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記憶が戻らないまま、俺は大人になった。
あの後、リハビリを一生懸命に頑張り見事退院することが出来た。
しかし、依然記憶は戻らなかった。
それに医者は不思議がっていた。
その頃には入院して既に1年半がたっていた。
医者が言うには、普通なら記憶はもう既に思い出しているはずらしい。
兄弟もみんな不思議がっていた。
兄弟は、記憶が無くなったからと言って俺を差別したりすること無く優しく接してくれた。
まるで記憶があるように――。
兄弟全員が大人になった。
兄弟たちはそれぞれ仕事に就き、兄弟のため仕事に励んでくれている。
なな兄は、自身の会社を作り社長を。
さと兄は、病院で外科を。
ジェルくんは、病院で内科に。
ころちゃんは、小学校の教師に。
るぅちゃんは、音楽家になった。
それぞれが、したかったことを叶え今頑張ってくれている。
対するに、俺は、大学にいくという選択肢があったものの自分の体調などを踏まえた上で断念することにした。
今は、以前のように体調を直ぐに崩してしわないようにはなった。
それでも、他の人からの、体が弱い
可哀想な人。という認識は変わらなかった。
俺が変わったこと。いや。
俺たち家族の変わったこと。
それは、昔の話をしなくなったこと。
そして、名前で呼ぶようになったこと。
一年に一回必ず両親のお墓参りに行くこと。
その2つだった。
昔の話をしないのは、きっとなー君や俺のため。
名前で呼び会おうというのは、弟たちにとって名前は両親から貰った最初で最後のものだったから。だから、大切にしようという意味を込めて。
そして、お墓参り。
以前は弟が幼く、両親が亡くなったことを言わなかったから。
だから、今は大きくなったため正しいことを伝え、どんなに忙しかったとしてもお墓参りに兄弟全員で行こうと決めたのだ。
そして、今日はついにその日が来た。
お墓は自分たちの住む家から遠い場所にあり、車から5時間ほどかかる場所にある。
そのため、半分旅行が目的まである。
ジェル「莉犬ー?」
莉犬「なにー?」
ジェル「準備できたかー?」
莉犬「もちろん!」
ジェル「ほな、みんなで車乗って行こうや」
ななもり「運転俺しようか?」
ジェル「俺に任せてや!」
ななもり「じゃあ、頼んだ!」
さとみ「ジェルに任せるの怖いんだけど笑」
ジェル「なんでやねんっ笑」
るぅと「つべこべ言わないで」
るぅと「早く行きましょう?」
ジェル「そやな笑」
ころん「荷物もったのみんな?」
全員「おぉ!/もちろん!/はい!」
ジェル「じゃあ、出発進行やー!」
全員「おー!」
さとみ「莉犬…」
莉犬「どうしたの、さとみくん?」
さとみ「最近、体調はどうだ?」
莉犬「ふふ、大丈夫だよ」
さとみ「そっか、」
莉犬「それより、さとちゃんは?」
莉犬「無理してない?」
さとみ「もちろん」
莉犬「それは良かった」
さとみ「…」
莉犬「どうしたのさとちゃん?」
莉犬「元気ないよ?体調悪い?」
さとみ「あ、嫌、なんでもねぇ、」
莉犬「それならいいけど…」
莉犬「辛くなったら言ってね?」
さとみ「はいはい、」
ころん「片頭痛痛いんですけど」
ころん「どゆことこれ?」
ころん「いじめかな、いじめ」
さとみ「んなわけ笑」
ジェル「バックの中に薬あるで~」
ころん「まじ!?ありがとー!」
るぅと「今日暑くないですか?」
ななもり「もう、8月だからねぇ」
ななもり「アイス買っちゃう?笑」
ころん「食べたーい!」
るぅと「ちょっと、ころちゃん!笑」
ななもり「じゃあ、行っちゃおー!笑」
ころん「やったぁぁ!!」
さとみ「頭痛いんじゃねぇのかよ笑」
ころん「忘れてた」
さとみ「忘れんなよ笑笑」
ジェル「あ゛ぁぁ」
ななもり「運転お疲れ様ぁ笑」
さとみ「なぁ、明日天気雨らしいよ」
ななもり「あ、ほんと?」
ななもり「じゃあ、お墓参り明後日にするか」
さとみ「そうしようぜ」
莉犬「でも、明日なんでしょ?約束の日」
さとみ「でもなぁ、」
さとみ「莉犬もいるし、、」
さとみ「ころんだって万全じゃねぇし」
莉犬「そっか、ごめん」
さとみ「いや、大丈夫」
ころん「今日じゃダメなの?」
さとみ「こんな中外行ったら熱中症だぞ?」
るぅと「そうですよ」
ジェル「まぁまぁ、とりあえず旅館行こや」
るぅと「そうですね」
ころん「あれ、車は?」
ジェル「預けた」
ころん「え、歩くの?馬鹿なの?」
ジェル「馬鹿じゃねぇよ笑」
ジェル「旅館で停めるとこないらしいから」
ころん「マジかよォ、笑」
さとみ「おら、頑張んぞー」
ころん「へーい」
ななもり「途中でお昼食べようね笑」
ころん「うっし!頑張るぞ〜!!」
ななもり「お、その調子!!その調子!!」
空は曇りひとつない晴天だった。
8月の序盤とはいえ、暑いのに変わりは無い。
水筒を片手に少し重いバックをしょって、軽い斜面をみんなで登る。
たまに、休憩したりして楽しく歩いていた。
莉犬「ふぅっ、、」
さとみ「疲れたか?」
莉犬「いや、、まだいけるよッ…」
さとみ「嫌、ダメだ」
さとみ「みんなここで休憩するぞ」
ころん「さっき休憩したばっかりだよ?」
さとみ「莉犬がダメっぽい」
ジェル「まじ?莉犬、肩貸すで?」
莉犬「ありがとッ…ふぅ、はぁ、」
ななもり「顔真っ赤っかだね…」
ななもり「お水買ってくるね」
さとみ「スポドリもいいか?」
ななもり「OK!ちょっとまってて!」
なー君が少し下まで下がって自動販売機でペットボトルを買いに行った。
るぅと「莉犬、大丈夫?」
莉犬「大丈ッ夫…」
るぅと「もう、ほんとに…」
ななもり「はい、飲み物どうぞ〜」
ななもり「みんなも持っててね」
ころん「あざぁっす」
ジェル「莉犬?ちょっと持ち上げるで?」
莉犬「こくっ、」
ジェル「俺の膝の上乗ろうな」
ジェル「よし、OK。ありがとな」
ジェル「ちょっとおでこ触るで?」
ジェル「ちょっと熱いか…?」
ジェル「莉犬、飲みのもの飲もうな」
さとみ「なーくん、莉犬の水筒ちょうだい」
ななもり「はい、これだよね」
さとみ「そう、ありがと」
ななもり「はーい」
さとみ「おまッ、ほとんど飲んでねぇじゃん」
莉犬「飲んだしッ!」
さとみ「ごくっ、」
莉犬「あ、ちょっ!」
さとみ「ぬるっ、」
さとみ「入れ替えるか」
さとみ「これとりあえず、莉犬飲みきって」
さとみ「きつかったら、あげていいから」
莉犬「分かった 」
莉犬「ごくっ、けほっ、ごくっ」
さとみ「そんな勢いよく飲まない方がいいぞ」
莉犬「わかってるしッ…」
さとみ「あっそぉ、笑」
さとみ「とりあえず、もうちょい休んでから」
さとみ「ここ出発するか~!」
ななもり「そうしよっか」
まだまだ旅館までは先が長そうだ。