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朝。
「マナ、起きて」
「……無理」
即答。
「もう時間だよ」
「あと十分……」
「さっきも言ってた」
⸻
布団に潜るマナ。
「……出てこん」
「出て」
「無理や」
⸻
「じゃあ」
少しだけ間。
そのあと——
「……っ!?」
頬に、軽い感触。
「……なにしてんねん」
「起きた?」
「起きるわそんなん!」
⸻
「ほら、起きて」
「ずるいってそれ」
「効果あるでしょ」
「あるけど!」
⸻
でも。
まだ眠い。
「……もう一回」
「え?」
「さっきの」
「……キスで起きる人初めて見た」
「うるさい」
⸻
くすっと笑って。
もう一回、軽く触れる。
「……っ」
今度はちゃんと目が覚める。
⸻
「起きた?」
「……起きた」
「よかった」
⸻
でも。
そのまま腕を掴む。
「どこ行くん」
「朝ごはん作る」
「……あとちょい」
引き寄せる。
⸻
「マナ?」
「……もうちょいだけ、このまま」
小さく呟く。
⸻
少しだけ間があって。
「しょうがないな」
優しく笑う声。
⸻
そのまま。
少しだけ、静かな時間。
「……なあ」
「うん?」
「これ、毎日でもええな」
「いいよ」
即答。
「……ほんまに?」
「うん」
その言葉に。
少しだけ、照れて。
でも。
「……ほな、決まりやな」
まだ少し眠い朝。
でも。
隣にいるだけで、ちゃんと起きられる。
そんな日が、増えていく。