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6月17日、彼女は死んだ。
土砂降りの雨が彼女の血液を洗い流した。正しかったのだ。私の判断は。
あの時の、彼女を「■■■にする」という私の判断は。
少しでも、彼女の痛みを和らげたかった。他人に救済の手を差し伸べるなど、私らしくない訳だが。
私は彼女に「救済」と言う名の「死」を与えてしまった。
私は面白くない死に方をする人間に興味はない。
今までもクソみたいな死に方を望む面倒な奴は何人もいた。
彼女は少し変わった要望をした。でもその要望に私は乗り気になれなかった。でも仕方ない、仕事だから。
割り切っていたはずなのに、何故かやる気になれず、思うようにやれなかった。でも彼女は死んだんだ。
彼女の最期の顔が脳裏に浮かぶ。
とても綺麗な横顔で、
広角を上げて、
彼女は言ったんだ。
「あなたはつよい、どうかまけないで」
誰に言ったのかなんて私には知ったこっちゃない。
でも、その時の私は…本当にやるせない。
私は何も
何も…
何も…できなかったのだから。