コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
人間の体のなかには、約37兆2000億個もの細胞たちが今日も元気に働いている
でも…ある日を境にその中の一つの白血球は今まで同じ仲間だと思っていた細胞…すべてに
細胞になんて感情はいらない、ただ仕事を淡々とこなすだけ
何時もと変わらないことをしているのに、心の何処かがいつもぽっかりと空いている。
その心の穴を埋めるために外へ出歩いてもその穴は深くなるばかり。
いつしか、その白血球は自分の家に閉じ籠るようになった。
その理由はきっと、もう自分以外の他の細胞は信用できなくなったから。
ついにその白血球は自分が惨めに思い、自分で自分を傷つけるようになった。…その傷も治らないうちに傷口をグサグサ、グサグサと深く…深く…広げていって、肉が見えなくなった時。ようやく包帯を巻いて、包帯の上からも刺すくらいだから、血が止まらなくて巻いた意味がないほど。
そんなある日、白血球はあるがん細胞と再会した。
『また会えたね優しい殺し屋の白血球さん』
がん細胞がそう微笑んだ矢先。白血球はそのがん細胞を殺そうとナイフを握った。
…だが、力は入らなくてその場で崩れ落ちた。
当然だ。
毎日体に傷をつけ、栄養もとってないから。
がん細胞はその白血球の姿を見て”思ったより上手く行った”と聞こえないように呟いた。
がん細胞はその白血球を手に入れるために白血球の親しい細胞に似た、自分のクローンを作り、罵ったり避けるような行動をするように命令したから。
そこまでして、がん細胞は白血球を自分のモノにしたいという欲があった。
…そのがん細胞の願いは矢庭に叶う
そして、がん細胞は微笑みながら白血球の頭部を優しく撫でるように触ると自分の肩に寄せ、耳元でこう呟いた。
『やっと”一緒”になれたね、白血球さん。』
読切にしようか迷ってる…伸びたり、気が向いたりしたら続き書く予定です!