いし、アイテム自体重いから…この方法は使えるね…まぁ、バグだろうから…、うん、報告すればそれ以降使えないだろうけど…」
「そッスよねぇ〜」
「あ、あと、もう1つぼんさんが不思議な人影を見たそうです…それもバグですかね?」
「人影?」
皆が一斉にぼんさんを見て詳細を聞き入る
「そうなんだよ…エンダーマン、ではなかった…燃えてなかったし、背丈も俺くらいで…口元しか見えなかったけど…ほら、あそこの丘の上、あそこで確かに俺を見て笑ってたんだ…、皆がログインした瞬間に消えたから行方は分からない」
「人影…村人…でも無さそうですね…」
「…すぐ言えなくてごめん、俺の見間違いかもって悩んでて…」
「大丈夫ですよ、それもきっとバグでしょうね…うーーん、ちょっと多いかな…」
ドズルさんは首を傾げながら、開始早々多いバグを早めに切り上げて報告すべきか悩む
「…ドズルさん、何か違和感…ありませんか?」
「ん?おんりー続けて」
「この村…広すぎませんか?」
おんりーの言葉と共に、俺もおらふくんもそういえばと辺りを見渡す
「村…と言っていいのか…いや、こりゃ町だな」
俺が崩れた家を見て呟く
あの家は本来マイクラの世界にない建物だ。明らかに何かを売り買い出来そうな……そう、お店…みたいだ。
中央の噴水の周りは憩いの場のようにベンチもあり、花が綺麗に植えられている。そこから村の端々まで伸びる十字のレンガ造りの石畳…所々剥がれているものの、明らかに俺たちが知っているマイクラの村、ではない。家屋の数も3倍程ある。
「そもそも廃村出現率が2%なのに対して…それが重なって生成されるのも…どんな確率ッスか?……おかしいです…完全なバグ…この他の村も、もしかしたら廃村かも……てかこれ、村人に会えないバグになってね?」
俺の言葉にドズルさんは「うーん」とこめかみに触れ、そこを押すか迷っている
「他にもバグがあるかもだし…纏めて報告した方がいいかな?とりあえず、明日の昼まで色々試そうか?」
「そうしましょうよ!それに…ふひひ、せっかくやから、もう少し楽しみたい!」
ドズルさんの声におらふくんはウキウキと答え、チェストからクラフト台を出しメンバーに、クラフト方法を教え出した。
そこからは…かまどを作り、使用方法に試行錯誤しながら火守が必ず必要だという事とパンが意外とモチモチで美味しかったことが分かり、最新技術の素晴らしさに皆して大いに盛り上がった。
少し離れた場所のベンチに腰をかけたぼんさんは、お手製のショルダーチェスト?を傍に起き、丘の方を見ている。
「まさか、ビビってます?」
「…なんだよ、ビビってねぇよ」
ほんとかぁ?と隣に座りニタニタとその顔を覗き込むと「本当だし!」と頬を膨らませそっぽを向かれてしまった。
「…せいッ」
「ブッ…っ!ば!何すんだよ!バカ!」
ぼんさんの膨れた頬が可愛くて指先で突くと、唇を震わせて空気が漏れた。それをゲラゲラ笑ってもう一回…と指を再度頬に近付けた、が、顔を真っ赤にして恥ずかしいだろ!と叫んだぼんさんは、勢いよく立ち上がり俺から逃げる。
(可愛いなぁ、ちくしょうめ)
真っ赤な顔で「ばーか!ばーか!」と幼稚な言葉を浴びせてくるそれにすら、愛しさが出て、ついニタニタと見つめてしまう。
「…めんの、ばか…ッ」
俺の違う色の乗った視線に気付いたのか、ぼんさんは瞳を揺らし地面を見た。
そんな顔をされたら、つい抱き寄せたくなって…
その手を掴もうとした時、
「おーーい!2人ともー!」
ドズルさんが俺達を呼ぶ、「拠点探しに皆で行こう」とニコニコしながら言ってきて、それに「なら行きますかぼんさん…」と背後を振り返った。
「………」
ぼんさんは、黙って俺を見ていた。
「ぼんさん?行きましょーか」
「…………」
首を傾げて、ぼんさん?ともう一度声を掛けた……
その瞬間、
ゴボッ…
「ッ…ぁ、」
ぼんさんの口から赤い血が吹き出てびちゃびちゃと地面に落ちる。
「…はぁ?」
俺は状況が読み込めず、間抜けな声を出しぼんさんの見開かれた瞳がゆっくりと下がるのを追うようにそこを見た。
赤く染った切っ先が…ぼんさんの心臓を背後から貫いている。
それを見たぼんさんは再度ゴボッと口から血を吹き出した。
「っぁ、あ”……め”ぇ、ん…たす…ッ」
「え、ぁ?」
俺の後ろからドズルさん達が叫んでいる。
ドタドタと音を立て走ってきている。
でも、俺は動けない、
目の前で、刃物で心臓を貫かれ、血を吐く愛しい人から目が離せない。
世界がスローモーションになって、自分の心臓の音が耳元で大きく響き始める。
自身の荒い息と感覚を失った手足…
「あ”ぁ”!!」
ぼんさんを貫いた切っ先はぐるりと半回転すると、トドメのように上へと数センチ動き、ズボりと抜け落ちた。
「ぼんさんっ!!!」
凶器が抜け落ちた愛しい人の身体は、ガクりと膝を折り前へと倒れる
その身体を俺は抱き寄せ、やっと声を上げた。
「ぼんさん…?ぼ、…ぼんさん!!」
赤い血溜まりが広がり、ヒューヒューと空気の抜ける音を出しながら、ぼんさんの命が今まさに消えようとしている。
必死に名前を叫び、傷口を抑えるが血は止まらずドバドバと指の隙間から溢れていく。
「…ご、め……ッ…」
ぼんさんは俺を見ながら最後にそう呟くと、スゥと瞳から光を無くし動かなくなった。
見開かれた瞳からひとつ涙を落とし、顔の下半分を血で染め、ダラりと俺の腕の中で息絶える。
そのあまりのリアルさにゲームだと言うことも忘れ俺は泣き叫んだ。
「あ、ぁあぁ、ぁあ!!ぼんさん!!ぼんさんっ!!」
怖い、ぼんさんが居ないのが怖い…
だれが、どいつが!
殺気を隠しもせず、顔を上げ凶器の持ち主を確かめる
『…くはっ』
「……はぁ?」
そいつは笑っていた。
「あ、かい、スケルトン??」
赤黒いスケルトンが、確かにカラカラと音を立て笑っている。
こんな日の登っている時間に、身を燃やさず、弓も持たず、自身と同じ程の長い刀身を片手に確かにクハクハと骨を鳴らし笑っていた。
「めん!!ぼんさん!!」
俺の横を通り過ぎたおんりーは斧を振り上げクリティカル攻撃を敵へと当てる……となんと脆い、一撃で敵は倒れバラバラに砕けた。
ゲームの仕様ならソレは一定時間で土へと変換されるはずだが、なぜだが青い炎に包まれ灰となり散っていった…。
「ッ…ぼんさん!!ぼんさん!」
すぐさま振り返りぼんさんの元へと転ぶように戻ってきたおんりーは、そのあまりにリアルな死を見て、カタカタと震えている。
傍に来て呆然と俺達を見ているドズルさんも「これは、酷すぎる」と表情を崩しみんなにすぐにログアウトするよう声を上げた。
おらふくんは相当ショックだったのだろう、涙も零さず絶望へと瞳を染め上げ、ただただぼんさんを見ている。
「ぼんさんは……リスポーン、出来たんスかね」
「………あの家屋のベッドで一応リス地の設定してた…けど、なんで、ここにまだ残って…」
おんりーが到着してすぐにぼんさんと散策したそこを指さした、が、ぼんさんの亡骸がまだ俺の腕の中にある。消えていない。まだ温もりさえある。
ドズルさんは見ていられないと、ぼんさんの見開かれた瞳を指先で丁寧に抑え閉じさせた。
「ッ、ぐ…」
声を殺し、ドズルさんが涙を流している。
色々と考えるものがあるのだろう…
誰よりも長く連れ添い、誰よりも来るのが早いであろう…最愛の人の死別に1番脅えているのは、他でもないドズルさんだ。だからか、ゲームだとしてもそのリアルを目前に必死に感情を抑え、取り乱す俺達へと指示を出す。
「めん、ぼんさんを抱えて……おんりー、リスポーン地点教えて……一応、確認しに行こう」
それぞれが無言で動く。
俺はぼんさんを抱え上げる。
その顔が俺の肩へと来るように片手を背中に、もう片手にぼんさんの下半身を乗せ…まるで親が子供をあやすような…そんな手つきで、もう息もしていないその背中を優しく何度も撫でた…。
みんなの1番後ろから着いて行くように…ぼんさんと一緒に血を地面に染み込ませながら…
ぶら……ぶらっ…
ぼんさんの動かない腕が、力なく振り子のように俺の歩みに合わせて揺れていて…
涙が止まらなかった。
貫かれた刀の痛みに顔を歪めながら、戦犯しちまったとでも思ったのだろう…最後は俺に、悲しそうな顔で謝っていた…。
そのまま、俺の腕の中で息絶えたぼんさん…
ちらりと霞む視界でその顔を見たが、血だらけな口はダラりと半分開いていて…、瞳を薄くのぞかせているソレは光を失っていた。
ドズルさんが、「前だけを見ろ!」と俺の行動が見えているみたいに先頭から声を張り上げる。
おんりーもおらふくんもその声にビクリと身体を震わせ、キッと顔を上げた。
「ここです」
おんりーが、そのベッドを指さすが…もちろんその人はいなかった。
願うように…ぼんさんを横たえるが…なんの音も、その血だらけの唇からは鳴らない。
「皆……ログアウトだ。」
ドズルさんがそう呟いた言葉には、
この世界を強く拒絶する色が含まれていた。
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コメント
2件

唐突な展開で頭がドッカーーーーーンしたのと🍆さんの優しさに感動してました… 次回はどうなるのか…

メンバー異変に気づいたね👍🐷さん🍆さんを和ませようとしているね❤️\(//∇//)\❤️果たして🍆さんはどうなるのやら今後の展開を見逃せない👀