side らっだぁ
「ただいま〜!」
俺たちは試験に合格して
みんなのところへ戻った
「大丈夫やったんか」
「色々ありましたけどね〜、」
「あれ、らっでぃが持ってるそれ何〜?」
げんじんが俺が持っているあるものをさして
言った
あるものとは俺らが試験にクリアして貰った
どんな病でも治せる泉の水だった
「これどんな病でも治せるんだってさ。これをゲラに飲ませたらいいらしいよ?」
「ゲラに飲ませる、?ゲラは病気なの?」
「さあ、ところでゲラはどこなの?」
「そういえばゲラ放置したままだったね」
「どこに!?」
そういえば、と、口揃えて言う俺以外の運営
びっくりする俺を含めるみんな
「しばらく遠征の任務があるって言って、ゲスト部屋で黙々と作業してもらってる」
「可哀想すぎない?」
「いやまだいいほうでしょ」
「まぁお喋りはこれくらいにして、飲ませてみますか〜」
俺たちは運営国のゲスト部屋へ行く
俺は入れないけど……
side ぺいんと
運営国のゲスト部屋について、
ノックをする
「はぁ〜い!」
そう元気よく返事をしてゲラが出てくる
「皆さんお揃いでどうしたんですかぁ〜?」
ゲラはいつもの様子でにこにこ笑っている。
この子がらっだぁを傷つけた、と
言われても信用出来ないほどいい子に見える
でも、らっだぁを、みんなを傷つけたことは
事実。
俺はじっとゲラを見つめる。
みどりさんが前に出てゲラにいう
「ゲラヲ暫ク1人ニシチャッタカラ、オ詫ビニコレアゲル。オイシイッテ有名ナンダッテ。ノンデミテ」
「わぁ〜!ありがとうございますぅ♡」
ゲラがそれを飲んだ瞬間、
「なにこれ!?痛い痛い痛い!」
叫び声をあげるゲラ。
咳き込んで、声を発することも出来ない
俺たちは何が起こったのか分からずあたふたしている。
だってこれは、どんな病でも治せる水で、
みどりくんだって本物って言ってたのに、、
「どういうこと!?」
「なんで苦しみ出してる!?」
俺たちが慌てていると、ドアから慌てた様子で
らっだぁが来た
「何があったの?!」
らっだぁは扉前に居たため、何も状況を把握していない
「あの水渡してゲラが飲んだ瞬間こうなって、!」
らっだぁを見たゲラがらっだぁを睨み、
手を伸ばそうとする。
声は聞こえず、でも、
道ずれにしてやると言いたげだ
そんな手は届かず、ゲラは消滅した。
「な、何が起こって、どうして…?」
棒立ちの俺たちの前にある人が目の前に現れる
「ゲラを倒したのですね。おめでとうございます」
あの時の神様だ
「誰?」
ぐちーつが警戒しながら聞く
みんな警戒している。
あの時一緒にいたぴくとさんも、らっだぁも。
でも俺としにがみくんと、みどりさんだけは
警戒していなかった。
「ゲラってなんだったんですか?」
俺は神様に聞く
神様は少し考えた後にこういった
「あの水は紛れもなくどんな病でも治せる水でした。で彼女にとってそれは毒と同じ、元々死んでいるのですから。」
「それってつまり、」
「ゲラハ「アンデット」ダッタ、ッテ事ダヨネ」
神様は頷いた。
アンデットは人間が老衰以外で死亡した場合、
低確率でアンデットモンスターとして蘇る
俺たちとおなじ人外として生まれ変わる。
それでも俺たちと違って意志を持つことは無い。
記憶も何も無い。
「なんでゲラには意思があったんや?なんでらっだぁを、」
「……どんな種族でも、命を刈り取ることはできますが、蘇らせることはできません。どんなに上の立場の神様でも、誰かを蘇らせることは出来ないのです。それでも、たった一つの種族だけ、甦らせることができる、それが青鬼という種族なのです。」
「え、青鬼だけ?」
「厳密に言えば白色もですが、白はもう、いないですからね。青鬼とは憎しみを象徴しています。後悔や憎しみから生への執着が生まれ、鬼として蘇る、このことから鬼はだれかを蘇らせる能力があると言われています。」
淡々と話すかみさま。
「鬼が、青鬼が人を甦らせる能力があるって、本当なんすか、?」
「人それぞれですね。たくさんの魔力を持つ鬼は人を蘇らせることができますが、魔力をあまり持たない鬼は蘇らせることはできません。らっだぁという人の場合は不可能です。」
「俺、魔力きょーさんたちよりないからな、」
「いや俺は天使やから……」
「でも魔力がないって、ゲラにはわかるんじゃ?アンデットはある程度魔力を感じれるはず」
アンデットは幽霊の実態はあるような感じ、
幽霊は魔力を所持しており、
人が持っている魔力の量をある程度知ることが
出来る、
みどりくんみたいに。
「周りにはたくさん魔力を持っている人がいるでしょう?青鬼ということを知っていてこの魔力はらっだぁさんのだと勘違いしたのでしょう。」
「でも、らっでぃを切り離すのは意味わからんくない?恩を売ればいいのに、」
「切り離し、別の誰かになりきって助けることで恩を売るつもりだったようです」
水滴がぽたっと落ちる音がする。
消滅したゲラのほうから聞こえる気がする。
「ゲラはなんで、意志を持っていたんですか?」
「……アンデットになる人間には特徴があります。老衰以外で死亡していること、生きたいという気持ちが宿っていること。」
「それと一体なんの関係が、」
「ゲラの死因は自殺です。この生涯を終わらせたいという気持ちと、生きたいという気持ちが交差し、低確率を引き、アンデットになったようです。それでもゲラは意思が強く、アンデットではなく人としていきたいと強く願い、結果的に意思を持つアンデットとなったのです。生き返るチャンスを手に入れたのです」
神様は水滴が落ちる音のした方へと向かう
「でも不運でしたね。彼女は泉の水で消滅し、生きるチャンスを逃しました。……自業自得ですね。」
俺たちは固まっている。
本当にゲラを救う方法はなかったのかと、
俺たちには時計の針を戻すことは出来ない。
この運命を受け入れるしか無かった。
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