肌を強く照らすスポットライト、腕を掲げて雄叫びをあげる観客、ビリビリと感じる熱狂。
今日の対戦相手はミメイくんだった。相変わらずラップは上手いし、こっちだって実力が上がったはずなのにそれを感じさせない圧倒的上手さ。
でも今回のミメイくんは、ずっと笑ってて僕と対戦して楽しそうにしてた。僕もそれを見て熱くなり、今回の対戦は観客も沢山湧いた。
そんなBOXでの対戦が終わり、裏方で熱を冷ますように水をぐびぐびと飲んでいたら、頭に手を置かれた。その知っている匂いに、誰だかすぐに分かった。
「ミメイくん」
「よ、ピラフ」
ミメイくんも今回はさすがに熱くなったようで、珍しく汗をかいて息も少し上ずっていた。
「ミメイくんも水どうぞ、飲みさしですけど」
そう言って飲んでいた水を差し出すと、やんわりその手を下げられた。
「いや、今はそういうのいい」
「え?」
あれだけ歌ったのだ、きっと喉も乾いているのに何故?と疑問に思っていたら、すいと顎を掬われた。
「ここから近いから、俺の家いこ」
いきなりの誘いに少し戸惑いながら目を見開いていると、熱い吐息が漏れる口から再び言葉が紡がれた。
「今余裕ない」
その言葉に今の彼の状態を察し、思わず顔を赤らめてしまう。
「あー…えと、分かりました」
「ん、じゃ早く行こ」
さっきの言葉通り余裕が無いのが分かるほど足早で会場を出て、そのまま速度が落ちることなくミメイくんの家へ向かった。
ミメイくんは玄関に入って鍵を閉めるなり、荷物をぽいと放って早速キスをしてきた。それも深い方。
頭を後ろから抑えられて貪るようなキスに、帽子がミメイくんの頭にぶつかって上にズレた。
「んっ、ふ、」
そのままなだれるようにして2人して床に倒れた。
その衝撃で帽子も取れて、荷物もがたんと音を立てて落ちたのにそのミメイくんの深いキスは止まる気配がない。
「ぁっ、ミメイく、」
やっと唇が離れたと思ったら言葉を吐く間もなく再び唇が重なった。
息が苦しくて、少しだけ目を開けたらミメイくんが上着を片手で脱いでいるのが見えた。まさかここで始める気だろうか。
焦ってミメイくんの胸をトントンと叩くと、唇は案外あっさり離れた。
「なに」
「あの、ベッドに移動したいです」
「あー…ん、ならベッド行くか」
そう言われて安堵したのも束の間、ミメイくんはひょいと僕を横抱きにしたのだ。
「えっ、ちょ、」
「なに、やっぱここでする?」
「いえ、なんでもないです」
玄関から寝室までは意外と早く、着くとドサリとベッドに降ろされたかと思うとミメイくんが僕の腰あたりの横に膝を立てて服を脱ぎ始めた。
僕も服を脱いだ方がいいかと服の裾に手をかけたら、服を脱ぎ終わり上裸になったミメイくんの手にとめられた。
「脱がなくていい」
「え、でも」
「俺が脱がせるから」
よくもまあ、そんな恥ずかしいことをさらりと言えるものだなと思った。やはり顔がいいからそんなことを言えるのだろうか。
「こ…の、イケメンが…」
そう恨めしそうに呟くと、ミメイくんに聞こえたのか、はっと鼻で笑い僕のサングラスを上にあげてにやりとしながら言った。
「お前も十分やろ」
言い返してやろうとしたが、唇が重なりそれは防がれた。
「ん、」
ミメイくんにしては珍しく性急なキス。
思わず抵抗しようとしてしまった手を、ミメイくんが手首を抑えて止めた。
溺れるようなキスに、頭がふわふわしていると下半身に覚えた違和感に目を開く。
「ぇあ、ちょっと、」
いつの間にか自分のそれを握られていたことに気づき上半身を起こそうとするが握られていた手が動いてそれは叶わなかった。
「んぁっ、」
思わず体がびくりと震えた。
「はは、いい声出すやん」
どんどん激しくなる手の動きに比例するように息も荒くなっていく。
「ミメイく、」
「ん?」
「キス、して」
ミメイくんに手を伸ばして懇願すると、何故かぶわっと顔を赤くして眉間に皺を寄せた。
「え、なに、」
「いや、おま…はぁ、まあいいや」
何かいいだけな態度に疑問を浮かべていると顔を近づけてきて唇が重なる前に囁くのが聞こえた。
「キスでイかせたる」
その挑発的な言葉に顔を赤らめるもさっきよりも深く、激しいキスに耳にも熱を覚えた。
さっきの会話で止まっていた手も激しく上下し始めて、もっと頭がふわふわしてくる。
「ぁ、あっ、」
唇が離れる刹那の間にすら喘ぐほど気持ちがいい。
気持ちよすぎてなんだか可笑しくなりそうで、思わずミメイくんの首に腕を回した。
するとそれに応えるようしてキスがまた激しくなるものだから、キスしている時にすら喘いでしまいそうになる。
やけに頭に音が響く。僕とミメイくんの唾液が混ざってじゅる、と音が鳴る度体温が上がる。
いよいよ飛んでしまいそうな程頭がふわふわしてきたので、そろそろだと思った。
「ぁっ、も、いっちゃ、」
「ん、いけ」
直前までミメイくんの手は止まることなく、呆気なく僕は達した。
「はぁっ、はっ、」
余韻に浸っていると頭の上から声が降ってきた。
「ピラフ、尻あげて後ろ向いて」
達した後特有の気だるさに抵抗して言われたとおりにすると、おそらくミメイくんのものであろうそれが当たった。
静かな空間に僕とミメイくんの息だけが聞こえる。
永遠かと思われたその時間はミメイくんのがずぷりとなかに入ってくることで破られた。
「ぁあっ、は、」
「は、なか熱、」
僕も入ってきたそれが熱くて火傷してしまうんじゃないかと思った。
しばらく慣らすように待っていると、それが次第にゆるりと動き出す。
「んっ、」
トン、トンとミメイくんの腰が当たる度に肌が優しくぶつかる音が聞こえる。
思わず涙を浮かべて頭がぼーっ、とし始める。
毎度の事ながら上手いんだよな、この人。
それを思い出しなんだか複雑な気持ちに駆られていると、後ろから少し低くなっているミメイくんの声が聞こえた。
「他のこと考えるとか余裕あるじゃん」
「へ?いや、違くて」
なぜわかったのか不思議だが弁明しようとミメイくんの方を見ようとするも急に腰のピストンが激しくなり喘いでしまう。
「あっ、ミメイく、」
堪らずよがっていると、体が反転してミメイくんと目が合った。
「何考えてた」
「え、いや」
「言えや」
機嫌が悪そうにさらに低くなった声に慌てて口が滑った。
「そのミメイくん毎回上手いよな、って」
あ、と思った時には時すでに遅し。ミメイくんが驚いた顔で固まってしまった。
「いや、えと、その、」
しどろもどろになって言葉すら出てこない。あのバトルの時のような饒舌は一体どこに行ったのだろうか。
汗が出そうになるほど焦っていると、いきなりふはっ、と吹き出す声が聞こえた。
「お前も上手いよ」
「え?」
僕が上手い?なにが?と思って今度はこっちが固まっていると
「俺を煽るの」
意味を理解する前に腰がさらに激しく動き出して思わず口から声が漏れ出る。
「あっ、!や、まって」
「待つと思うか?」
ミメイくんの胸をやんわり押す僕の手を取り、ぐいと引っ張られる。
「ん、」
また深いキスをされ、頭がふわふわしてくる。
キスと手だけであんなに気持ちよかったのに、キスとなかに入ってるそれはさらに気持ちよくて溜まっていた涙が落ちた。
「んぁあっ、ミメイくん、またいっちゃ」
「はっ、俺も」
唇が離れて目を開けると、汗を流して余裕が無さそうに視線を下げるミメイくんを見て、バトルの時とは違う汗を流すミメイくんにさらに体が感じてしまう。
「あー…、ピラフ」
「はっ、あ、ミメイくん」
今度はこっちも首に腕を回して自らキスをする。
ミメイくんは少し驚いたようだけどすぐに応えるようにして舌を絡めてきた。
さらに腰のピストンの速さが上がっていって、ガンガンと頭が限界だと言う。
「っ、ピラフ、」
「は、ミメイく、」
最後は半ば抱きつくようにして2人とも達した。
達した後も響くお互いの荒い吐息に、どんどん意識が沈んでいき、いつしか目の前が暗転した。
コメント
4件
ご馳走様でした‼️‼️‼️まっじでこれだいすきです
あの、好き。
ちょ、え、え、え?え???なんですかこれ???え?、 ありがとうございます。ご馳走様でした。好き