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いつも通り帰路を辿っていると目の前でトラックに轢かれた女子高生が話しかけてきた。「突然ですが出来れば一緒に私のことを轢いたトラックの運転手を見つけてくれませんか?」と頼んできた。
「良いけどまず最初に質問、トラックの運転手の顔は俺も見てないけど君は見たの?」
「身体が途轍もなく痛く視界もぼやけており、私が自分の身体から離れた時にはもうトラックは何処かに行ってしまったので見ていないですね。」
最近はひき逃げなんて珍しくないし身体が痛いのに顔を見る余裕なんて無いか。
「出来る限りの事はしよう。取り合えず救急車呼ぶね。」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」
俺は救急車を呼び病院まで同行した。
「なんか目の前に自分の顔があるって変な感じですね。」
「俺はそんな状況になった事が無いからその感覚は分からないけど、実際その立場になったらそう思うだろうね。」
「そうならないのが一番いいんですけどね。」
女子高生と少し話していると医者がやってきた。
「かなり酷い状況にあります。一回ご家族に連絡して着替えなどを持って来てもらいます」
「分かりました。」
そうやって15分ほど医者の話を聞き病院を出た。
「俺が説明を聞いて意味あった?」
「特には無いと思いますよ。」
「俺の15分を返してくれよ。」
「私に言われても困りますよ。」
そこからはあまり喋ることもなく俺の家へ向かった。
「ここが俺の家だ。狭いが我慢してくれ。」
「お邪魔します。」
家に着いた俺たちは今後何をするかを話し合っていた。
「てか一回君が身体に戻って探すじゃダメなの?」
「なんか自分の身体に入り込めなかったんですよね。多分私を轢いた人を見つけないと戻れないのだと思います。」
「まじか。」
「まず今私の身体はボロボロなので戻った所で何もできませんけどね。」
楽な手段が潰され少し残念だがそんな事を思っても何も解決しない。取り合えずトラックについて覚えてる事を聞いてみることにした。
「まずトラックの会社が分からないと俺が出来る事は無いけど何かうっすらでも見えたものはない?」
「なんか青い狸のマークが見えましたね。あとナンバーも見間違えの可能性もありますが36-57だったと思います。」
「それだけの情報があれば直ぐに特定出来る。そのマークは△▢〇宅配のものだから会社の連絡してドラレコの記録を見てもらおう。」
「お願いします。」
早速俺はその宅配業者に電話をかけた。
「はい、こちら△▢〇宅配です。」
「僕の知人がトラックにはねられまして特徴を聞いたら、そちらのトラックと似ていたのでお電話させていただきました。ナンバーが36-57のトラックがあるか確認して頂けますか?」
「えっ、分かりました。確認してまいりますので少々お待ちください。」
これでそのトラックがあったら解決だが、もし業者が面倒くさがって(そんなトラックは無い)と言ってきたら俺と女子高生で事実なのか確認しに行こう。まあ本当にそのトラックが無い場合もあるけど。
「お待たせしました。確認したところトラックはありました。恐縮ではございますが一度こちらのほうに来ていただいて確認していただく事は可能でしょうか?」
「分かりました。10分後に到着します。」
「ありがとうございます。それでは失礼させて頂きます。」
しばらくの静寂が続いた後
「君を轢いたトラック見つかったて。今からその宅配業者の所に行くから準備して。」
「分かりました。まあ今は実体がないので準備などは無いですけどね。」
そうして俺たちは宅配業者の所へ向かった。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
案内人に人に事務所的な所へ連れていかれた。
「お待ちしておりました。私はこの宅配業者の営業所長でございます。」
「早速ですがドラレコの映像を見せて頂けますか?」
「こちらが貴方様の知人を轢いたトラックに付いているドライブレコーダーの映像でございます。」
「ありがとうございます。」
「見てみますと確かにうちの職員がひき逃げをしている様子が録画されております。大変申し訳ございません。」
そう深々と頭を下げる。
「こちらの映像は勿論警察に持って行って頂いてかまいません。そしてこの職員は解雇致します。」
「分かりました。ありがとうございました。」
「こちらこそ多大なるご迷惑をお掛けして申し訳ございません。」
俺たちはドラレコの映像を警察に提出した後病院へ向かった。
「もう戻れるんじゃないの?」
「そうですね。本当にありがとうございました。」
「いいよ別に。もし良かったらだけど、たまにお見舞いに来てもいい?」
「もちろんです。」
その言葉の後女子高生は自分の身体へ戻っていき意識を取り戻すと同時に俺はナースコールを鳴らした。
それから暫くして女子高生を轢いたトラックの運転手は捕まった。
「よっ、今日も来たよ。」
「今日も来たんですか。暇なんですか?」
そんなことを口にする女子高生の顔は笑っていた。