主です!
新しいの描き始めましたー!
今回はたか晴です
口調とか変かもでーす!
なんか次のお話でリクエストあったら欲しいです!
第一話 檻の中の微笑み
冷たい空気が、肌にまとわりつく。
安倍晴明は、ゆっくりとまぶたを開いた。視界に入ってきたのは、見覚えのない天井。
古びた医療用のライトが1つ、心細く灯っているだけだった。
「……え、ここ……どこ……?」
声は自分のものなのに、どこか他人事みたいに震えている。
身体を動かそうとした瞬間、手首にじわりとした圧迫感が走った。
革のベルトが、左右の手首をベッドに固定している。
「……っ、これ……ちょっと……明くん……?」
不意に、階段を降りてくる足音。
ゆっくりで、ためらいのないリズム。晴明は息を呑んだ。
「お兄さぁん。起きたんだね♡」
姿を現したのは、彼がよく知る人物――保健医のたかはし明。
けれど、そこにいたのは学校で見せる穏やかな表情ではなかった。
数えきれない瞳が、暗闇の中でゆらゆらと瞬き、晴明を見下ろしている。
「……明くん……冗談、でしょ……? ここ……どこ……?」
「地下だよ? お兄さんを安全にしておくための場所♡」
明は、あたりまえのように言った。
晴明の心臓が一瞬止まりかける。
「や……やめてよ……明くん。こんなの……おかしいよ……。
僕、逃げたりしないから……鍵、外して……?」
必死に優しい声で訴えた。
怒らせたくなくて。怖がらせたくなくて。
そういう癖が晴明にはあった。
だけど明は、首を傾げてにっこり微笑んだ。その笑顔が、酷い寒気を誘う。
「逃げるよ? お兄さんは優しいから、誰かのために外に行こうとする。
僕だけを見てくれないんだもん。」
「見てるよ……ちゃんと、明くんのこと……。
でも、これは違うよ……お願い、外に戻さなきゃ……」
「やだよ♡」
明は迷いなく言った。
その瞳のひとつひとつが晴明へ吸い寄せられてくるみたいで、呼吸が浅くなる。
「お兄さん、誰にでも優しいからさ。
僕、ずっと怖かったんだよ……他の人に笑ってるの見るだけで、胸がきゅーってして」
明はベッドの端に腰掛け、晴明の頬をそっと指でなぞった。
優しい触れ方なのに、逃げられないと理解させられる。
「明くん……そんなの……言ってくれればよかったじゃん……
閉じ込めるなんて……ほんとに……やめよ……?」
「言っても変わらないもの。
だから、もう全部決めちゃったの。
お兄さんはここで、僕だけを見て生きるんだよ♡」
「……っ……やだよ……そんなの……僕……先生で……学校も……」
「うん、全部いらないよ?」
明が微笑んだその瞬間、晴明の背筋を冷たい恐怖が貫いた。
けれど、不思議なことに――恐怖と同時に心が妙に静かだった。
逃げなきゃいけないのに、明の声が近すぎて、考えが絡まり始める。
「お兄さん……ずっと一緒にいようね。
壊れちゃっても、僕が全部面倒みてあげるから♡」
「やめて……そんな言い方……怖いよ……
明くん……お願いだから……元に戻ろ……?」
晴明の弱い声が、地下室に溶ける。
明はその声すら嬉しそうに聞いていた。
「大丈夫だよ、お兄さん。
ここはね……“二人だけの世界”なんだから♡」
明が立ち上がり、鉄の扉をゆっくり閉める。
軋む音とともに光が遮断された。
真っ暗な中で、晴明はひとり息を吐く。
「……どうすれば……いいの……
明くん……ほんとに……やめてよ……」
返事はなかった。
ただ静かな闇だけが、彼の囁きを呑み込んだ。
コメント
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新作!✨しかもたか晴って最高過ぎる…これは監禁だよな?やっぱり監禁大好き💕 怯えてる晴明君かわi(((殴 リクエストで祖×晴が見たいです!できたらヤンデレでお願いします🙇⤵ 次のお話しも楽しみにしてます!