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JUJU夢短編集

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JUJU夢短編集

3 - エアコントラブルにご用心

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2025年05月19日

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⚠自己満夢小説


⚠夢主愛され


⚠ネームレス夢主


⚠ゆるい






























カチッ。カチカチッ。



『……嘘でしょ』



静かな室内にリモコンのボタンを押す音が虚しく鳴り響く。

間もなくして私の危機迫る声がポツリと呟かれた。



5月下旬。

春も終わりに近付き、初夏が迫っている蒸し暑い日のことだった。


学校も任務も休みの久々の余暇に、私は暑さで目を覚ました。

“なんの予定もない日は寝るに限る”という私の信条から、目覚まし時計をかけずに寝ていたのだけど、妙な暑苦しさで午前10時には目が覚めてしまった。


歯磨きをして軽く朝食を取るとあっという間に時刻は正午。


何もしてなくてもじんわり汗をかくほど部屋の中は暑くて、換気のために窓を開けても然程変わらなかった。


仕方がなく棚の引き出しから半年程使ってなかったエアコンのリモコンを引っ張り出す。

冷房ボタンを押すと、エアコンはうんともすんとも言わなかった。


そう、私の部屋の備え付きエアコンは故障していた。











🐯「あれ、〇〇。こんな所でどったの?」



すぐにエアコンの修理業者が見に来てくれるとの事だったけど、すぐと言っても今日の今日で見てもらえるはずもなく。

私は困り果てて寮の共有スペースで暑さを凌いでいた。


明るい声が聞こえて顔を上げると、声の主であるクラスメイトの虎杖と伏黒がいた。

2人共制服姿なのを見るに、任務帰りだろう。



『任務?お疲れ様』


🐯「おう!」


🐺「それよりお前何があったんだよ」



げっそりした私を見た2人がギョッと驚きを露わにする。

私は事情を説明した。



🐯「エアコンの故障!?今日明日って夏日だってニュースでやってたよ!?」


🐺「釘崎と真希先輩はたしか出張だったよな」



そう、唯一同じ女子寮である野薔薇と真希先輩は、2人で仲良く出張任務に出ている。


なんなら私も連れて行ってほしいくらいだ。



🐯「空き部屋使わせてもらうとかは?」


🐺「こんな暑い中掃除したら、部屋使えるようにしてる間に倒れるだろ」


🐯「たしかに」


『ただでさえ人が少ないからね。空き部屋はもう何年使われてないのやら…』



中はホコリだらけで掃除が必要だし、それこそエアコンが使えるかも怪しいだろう。



🐼「おー、お前らどうしたんだそんな顔して」


🍙「高菜?」


『パンダ先輩、狗巻先輩…』


🐯「それがさぁ〜」



と、共有スペースに2年生の先輩2人が入ってくる。

これで出張に行っていない1、2年全員が揃った。


うーん、と唸る私達にパンダ先輩が問いかける。

虎杖が私に代わって事情を説明した。



🐼「それヤバいだろ。今日の夜はエアコンなしで寝たら死ぬぞ」


🍙「明太子?」


🐺「扇風機は無理ですよ狗巻先輩。ぬるい風が回るだけです」



うーん、とパンダ先輩と狗巻先輩が唸る。

唸る人が増えてしまった。


その後も「共有スペースで寝させてもらう」や、「家入さんの部屋を貸してもらう」、「医務室を借りる」など色んな意見が出たけど、共有スペースは消灯時間には閉まるし、家入さんに頼むのは24時間忙しくて疲れ果ててるので申し訳ない。

医務室も同じ理由で、すべて却下となった。


困り果てていると、狗巻先輩の頭上でピコンと電球が光った。



🍙「ツナ、ツナマヨ」


『え!?』


🐼「棘の部屋に泊まるか…。でも〇〇も一応女子だからな」


『一応ってなんですかパンダ先輩』



狗巻先輩の提案は私が狗巻先輩の部屋に泊まるという案。


元々野薔薇や真希先輩がいればそうしていたけど、いないからしょうがない。


でもしょうがないからと言って思春期の男女が同じ部屋で寝るなんて…。



『ハレンチ!』


🍙「おかか…」


🐯「待って、もし誰かの部屋に泊まるなら俺も歓迎なんだけど!」


🐺「歓迎ってお前な…」


🐯「だって〇〇が困ってるなら仕方なくね?」


🐺「まあ狗巻先輩よりは害はなさそうだが…」


『伏黒それ先輩に失礼過ぎない??』


🐯「どうする〇〇?俺の部屋か狗巻先輩の部屋か」


🐺「それか俺の部屋か」


🐯「伏黒も立候補するのかよ!」


🐺「おい立候補って言うな」



謎に誰が私を泊めるかで争いはじめる3人。

皆温厚だから怒ったりはしないけど、バチバチと火花が上がっている。


こんな所、野薔薇と真希先輩が見たらこの3人は今頃ボコされていただろう。

あの2人は何かと私に対して過保護だから。



🐯「ここはクラスメイトの俺でしょ!」


🐺「それを言ったら俺もだろ」


🍙「いくら、昆布!」


「「「〇〇は誰がいい!?/んだ?/明太子?」」」


『えぇ…』


😎「たっだいま〜、お土産買ってきたよ〜!って、何してんの」



3人に迫られて、さっきより更に困っていたその時。

なぜか共有スペースに五条先生が現れた。



『五条先生。なんで寮の共有スペースにいるんですか』


😎「いや〜、なんか面白い話の匂いがぷんぷんしてさ」


『何も面白くないです鼻へし折りますよ』



五条先生はどこで聞いていたのか、私のエアコントラブルのことを知っているようだ。


また面倒臭い人が増えてしまった。



😎「僕の部屋に泊めてあげる♡」


🐯「それはないかも」


🍙「おかか」


🐼「ありえないな」


🐺「ですね」


😎「満場一致は酷くない??」


『あーもう!もうジャンケンで決めてください!』



最初はグー、ジャンケン!!











『お日様の匂い…。安眠だ〜』


🐼「泊めてやるとは言ったがベッドになるとは言ってないんだが…」


🐯「まさかパンダ先輩が一人勝ちだなんて…」


🐺「いつの間に参加してたんですか…」


🍙「おかかぁ…」


😎「ま、〇〇が幸せそうだからいいんじゃない?」



白黒のふかふかに顔を埋めて、私は涼しい部屋で眠りについたのだった。






エアコントラブルにご用心。

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