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貴方を見つけられたことは俺の人生で本当にラッキーな出来事だった。
作業部屋から出てきたらリビングのソファでお昼寝中だったりょうちゃんに毛布をかけてその寝顔を見つめながらそう思った。
一緒にスタジオに来て、と誘ったあの日。
あれが確かに俺がりょうちゃんに声をかけた最初だったけど、実はその前からりょうちゃんのことを知っていた。
一方的に、だから恥ずかしくて言ってないけど。
よく利用するスタジオの最寄り駅で金髪のピッタリとした個性的な服を着て細い君を見かけるようになって、あ、いつもいるなって自然と目で追っていた。
いつも1人だった君は寂しそうな顔をしていたけどお年寄りに席を譲ったり、小さい子を見つめる時は優しくにっこりと笑っていてなんて柔らかく笑う人なんだろうと思った。
ある日、駅のホームで鞄の中をぶちまけてノートとかを落とした人がいた。
周りの人はチラリと目線をやるだけで立ち止まる人もいない中、ぱっと金髪の貴方はしゃがんで落ちたノートやペンを拾ってあげていた。
俺も一緒に拾ったこと、りょうちゃんは覚えてはいないかな。
「僕も良くやっちゃうんです、大丈夫ですよ」
声まで優しい貴方はにこりと笑って去っていった。
それから何回か見かけるうちに楽器が入ってそうな荷物を持っているところを見かけて楽器弾けるんだ、なにかな、キーボードとかギターではないよなぁなんて思いながら所属していた事務所でりょうちゃんを見かけて···あ、これはラッキーだって思った。
「あの、俺とバンド組んでください。99.9%デビューできるんで」
そこからりょうちゃんは何にも俺のこと疑わずについてきてくれて、名前を教えてくれて、あぁ、あれはフルートだったんだと知って···。
名前も出身も歳も知らなかったけど。
その優しいところも困ってる人をすぐ助けてあげるところも声も笑顔も俺は知っていたんだよ。
「あの頃となんにも変わらないな···」
色々なことがあって状況が変わっても、りょうちゃんはあの出会った頃のままだ。
「ん···あ、ごめん、ねてたぁ···」
「いいよ、可愛い寝顔見てたし」
「もう、かわいくないよ···けど、嬉しい」
「かわいい、すごく可愛いよ。りょうちゃん、ありがとうね」
「······?なんかしたっけ···僕···」
「俺と出会ってくれた」
「なぁに···元貴どうしたの急に」
あの頃と変わらない笑顔のまま、いやあの頃よりもっと綺麗になったけど···俺に手を伸ばして抱きしめてくれる。
「ちょっとりょうちゃんに初めて会ったときのこと思い出してた」
「初めてかぁ···それでいうとね、実は元貴に声をかけられる前から元貴のこと知ってたんだよね···」
「えっ···?」
「同じ電車、よく乗ってなかった?ギター背負って···若井と一緒にいたのを見かけたことがあって、この人も音楽するんだなぁ、どんな曲してるのかなって···あと、笑い声がさ、綺麗だなぁって」
「それ、ほんとに?」
「うん、だから声かけられた時はびっくりした···けど元貴は僕のこと知らないだろうから、言えなかったけど···」
恥ずかしい、と笑うりょうちゃんを強く抱きしめる。
なんだ···俺たちってやっぱり···。
「運命的だ···」
「ふふ、そうだね」
キスをしてもう一度抱きしめる。
またいつか昔を振り返る時は、俺もりょうちゃんのことを知っていたことを伝えよう。その時から気になっていたことも。
「今日、泊まっていくよね?」
「うん、そうする···ねぇ一緒にお風呂に入りたい···」
照れる恋人の頭を撫でて俺もそうしたいと伝える。
やっぱりこんなに一緒にいても大好きで仕方ない。
だって貴方はやっぱり俺の運命の人だから。
これからも、ずっと。
コメント
13件
もりょきかわいい😭 めちゃくちゃ良いです、幸せです、癒されました。 ありがとうございます🥹♡
私のもりょき心がすごく満たされて、ガソリン満タンになりました…⛽️ 元貴くんの見てたりょうちゃんが、すごくりょうちゃんなシーンでめちゃくちゃ刺さりました💘 本当にそんな風に知ってたんじゃない??と思ってしまいます🤭✨ あの二人は運命ですね、間違いない😇(強火担)
💛さんはあの出会いの日の前から❤️さんを知っていて認識されてなかったって言ってましたけど、❤️さんが💛さんを認識していたの…めっちゃくちゃ良いです~~~🥹💗 とっても幸せな気分になりました、ありがとうございます🥰