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数年後…。
「おい、何でまだいるんだよ」
「だってここ居心地いいんだもん〜」
少年は15歳になり、この孤児院の後継者になるべく勉強している様だった。
私はというと、18歳のレディに進化したが、周りは何でか認めてくれない。
「お前がいると皆が言うこと聞かないんだよ」
「え〜ひどくない?皆いい子じゃん。ね〜?」
「「「ね〜」」」
「ね〜じゃない!お前ら掃除はどうした!」
「「「きゃ〜!!」」」
「楽し〜、ほら次期院長がそんな怖い顔してたら皆怖がっちゃうよ?」
「俺は元からこんな顔だ」
「ほらほら笑って〜」
少年の口角を無理やり上げる。
「やめろって!」
「ふふ、笑えばもっと格好いいのに」
「っ、そういうのやめろ…」
「?そういうのって?」
「〜っ!自覚ないのがほんと腹立つ!」
「はぁ?急に怒るとかビビるんだけど〜」
じゃあ帰ろっと。
私が振り返って帰ろうとすると、後ろから袖を掴まれる。
「ちょっと待て…」
「良いよ、どしたの?」
「俺さ、お前がいて…本当に助かったんだ」
「お?なになに、急に」
「ずっと、言おうか悩んでた」
少年はその美形を強ばらせて、こちらを真剣に見る。
「うん?」
「………あ〜!!やっぱり無理だ!!」
「なんだなんだ?情緒不安定か〜?(笑)」
「ちげぇ!」
私は笑って少年の頭をポンポン、と軽く撫でてこう言った。
「…ありがとね。気持ちだけもらっておく。私のはあげられないけどね?」
「っ!?何だよ、分かってんじゃっ」
私は少年の言葉を聞かずに馬車に乗った。
「じゃあね〜」
「あ〜もう!!」
「……好きだ…」