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普段と変わらない日常。当たり前に続くと思っていた日々。でもまさか、思いもよらぬ人に壊されるとは、この時はまだ、知る由もなかった。
ピピピッピピピッと規則的になるアラームの音で目が覚める。今日は、いつもと違い、特別な日であることを新しい制服を見て思い出す。
rb)今日から新しい学校……
rb)馴染めるかな?
馴染めるか、友達ができるか。そんな不安を抱えたま、準備を済ませ、家を出る。引っ越したためか、少し迷子になりかけながらも、今までの風景と違うことにわくわくしながら学校へ向かった。
学校に着くと、職員室へ向かった。初めて来たためか、学校がでかいのか。原因はよく分からないが、場所がわからず知らない場所に来ていた。中庭のような不思議な場所。勿忘草とアイビーだけが生えている。ちっちゃい空間なのに、草原のような空間が広がる。
rb)綺麗……
思わず口から出た言葉。その美しさに見とれていると、後ろから声をかけられた。
??)見ない顔の子だね。
??)こんなところでどうしたの?
背はかなり高い。女子の中でも背の高い方の私でも見上げないといけないくらい。明らかに、同級生と比べたら高く、普段と違う感覚にびっくりしていた。
rb)あ、あの……
rb)今日、転校してきたんですけど
rb)職員室の場所が分からなくて……
rb)気づいたら、ここにいました。
慣れない感覚のせいか、少し言葉に詰まり、タジタジになっている。自分でも何を言っているのか分からないほど。
??)そうなんだね。
??)なら俺が教えてあげるよ。
??)着いてきて
手を取られ、言われた通りに着いていく。そんな彼の背中は、初対面なのに、どこか安心感があった。多分それは、頼もしい大きな背中、私の手を包み込むほどの大きな手、堂々と歩くその姿。そんなことを考えていると、もう、職員室にたどり着いた。
??)はい、着いたよ。
rb)あ、ありがとうございます。
rb)お礼、したいんですけど、
rb)名前と、クラスって教えてもらったり……
??)ww、お礼なんてしなくていいよ。
??)でも、したいんだったら
??)朝と昼休み、放課後にさっきの場所にいるから
??)そこに来てくれる?
rb)わかりました。
長い休み時間は毎回、あの場所にいるらしい。お礼をするため、私は昼休みに向かうことにした。彼と別れて職員室に顔を出す。
rb)失礼します。○○先生いらっしゃいますか?
先)rbst〜さんで合ってますか?
rb)はい。そうです。
先)今日からよろしくお願いします。
先)担任の○○です。
先)クラスは1-Bです。
先)では行きましょう。
rb)はい。
先生について行きながら、なるべく早く場所を覚えようと、辺りを見回すものの、教室がかなり多くよく分からなかった。先生の話によると、1年生は5クラス、2年生は6クラス、3年生は5クラスらしい。今までの学校よりかなりクラスの数が多い。その分、特別教室も多い。なんでも、この学校はほかの学校では学ばないことも学んでいるらしい。
先)じゃあ合図をするのでその後に入ってきてくだ さい。
rb)わかりました。
クラスにどんな人がいるのか、不安と期待を抱え、合図を待つ。この学園にはどんな人がいるのだろう。そしてどんな人がクラスメイトになるのだろうか。
先)入ってきてください。
合図で教室の中に入る。中に入り、クラスメイトの顔を見る。みんな驚いた顔をしている。そりゃそうだろう。この時期に転校生なんて滅多にやってこないのだから。
簡単に自己紹介をし、指定された席につく。ホームルームが終わると、たくさんの人が話しかけに来た。あっという間に逃げ場がなくなってしまった。みんなの質問に答えていると、授業の始まりを知らせる鐘がなる。みんなが次々に席へついて行く。次の授業は数学。生憎、教科書を新しく買わないといけないが、まだ買えていない。どうしようかと思っていた矢先……
??)教科書持ってないの?
隣の席の人に話しかけられた。びっくりして言葉が出ない。私に興味が無さそうだったのに。
rb)あ、うん
rb)まだ買えてなくて、
??)見せようか?
rb)いいの?
??)うん。
??)あと俺の名前mlnって言うんだ。
ml)よろしくね。
どうやら隣の席の彼はmlnというらしい。萌葱色の瞳が心配そうに覗いている。光が反射してキラキラして宝石のように輝いていた。
rb)宝石みたい✨
ml)え……
思わず口に出してしまっていた。隣の席の彼は目を見開いてびっくりしている。それはそうだ初めましての人から急に「宝石みたい」と言われたら、誰だってびっくりするだろう。
rb)あ、すいません。
rb)あまりに綺麗だったのでつい……
rb)急にこんなこと言われても、怖いですよね。
ml)あ、いや、そういう訳ではなくて
ml)初めて言われたので、嬉しくて……
rb)それなら良かったです。
rb)あと、mlnくんって呼んでもいいですか?
ml)全然いいですよ。
ml)なら俺も、rbst〜って呼んでもいいですか?
rb)はい、大丈夫です。
ml)なら、敬語も外しません?
rb)わかった。これからよろしくね。
ml)こちらこそよろしく。
昼休みの始まりを知らせる鐘がなる。その鐘を聞き、一斉に人が移動し始める。いろんな人に、一緒に食べよう?的なことを言われが、全て断った。お弁当をもち、あの場所へ向かう。進むにつれ、人がどんどん少なくなった。どうやら、あまり人気のないところらしい。扉を開けると、朝とは全く雰囲気が違うあの場所があった。朝は少し、神秘的な雰囲気がしていた。なのに、今は神秘的なのは変わらず、水やりをされた花がキラキラと輝き、別の雰囲気を感じる。思わず見とれていると、とある3人組に話しかけられた。
??)もしかして朝の子?
rb)あ、はい、そうです。
??)そういえば名前を言ってなかったよね。
??)俺の名前は、negrだよ。
ne)そしてこの2人は俺の友達。
pr)俺はtkpr、よろしくね。
ml)誰かと思ったらrbst〜じゃん
rb)mlnくんこの人達と仲良いんだ
ml)そうだよ。
どうやらこの3人組でここによくいるらしい。3人のお気に入りの場所でもあるらしく、居心地がいいのだと言っていた。4人でお弁当を食べ話していると、昼休みの終わりの鐘がなる。急いで教室に戻ろうとすると、prさんに連絡先交換しよ。と持ち掛けられた。急いでいたので、素早く交換し教室に戻る。ピロンとなったスマホを見ると、そこにはprさんからのスタンプが送られていた。可愛らしい犬のスタンプで口角が上がる。メッセージを送るか迷ったが、授業が始まるので送ろうとした手を止めた。
放課後、あの場所へ向かう。ドアを開けると、やはり3人組がいた。夕方も、朝、昼と違った、言葉では言い表せない雰囲気を出していた。勿忘草の色が少し夕焼けと混ざり、複雑な色をしている。そんな花に夢中になっていると、頭に何かを乗せられた。びっくりし、上を見上げると、笑ったprさんがいた。何を乗せたのか気になり、頭の上のものをとる。そこにあったのは勿忘草の冠。白詰草ではなく、勿忘草ということと、綺麗な勿忘草色の冠に驚きと動揺が隠せないでいた。そんな時、彼が尋ねてきた。
pr)rbst〜の長い髪の毛、ハーフアップにしてい い?
他の人に髪の毛を結ばれたことがなかった私は、少し驚きながらも、頷いた。
pr)じゃあ結ぶね。
そういいながら、丁寧に髪を結んでいく。手先が器用なんだと実感した。勿忘草の冠も綺麗に編み込まれている。その美しさに見とれていると、終わったよ。と声をかけられた。鏡を持った彼は、勿忘草の冠を頭に乗せ、こちらに向けてきた。
pr)うん、やっぱり似合うね。
pr)rbst〜は青が似合うよ。
初めて言われた言葉。自分でも思ったことがなかった。鏡に映る私を見ると、今までの自分じゃないみたいで、不思議な感覚だった。
rb)すごい✨
pr)喜んで貰えてよかった!
ml)え、すご!
ne)めっちゃ似合ってるじゃん。
rb)えへへ、ありがと!
そんなこんなで、気づけば下校の時間になっていた。
rb)あ、もうなっちゃった。
ml)じゃあ、帰ろっか。
pr)だね〜。
ne)rbst〜も一緒に帰らない?
rb)え、いいの?
pr)いいよいいよ。
rb)なら、お言葉に甘えて……
4人で昇降口を出る。来た時は思わなかったけど、改めて見るとかなり校舎がでかかった。これは迷子になるなと思いながら前の3人について行った。
人と話しながら帰ると、かなり時間が短く感じた。彼らの家は、私の家より少し遠いらしく、家まで送ってくれた。
rb)ありがとう、また明日ね。
そういい、家に入ろうとした時、
ml)ね、ねぇ……
ml)迷惑じゃなかったら、明日から
ml)一緒に学校行かない?
私は突然のことに驚いて、言葉が出なかった。その場で硬直していた。
ml)ごめん、嫌だった?
rb)いや、違くて、
rb)嬉しかったから……
ml)良かった、なら明日迎えに来るね。
pr)また明日。
ne)また明日〜。
ml)またね〜。
rb)うん、また明日。
そういい、家に入る。家の中はシンプルで変わり映えがない。広い家に1人。みんな当たり前だと言うけれど、私は、みんなとは違う当たり前がある。それは、一時的に*1人*。ではなく、永遠に*1人*。なのだから。私には親がいない。何故か、と言われても説明はできない。したくはない。もう、生きたくないな……
そんなことを考えていると、気づけば夜になっていた。
rb)もぅ、ご飯はいいや。
お風呂だけ済ませ、枕の近くに貰った勿忘草の冠を置いて眠りにつく。
rb)おやすみなさい……
そう呟いても何もかえって来ないことは知ってるはずなのに、いつも心が苦しくなる。私はいつ、この苦しみから解放されるのだろうか。