・・・・・・・・・・・・・・・・
こんなに上手いステーキを食ったのは
初めてだった
タリアータと言ってステーキではないと
彼女は言うがジュンからしたら肉だ
それに小麦粉からスパゲティを作る人にも
お目にかかったことはなかった
他にもチーズがたっぷり乗ったラザニア
焼き立てのワッフルもこれも
彼女がすべて作ったものだった
あの短時間で!
ただバターは彼女が牛乳から
作ったものではないらしい
念のため聞いてみた
ユリアは大笑いをしていた
ユリアにとって料理を作ることは
彼女の本質を満足させるようなものだった
ジュンはトマトは大嫌いだった
しかしそれはユリアのサラダを
食べるまでのことだ
彼女の作ってくれたサラダは
あっさりしていて新鮮で
真っ赤に熟れて小さい物もトマトだと
初めて知った
これはバクバク食べれた
あっと言う間にユリアの作ってくれた
料理を平らげてしまった
彼女は笑った
「あれほどの料理が一瞬でなくなったわ
もっと欲しい? 」
「すまない
君ん家の冷蔵庫を空にしてしまった・・
明日スーパーマーケットに行こう
沢山買ってこの冷蔵庫を
パンパンにするんだ」
彼女はテーブルに両肘をついて
クスクス笑っている
髪は乱れてすっぴんだが彼女は何とも
おいしそうだ・・・
「こっちにおいで 」
ジュンはさっと動いてユリアを抱え上げ
自分の膝の上に乗せた
ユリアは驚いてキャッと言ったものの
その後はジュンの腕に体をあずけ
頭をジュンの肩に置いた
二人は穏やかな夜のしじまに静かに
コーヒーを飲んだ
腕の中にユリアがいる・・・・
静かに呼吸音が聞こえ
肩に頭をあずけてくれている
それだけの事で
ジュンの心が癒された
そして体の奥深い部分に炎が燃え広がっていく
「どれもこれも美味しかったよ
君は天才だ 」
「ありがとう 」
ユリアが顏を上げてジュンに微笑みかけた
「でも 味付けは和風なのよ 」
そうなのか?
でもたしかにイタリアンの味だったが・・
ユリアがクスクス笑ってジュンの
手を取った
「あなたって
味の勉強をしたほうがいいわね
微妙に色々違うのよ 」
「へぇ・・・・ 」
ジュンはまじめな顔をしていようと
思ったが難しかった自然と顏がゆるむ
「味は世界中に千種類もあるのよ 」
ユリアは手を伸ばして
ジュンの裸の胸に触れ・・・・
その後腕をなでおろした
「あなたの皮膚にしてもそう・・・・ 」
そう言うとそっとジュンの頬を軽く舐めた
途端に全身電流が走る
「男性の味がする 」
言いながらユリアは体の向きを変え
唇に指を置いたまだ笑顔だが
もう面白がっている様子はない
僕を誘惑しているのだ・・・・
そんな気分なんだ
面白い
「あなたの口は・・・・
そう・・・
うっすらとコーヒーの味がしたわ・・・」
「今は? 」
ゆっくりと二人は唇を重ね舌をからめた
ホントだユリアの舌も何か味がする
ほんのり甘い・・・・
さっき食べたワッフルの
ラズベリージャムの味だ
ジュンはすっかり興奮していた
もうこうなっては隠しようもない
ユリアはジュンの勃起したものを見下ろし
そこで唇を舐めてみせた
ジュンがユリアの体を引き寄せようとするとユリアが体を離した
「だ~め!」
ユリアが叱りつけるように言う
唇がすぐ近くにあって
ジュンの顔にかかる息が温かい
「味のお勉強中よ さわるのはなし 」
クスクス笑う・・・・
そうか
このおてんばさんは今は戯れたい気分なんだなそれならそれで付き合おう
硬くなった物のすぐ上に座っているのだから僕がどれほど興奮しているか
わからないはずがない
股間の一物を気に掛ける風でもなく
ユリアはジュンの口で遊んでいる
ジュンをすっかりいたぶっているのだ
ユリアの舌がジュンの耳の周りを這い
尖らせた舌で微妙なタッチで耳の中を探る
うなじにざわっとした感覚が走り
さらにいっそう硬くなった
「あなたを見せて・・・・ 」
ユリアがため息をついた
硬く盛り上がった胸筋をなでる
「いいけど・・・・
特に見るものなんてないよ? 」
ユリアがじっとジュンを見る
逆らわない方が良さそうだ
「ハイ どうぞ 」
両腕を後ろ頭に回し
まるで捕まった犯人のように降参した
何であれ彼女の言いなりなんだから
ペロリと乳首を舐められた
「う~ん・・・
なんとなく甘いわ・・・・・ 」
硬くなっているのは
もう股間のものだけではなかった
ジュンの体中が緊張してカチンカチンだった全身が拳をにぎりしめているような
状態だった
ゆっくりものうげに体中を
舐められるたびに
乳首を吸い上げられるたびに
ジュンの下腹部に打たれたような
衝撃がまともに走った
「しょっぱい味・・・・
シナモンの味・・・・
筋肉の味・・・・ 」
プッ・・・
「どんな味?・・・・ 」
ジュンは思わず噴き出した
ユリアはささやきながら
ピンクの舌を胸からお腹
そしてへそにと滑らせていく
「ここはスパイシー・・・」
舌先をへその中に入れると
ユリアはお腹を軽く噛んだ
ああ・・・助けてくれ
デニムのジッパーが降ろされ
ジュン自身を手に取った
「まぁ・・・見てよ
この大きな子・・・・ 」
ハァ・・・・
「・・・君が・・・狭くて
小さいから・・・・ 」
もう死にそうだ
彼女の手の中で情けなくぶちまけないようにもう必死だった
ジュンは喘ぎながらなんとか理性を保った
彼女は大きな自分に
慣れようとしているんだ
襲い掛からないように必死だった
彼女は今度は睾丸を手に取り
指を彼の一物の先端に滑らせた
そこから液が溢れてもれている
もう爆発しそうだった
永遠の時間があるかのように
ユリアはゆっくり先端の周りを
指でなぞった
ジュンはもはや目を閉じて椅子の端を
折りそうなほど強く握りしめていた
なんてセクシーなの・・・・
ユリアはうっとりと彼を見つめた
ユリアの愛撫に喘ぎ
美しい体を震わせている
「これが入るのですもの・・・・
痛いはず・・・ 」
そう言うとユリアは体を倒し
ジュンを口に入れ吸い上げた
ああっ!悪魔め!
ジュンは歯をくいしばり
押し寄せる絶頂をひきのばした
気付くとユリアの髪をくしゃくしゃに
していた
でも大切な事をいわなければ・・・
「・・・ユリア・・・・
悲しいお知らせがあるんだ 」
不意に愛撫をやめてユリアがこちらを見た
ジュンは残念なホッとしたような
感情に囚われた
このままいけば彼女の口の中で
クライマックスを迎えてしまう所だった
「もうゴムが無いんだ・・・・
君と2回目なんて幸運はもう僕には
ないと思っていたから・・・・ 」
とっても残念だ
自分を今ほど呪ったことはなかった
「そう・・・・ 」
ユリアは言った
彼女は少し思案気味だった
彼女も残念なんだろうか?
「でも・・・僕たちの中には
それだけではないと思うんだ
もう少しここにいさせてくれるんなら
話をしてもいいし・・・
なんならゲームでも・・・・ 」
もう必死だった
なんとか彼女とつながりを持ちたかった
そうだ自分はヤルだけの男ではないと
彼女にわかってほしかった
するとユリアが言った
小さな手が震えている
「あの・・・・私・・・・
生理不順で婦人科からピルを
処方されて飲んでるの・・・・
だから・・・・ 」
ジュンはポカンと口をあけたが
すぐに閉じた
言っている意味を把握するのに
時間がかかった
「・・・・ピル? 」
「ええ・・・・だから・・・
今は妊娠しないの・・・ 」
途端にジュンはわずかに残った
理性を示そうとした
「・・・・署では定期的に
健康診断があって
僕は今まで一度もひっかかったことはない
それに献血にも行ってる
僕はまったくの健康体で・・・・
だから僕から悪い病気がうつることはない!
そしてここ一年ぐらい誰とも
SEXはしていない!君以外には! 」
真剣な顔つきでジュンは言った
ユリアは「は?」という顏をしたが
すぐさま真っ赤になった
そうね・・・・・
避妊しないでするという事は・・・・
病気の事も考えないとね
自分の疎さが恥ずかしかった
「え・・ええ・・・
もちろんそうでしょうね・・・
私も・・・大丈夫よ・・・・ 」
「最高だ!」
ジュンは飛び上がるように
椅子から立ち上がると
ユリアを抱えてそのまま寝室まで運んだ
そして軽くユリアをベッドに放りなげた
ユリアは奇声を上げたが笑っていた
ジュンは体を屈めてユリアの首に口をつけたそこから脈が伝わってくる
自分が触れたことでユリアがすっかり興奮
しているのがわかる
普通の女性の硬くて縮れた毛とは違って
ユリアの陰毛は柔らかくてシルクのようだった
盛り上がった部分に置かれたジュンの手で
ユリアは気持ちをくみ取ったのか
恥じらいながらも大きく脚を開いた
ジュンは指を滑り込ませて
入口の所に触れた
よし すごく濡れている
指をするりと中に入れて
ユリアがはっと息を飲んだので驚いた
「・・・君は・・・・
処女のようにきつい・・・・
ぜんぜんやってないんだね・・・・ 」
ジュンは考えた
こんな彼女に先ほどは一突きで奥まで入れたすごく痛かったはずだ
「・・・仕事ばかりだったから・・・」
ユリアの声は小さく
かすれたささやきのように聞こえた
「・・・今からはそうじゃなくなる 」
きっぱりと言ってジュンは仰向きになり
ユリアを腰の上に乗せた
「きゃぁ!ジュン! 」
ユリアは自分が男性の上に乗ることなど
考えたこともなかったのだろう
驚きの表情を浮かべた
ユリアがジュンの股間にしっかり
またがっておもいっきり脚を広げている
「・・・自分で入れて・・・
僕は何もしないから
自分で楽しんでみて・・・・ 」
ユリアはそろそろと体を前に倒し
体を浮かせたジュンの一物の先が
入っただけの状態で静止した
何とかしてくれ!
ジュンは頭がおかしくなりそうになっていた
ユリアが円を描くように少しだけ
腰を揺らした
もう少しだけ中に入る
しかし まだ半分にも到達していない
こんなことを続けられたら
すべてを受け入れてもらうのに
朝がきそうだ!
でもまだだ!
彼女に慣れてもらう時間を与えないと
ジュンはベッドボードの端を強く
握りしめていた
もうすっかり汗びっしょりで
鼓動は激しく息も絶え絶えだ
10キロ近くも走ってきたように思える
なのにまだセックスをしているとは
ほど遠いと言える
まだまだ先は長い
ユリアは目を閉じうっとりとしながら
夢見るような表情を浮かべはじめた
また体を浮かせたので
ジュンはもどかしくて叫び出す寸前だった
それからユリアはちょうどいい
角度を見つけ少しづつ体を沈めていった
僕を殺す気か?
どうしてこのまま動いてくれない?
ジュンは歯を食いしばって
ユリアのヒップをつかむと
ぐっと控えめに腰を突き上げ
ねじ込むような形でユリアの中に入った
ユリアはあえぎ声を出した
「悪い子ね!ジュン!」
「すいません・・・・ 」
ジュンはさっと腕をあげて
またベッドの端を掴んだ
ユリアがこちらを睨んでいる
もう彼女の体にはさわらない
さわっちゃいけなんだ
さわれば荒々しい行為になってしまう
今は彼女の好きにさせないと
ユリアはジュンを荒い息で見下ろしていた
さっきの強引な行動のおかげで
ジュンの物は完璧に全部ユリアの中に入った
ああ・・・・
直に彼女を感じる・・・・
なんて気持ちがいいんだ
長くは持ちそうにない・・・・
「体を倒して・・・・」
押し殺したような声になってしまった
ユリアが力なく体を倒してくると
ジュンは口いっぱい開け
乳首にむさぼりついた
乳首の周りはなめらかなのに
口の中は硬いつぼみのような部分がある
ジュンは強く吸い上げたり
小刻みに舌を揺らしたり
軽く歯を立てたりした
今はこれぐらいしか彼女を
可愛がってやれない
ユリアが少しだけペースを速め腰を揺らした
これぐらいなら痛くないのか・・・・
ジュンもそれに合わせて
腰を浅く突き上げてみた
・・・・お叱りの言葉はない・・・・
よしっ!
そしてユリアがああっと叫び声を
上げてイッた
これにはジュンもたまげた
ゴム無しのユリアの絶頂の収縮はすごかった
まるで手で握られていたようだ
ああ・・・助けてくれ
こんな女性は初めてだ
ジュンは硬く目を閉じ突然襲ってきた
どうにも制御できない絶頂に叫び声をあげてユリアの中に爆発した
:*゚..:。:.
ユリアはジュンの大きな胸で息をあえがせ
小休憩をとっていた
ジュンの手が優しく背中を撫でている・・・
ジュンの体は大きいので
またがったままの脚は最大限に開いている
後できっと体が痛くなるだろうが
そんなことどうでもよかった
飛び散るような絶頂感で
一度体がバラバラになり
そしてまた甦生した・・・・
今は体全体が光を放っているようだった
ユリアの体に入ったままの
ジュンはまだ硬かった
そんなことがあるのだろうか?
ジュンもクライマックスを迎えたのに
あの信じられないような感覚
ジュンはどんどん硬くなっていって
最後に爆発した
少し動くと体の中いっぱいに
濡れた感じがあった
これは間違いなくジュンの精液だ・・・
まだ荒い息でジュンが
ユリアの耳元にささやいた
「これから僕達はこうしてやろう・・・」
低く気だるげに背中を撫でながら
優しく語られた うっとりする・・・・
男性にこんなに優しく扱われたのは
初めてだった
おそらくベッドの中でしか聞けないだろう
彼のイった後の甘い声・・・
・・・くせになる・・・・
「僕たち二人ともがまずイクんだ・・・・
そうすると君は濡れて柔らかくなる・・・
もう僕の形に慣れただろう?
ほら・・・ 」
クイッとジュンが腰を上げ
奥まで突き上げる
ぞくりと頭の先まで快感が突き抜けるが
・・・・痛くはない・・・・
ユリアは思わずため息が出た
「ね?
君の体がこうなると僕も好きなように
出したり入れたり出来るんだ 」
ジュンは話している間も
ユリアの体の中で長さをいっぱいに使って
力強く突き立てていた
背中がぞくぞくする
あれほどイったのにまだ感じるなんて
「君の中はすごく気持ちがいい・・・・」
「ああ・・・ジュン・・・・ 」
耳元でささやかれるとユリアは
魔法にかかったようになってしまう
「君は僕のために作られたような気がするんだ
君をさわらずにはいられない・・・ 」
ジュンが話すたびに
ユリアの体は不思議にもっと
ジュンを受け入れようと開いた
ジュンは時間をかけてユリアを愛してくれた
ゆっくりと進め丹念にSEXに不慣れな
ユリアの体をすばらしい絶頂に導いた
ユリアはまるで体を細胞ごと
作りかえられた気分だった
ジュンはあっと言う間にユリアを組みしき
腰を後ろから高くかかげさせた
気付くとユリアをバックから攻める
体勢に落ち着いていた
次の瞬間信じられない程深く入れられて
先があたってしまった所で止まった
そして二、三度確認するかのように
ジュンは突き立てた
腰を動かして中の大きさを測り
ユリアがどれぐらい濡れていて
どこまで自分を受け入れられるかを確かめている
「もう一回イッたら大丈夫かな・・・?」
ジュンはつぶやきながら
ゆっくり優しく突きだした
ユリアの一番敏感な芯を弄びながら
ユリアは体がビクンと跳ね上がり
甘い声をだした
「よし・・いいぞ 」
ジュンの息がかかる
ジュンの指はゴツゴツしているけど
触れ方は繊細だった
体の中でも同じような繊細な動きがあり
軽く揺すっている
そっと引き・・・
そっと押し
動いているかもどうかも
わからない繊細なリズム
敏感な芯をくすぐる一指し指と同じ調子で・・・・
ユリアは息もできず
押し寄せる快感に喘いでいた
ああ・・・イきそう
信じられないいったい何回イクの?
自分でする時だって
長く時間はかかり
芯を優しく弄んで一回で終わりなのに・・・・
体中が搾り上げられるような感覚が
ずんずん真ん中に集まってきて・・・・
思考が停止し
弾けた
ドクンドクンとジュンを締め付けながら
一気に体の奥が溢れてきた
心臓が飛び出しそうになる
強烈な切羽詰った絶頂感にベッドに顏を
埋めて叫びながら泣いた
まるで天国に登った気分
ジュンはしっかりとユリアの腰をつかみ
奥まで中に入ったまま目を閉じて
その熱と圧とユリアの内部に起こっている
絶頂の収縮を味わっている
「ああ・・・・最高だ・・・ 」
ジュンはそれを感じている・・・・
ユリアのすべての反応を感じ取っていた
ユリアは生まれて初めて快感だけの存在になった
なんとか息をついて
体の興奮が収まって来た頃
優しくジュンがささやいた
「もう・・・いいかな・・・・
僕も我慢の限界だ・・・・・
さぁしっかりベッドの端につかまって 」
息を喘がせながら
何も考えられず言われるままに
ベッドの端を掴んだ
それが合図だった
ユリアは振り返って
背後を見た
そこにいるジュンは危険な生き物のように見えた
興奮のあまり鋭い顔つきになっている
ユリアを見つめる瞳がギラギラ光って
思わずゾクッとする
今やユリアはめちゃくちゃに
ジュンにイかされ
ヒップを宙に突きだし
足を全開に開いて
ジュンに貫かれている
分かっている・・・・
彼はまだイっていない
恐ろしいほどの自制心でユリアを天国に
連れて行ってくれた
今度は彼の番だ・・・・
ああ・・でもこれからどうなるの?
欲望に怪しくジュンの瞳が光った
そして一言囁いた
「ついてきて 」
:*゚..:。:.
ユリアは全身の筋肉が痛むのを感じながら
目が覚めた・・・・
ゆっくりとベッドを出て
そろそろとバスルームに向かった
朝日はすっかり昇り
清々しい朝の光がバスルームを照らす
鏡の前を通った時
知らない女が写っているのを見て驚いた
もつれてこれ以上ないぐらい乱れた髪の毛
大きな瞳
腫れぼったい唇・・・・・
体のあちこちになんだか吸われた跡がある
これはキス・マークとかいうヤツ?
ジュンがわざとつけたのでは
ないことはわかっていたけれど
ものすごい勢いで彼が絶頂を迎えた時に
自分の肌に吸い付いていたのは
たしかだった・・・・
熱いシャワーを体にかけると
気持ち良さで一息つけた
肌に彼の匂いがしみついている・・・・
昨夜の彼はあらゆる場所に触れ
内側にも外側にも
拭い去りがたいほどの後を残した
そして股間から何か大量に
ぼとぼと音を立てて流れ出た
一瞬生理が来たのかといぶかしんだが
それはない
だってピルを飲んでるから
下を向いて確認したら
それはテラテラと光った
ジュンの精液だった・・・・・
その瞬間の事を思いだした
ジュンの物がユリアの中で大きくなって
爆発する感覚がよみがえると
頬と首がカッとなって途端に体が熱くなった
2回目に彼に中に出されてからは記憶が
あやふやだった
ユリアの乏しい経験上
まさに人生がひっくり返るような
SEX をしてしまった
ジュンは超人だった
ひと晩じゅう抱きついていて
馬力があるのは分かっている
髪と身体をよく洗い
バスルームから上がると
彼のいる背後のベッドルームをのぞいてみた
彼の体はあまりにも大きいので
ニトリのセールで買ったシングルベッドから
足が突き出していた
このユリアのベッドは昨夜の激しい動きにも
きっと対応していないハズ
あとでスプリングが壊れていないか
確かめてみよう
彼の足は細長くて土踏まずが高くて
なんてことその足までが素敵だった
ずれた枕の横でとじた睫が長いのには
ずいぶん前から気付いていた
ハンサムな顏・・・・・
太い片方の腕をさっきまでユリアのいた方に
伸ばしている
一晩中腕枕をしてくれていたのだ
おもわず胸が熱くなる
ぐっすりと眠っていて
呼吸するたびに盛り上がる広い胸だけが
生きている証だった
無理もない・・・・・
文字通り一晩中励んでいたのだから
こんなことが出来る
成人男性がどれぐらいいるだろう?
彼にいちいち数えていられない程の
絶頂に何度も連れて行かれた
もちろん彼も何度もユリアの中に射精した
そして今この時熟睡している時でも
半ば勃起した彼の物は大きくて
血管が浮き出している
まぁ・・・・
なんて元気な子・・・・
彼曰くユリアの何かが彼のスイッチを
入れるらしいそれは逆もしかりだった
彼を見ていると
体が熱くなる・・・・
自分はいったいどうしたんだろう
あわてて淫らな考えをどこかに押しやる
どうしよう・・・
彼を起こした方が良いのかしら?
私は今日は休みだけれど
彼は仕事かもしれない
そうだ!
朝ごはんを食べて行ってもらおう
激しく愛し合った結果
自分もこれ以上ないぐらい
おなかが空いていた
キッチンに向かい
冷蔵庫の大根を刻みだした
ユリアの朝食は決まって和食だ
炊飯器でご飯を炊き
出汁巻き卵を作り終え
大根の味噌汁の味見をするとても
美味しく出した
鼻歌を歌いながら食器棚の方を向いた時に
大きくて黒い影が戸口にあるのを見て
またもや驚いた!
ジュンだ!
目覚めたんだ
淡い朝の光の中
リビングの戸口に腕を組んでもたれている
上半身裸の彼がオリーブ色の肌を
素敵に照らす
シャツを着てくれた方が
いいのかもしれない・・・・・
あんなに愛し合ったのに目のやり場に困る
そうだ彼がここでくつろげる服を
買ってこなきゃ
彼はXLサイズ?
なぜか緊張して引き締まった顏が素敵だ
「ああっ!びっくりした! 」
どきどきしながら笑顔を向ける
「あんまりどっきりさせないで
目が覚めたのね
おはようのキスをしてちょうだい 」
そう甘えると喜んでくれると思った
彼はちゃんと抱きしめて
優しいキスをしてくれた
だが顏の表情は厳しめで変わらない
彼はニコリともせず
ユリアの瞳を見て言った
「君に告白しなきゃいけないことがある・・・・ 」
暫くしてからそう言った
ジュンは長い間言葉を発して
いないかのように声がかすれていた
「本当は昨日君に会った時に
言うつもりだったんだ
でも・・・
僕達はこうなって・・・・
いやっ・・
それが後悔などしてるんじゃない
僕と君の間には・・・・ 」
ユリアはうっとりとジュンの言葉を聞いた
どうしよう・・・・
朝からこんな素敵な男性が
うちの部屋にいるって許されるの?
薄い色のデニムを腰ではいて
贅肉のない彼の体は見事としか
言いようがない
彼とプールにでも言ったら
女性はほっておかないだろう
彼のすべてを昨夜ユリアは自分の肌に感じた
ジュンの姿を見ただけで
血が騒ぎ体が彼を迎え入れようと
準備を始めるのが恥ずかしかった
心臓が大きな鼓動を打ち
膝の力が抜け体の奥がやわらかくなる
「言いたいことはわかるわ・・・・・」
彼が動こうとしないので
ユリアは不安になった
無表情でユリアを見つめている
「くそっ・・・肝心な時に
その・・・何て言っていいか 」
ジュンが話を続けようとした時に
ユリアはそっとジュンの唇に触り
ジュンの言葉を遮った
「私 彼と別れるわ 」
ユリアはふうっ・・とため息をついた
「本当に?・・・ 」
ジュンは今聞いた言葉を信じられないと
ばかりに目を大きくした
そっとユリアがジュンの頬に手をかけた
「今日・・・・お店休みだから
彼の所に行って別れ話をキチンと
してくるわ 」
「僕も一緒に行こうか?
君の彼氏に殴られる覚悟で・・・ 」
何気ないふうに切り出したが
後ろに組んでいる手は
こぶしを握りしめている
彼女はもう誰にも渡さない・・・
「まぁ・・・ジュン・・・ 」
そんなことは考えたこともなかったのだろう
ユリアは驚いた顔をした
「彼が暴力をふるうなんてありえないわ
私はちゃんとした大人の女よ
自分できちんとケリをつけてくるわ
あなたとこうなってしまった以上・・・・ 」
ユリアは頬を染めうれしそうに言った
しかし視線はジュンと合わせたままだ
「僕は真剣だよ 」
本気だった
他の男がユリアに触れるのは
もはや我慢が出来なかった
本当ならその男をボコボコにして
二度とユリアに近づくことが
ないようにしたかった
しかし彼女は少なくとも
彼氏の良ちゃんを大切に思っている
その男がユリアとベットと共にしたことが
ないのはわかっていたが
今は別の男がユリアを見つめキスを
するなんて考えると
怒りに爆発しそうだった
ユリアは僕のものだ
これから他の男は彼女から
1メートル以内の所に近づいてはならない・・・・
はっとそう思って
ジュンは心配そうにこちらを見ている
ユリアに視線をもどした
感情を抑えておく必要があった
ジュンはひとまず彼女の気持ちを尊重した
ユリアを抱え上げ大理石の
キッチンカウンターに乗せた
彼女の脚を割ってそこに収まると
目線が彼女と一緒になった
ユリアはドキンと心臓が動いた音をした
完全にこの男性に恋をしてしまった
ことを自覚した瞬間だった
「ごめんなさい・・・ジュン
昨日の今日で何から始めればいいのか
わからないの・・・ 」
ユリアが頬を染め小さな声で語りかけた
戸惑っているのだ
たしかに今の自分は抑えが利かない状態にある
今は彼女に愛の言葉も届かないだろう・・・
生真面目な彼女はキチンと元彼と別れて
身ぎれいになってから自分との
関係を深めたいのだ
それぐらいジュンにもわかる
でもそんなのは待てない
「そうだね・・・・ 」
ジュンはポケットから
銀色の物を取り出してユリアに言った
「とりあえず 僕ん家の鍵を
預かる所から始めたらどうだろう?」
:*゚..:。:.
駅前のショッピングモールを
トボトボ歩いていると
ユリアは大きなため息が出た
ジュンにこれほど強く惹かれているのは
自分でも自覚していた
目を閉じれば
ジュンが自分を熱く見つめながら
腰を振っている光景が表れる
途端に体が熱くなる
ああ!ダメダメ!
まだ昼間よ!
とにかく一刻も早く良ちゃんとの関係に
キチンと終止符を打つべきだ
もう一度良ちゃんに電話をかけてみる
何度か呼び出し音が鳴って
留守番電話に代わる
その録音機能に本日2回目の
メッセージを入れる
「ユリアです・・・・
ここの所・・・・
電話出来なくてごめんなさい
もう出張から帰っているよね?
出来れば会って話したい事があるんだけど
今夜会えませんか? 」
メッセージを残し電話を切ると
ユリアの心が痛んだ
ジュンとああなったことは
良ちゃんのせいではない
彼は半年お付き合いをして
誠実でユリアをとても大切にしてくれた
それに出張中のあの熱い電話でのこと・・・・
あのときは間違いなく二人は恋人同士だった
しかしそれらをすべて払拭するほど
ジュンの存在は強烈だった
今ではユリアの女の本能で心で
ジュンを欲しいと思っている
彼に強引に持たされた部屋の鍵・・・・
ゆっくり目を閉じ想像する
休日は彼の部屋で二人でDVDを見ながら
体をまるめて大柄な彼の胸にもたれる・・・
ポップコーンの大きなボウルを抱え
自分の口と彼の口に交互にポップコーンを
運ぶ・・・・
彼の部屋でくつろぐ自分・・・・
暖かい腕に抱かれて眠る自分・・・
あのバッドマンのような車は
運転させてくれるかしら?
彼といろんなことをしている自分を想像した
とてもしっくり来る
ふと果てしない連想が途切れ
ファッションフロアを通り過ぎると
ユリアは目当てのスマホショップに到着した
夜に良ちゃんと会う前にせっかくの休日なので
自分の用をこなして過ごすことにした
スマホの充電器の調子が悪く
自宅用と職場用にと何個か充電器を
スマホショップに買いに来た
店舗のディスプレイの充電器を手に取り
自分のスマホ画面を見る
このスマホにしてからめっきり
留守番電話が減った
それに買ったばかりの時と同じ
ディスプレイの上にまた
「1415」の番号が表示されている
カスタマーサービスのカウンターの前は
いつもは長い行列なのに
今日はとても空いている
ユリアは充電器を購入するついでに
壊れているスマホの修理を頼むことにした
しばらくして案内された
店員に開口一番言った
「壊れてるわよ!このスマホ!
保証は聞くでしょ 」
店員はやれやれという顏をしたが
一瞬で営業スマイルに変えユリアに接した
きっと一日で何人もユリアのように
スマホに疎い客を相手しているのだろう
店員は辛抱強く
子供っぽい笑顔でユリアに言った
「お客様この上のアンダーバーに
表示されている「1415」の数字は
壊れているのではありません」
ユリアは一言一語に力をこめた
「じゃあ それはいったい何の数字よ!」
店員はなめらかな指で
数字の画面をタップした
するとメッセージが表れた
「この数字をタップすると
留守番電話録音サイトに飛ぶんです
・・・・ほら 」
画面が留守番電話機能サイトに変わり
音声音が鳴った
「メッセージが13件入っています」
「13件?」
ユリアは驚いた!
そんなに沢山?
家族や緊急のメッセージだったらどうしよう・・・
そしてユリアは店員に留守番機能を
使う方法を丁寧に教えてもらい
店を後にすると
あわててフードコートのテーブルに座った
さきほど教えてもらった通り
録音機能を確認する
ピーッ!
「録音メッセージが13件あります
最初のメッセージです
2月14日午後10時35分・・・・・ 」
機械の声が言った
「やぁ!ユリア!
君にチョコレートを貰いそこねた良平だよ!
新しくスマホに変えたみたいだね
君が独身さよならパーティーに行ってるのは
わかってるけど
中国に急な出張が入ってね
連絡しておこうと思って!
それじゃ!
今から関空の便で立つよ!また電話する」
ユリアは顏をしかめた・・・・
これは・・・・
そうだこの日の夜中に私は
良ちゃんとしゃべっているわ
でもその時は彼は自宅で寝ていた
間違いないわ
私が起こしたんだもの・・・・
変ね・・・・・
ピーッ・・・!
「次のメッセージです
2月15日・・・午前11時23分・・・ 」
「おはよう!僕だよ!良平だ!
昨日から君につながらないから
君の職場にメッセージを残しておいたよ
今中国のオフィスで書類に囲まれている
グローバル料金に変えたから
僕に電話したければ伝言を残してくれれば
僕からかけなおすよ
君に会えなくて寂しいな 」
ここで彼はクスリと笑った
「まさか昨日はマッスル・ショーパブで
ハメを外さなかっただろうね? 」
ユリアは眉をしかめた
中国?
彼は夜の間に中国に飛んだの?
じゃぁあの電話で熱い夜を私と過ごしたのは?
飛行機の中?
まさか!
そんなことが出来ることはないわ・・・・
ピーッ!
次のメッセージです
「2月15日午後8時45分・・・・ 」
「ハーイ!佳子よ!今みゆきと
難波の鳥貴族で飲んでるの
良かったら帰りに寄りなさいよ
あの後良ちゃんに電話した?
彼の反応はどうだった?
とりあえず電話待ってるわ~♪ 」
佳子の愉快そうな声がスマホから響いた
・・・とにかく彼が体調を崩したのは
この夜だったはず・・・
彼は苦しそうに咳き込んでいたもの・・・
そう自分に言い聞かせ
次のメッセージを待つ
ピーッ!
「次のメッセージです
2月17日午後9時13分・・・・」
「もしもし!良平だ
どうしてるかと思ってね・・・・
しばらく声を聞いていないから
心配しているよ
中国は今霧がすごくてね
どうやら今週いっぱいはここから
動けそうにもないよ
みゆきちゃんの結婚式には出席できそうにないな・・・
とても残念だよ
みゆきちゃんには帰国してから
何かお祝いを考えるよ
一緒に考えてくれると嬉しいな
それじゃ!また電話するよ 」
ユリアは背筋がゾクゾクしてきた
・・・何かがヘンだ
スマホを持つ手にじっとり汗が
にじんできた
電話の彼は風邪をひいている所など
みじんもない・・・
そんなはずはない
私はバレンタインの夜も
その次の夜も・・・・
それからも彼と電話で話しているのよ?
5件目はママからで
6件目も7件目もスマホ会社からの
料金プランのメッセージだった
9件目はお店のオーナーからで
10件目は佳子
そして11、12、13件目はすべて良ちゃんからだった
彼のメッセージは最後はとても
切迫したものだった
ピーッ!
「・・・・ユリア・・・・
僕だ・・・良平だ・・・
僕は・・・・
何か君を怒らせることでも
したのだろうか?
どうして電話をくれないんだい?
とにかく24日の夜の便で帰国するよ
まっさきに君に会いに行く!
その時話をしよう!
それじゃ! 」
24日って今日じゃない!!
ユリアはガタンと椅子を蹴って
立ちあがった
電話をくれないって?どういうこと?
しばらく話していないって?
そこからどうやって
家に帰ったか分からなかったが
ユリアはショッピングモールから
信じられない速さで家にたどり着いた
ユリアは玄関に入るや否や
ヒールを蹴りあげて
転がるようにリビングに入った
あわててリビングの引き出しを漁り
スマホに変える前のガラケーを取りだす
そしてガラケーとスマホを両手に取り
良ちゃんの電話番号を見比べてみる
ショックで頭をハンマーで殴られたような
気分になった
ガラケーの下4桁の最後の番号が
スマホと違った
間違えて登録したんだ!!
自分は良ちゃんとまったく違う人と電話で
話していたんだ!!
ユリアは両手を口で覆った
ゴトンッゴトンッと
スマホとガラケーがユリアの手から落ちた
なんてこと!
信じられない!!
とっさにソファーの背もたれを掴み
倒れかけた体を支えた
頭の中に電話の彼の言葉が
思い浮かぶ・・・・
「好きだよユリア・・・」
.:*゚..:。:. .:*゚:.。:
ユリアはぼんやりと頭を降った
今ではハッキリ声が違うことが分かる
自分は見知らぬ男性相手にあんな事をしていたの?
良ちゃんじゃない・・・・
昨夜のジュンと愛を交わした
浮き立つような喜びはすっかり消えていた
もしかしたらすべて気のせいで
寂しさのあまりあたしが
作り上げた空想なのかも?
「夢で君に会いに行くよ・・・」
.:*゚..:。:. .:*゚:.。:
また頭に見知らぬ男の声が聞こえた
「やめてっっ!」
ユリアは思わず頭を覆って言った
着信履歴を見る
なんてこと!
あたしは確かにこの見知らぬ
誰かと話している
それも何時間も!
目から涙が溢れてくる
必死でカレンダーを見ながら
過去数日間の出来事を留守番メッセージと
照らしながら順を追って
思い出そうとするが
頭が混乱して思い出せない
不安に首筋から冷や汗が出る
ユリアは足元から地面が崩れ落ちて
奈落の底に落とされないように
しっかり自分を抱きしめて
正気を保つ努力をした
しかし頭の中は同じ言葉が
ぐるぐる回り続けていた
いったい私は誰と話していたの?
.:*゚..:。:. .:*゚:.。:
:*゚..:。:.
ユリアにとって弁天町の良ちゃんの
マンションに行くまでの道のりは
まさに拷問だった
胃が重くせり上がり
朝飲んだコーヒーを吐き出しそうだ
自分はここ数日見ず知らずの男性と
テレフォンセックスを楽しんだ上
夕べはジュンと夜通し励んだ・・・・
そして今は半年つきあった
ボーイフレンドに
別れを告げに行く・・・
自分の人生どうしてこうなって
しまったんだろう?
もしかするともうすでに自分の
電話番号はネットで公表
されているかもしれない
如何わしいサイトの伝言板とか
マッチングアプリとか・・・・・
「テレフォンSEXはユリアに
おまかせ(ハート)
080-△×○・・・・・ 」
ああっ!!いやだ!!どうしよう
考えただけでも気持ち悪い!
ユリアはブルルと身震いし
来た道を引き返そうとした
明日すぐに電話番号を変えに行こう!
今の所この男性からは一度も自分に
かけてきたことは無い
ユリアは眉をしかめた
どこかで聞いたことがある・・・
つまり電話番号から
その契約者の身元を調べられることが
出来るって・・・・
ユリアはブルっと身震いした
そうなったらジュンに助けを求めようか・・・
そうしたら自分が電話でしたことを
彼に話さないといけない
彼はきっと軽蔑するハズ!
ユリアは目に手を押し当てて涙をぬぐった
なんてことをしてしまったのだろう・・・・
でもその前に良ちゃんに話をしないと
とにかく今後の自分の身の振り方を悩むのは
彼と別れてからにしよう
ユリアは自業自得の大混乱の中
地下鉄に乗り込んだ
良ちゃんのマンションに着いたのは
夜も8時を回っていた
今から良ちゃんに会いに行くのに
ユリアの頭の中はジュンでもない
ここ数日ユリアと電話で
熱い愛を交わしていた
どこぞの誰かの事だった
もしかして妻子持ちだとか?
それともあんまりにも切羽詰った私の下手な誘いに同情をして相手をしてくれて
いたのかしら?
とにかくボーイフレンドに
成りすまして騙すなんて許せない!
訴えてやる!
良ちゃんのマンションに着くころには
自業自得の屈辱から何処ぞの誰かに
激しく怒りを感じていた
気付くと良ちゃんのマンションの
ドアの前まで来ていた
大きくため息をついた
それでも・・・・・・
見知らぬなりすまし君からいろんな
励ましをもらった・・・
彼は真剣に私の話を聞き
友人へのアドバイスもくれた・・・・
ユリアは彼と交わした言葉の
一つ一つを思い出した
なんてこと・・・・
あたしは彼に情が移って
しまったのかしら?
どうしても軽い気持ちでバカにされ
からかわれているとは思えなかった
もう一度・・・・・
彼と話してみようかしら?
彼は本当のことを言ってくれる?
スマホを手にもう一度手に取り
なりすまし君の番号を押す・・・・
あまりのショックでまだ電話番号を
変えられないでいた
ユリアは喉をこわばらせ
妻や子供が出ませんようにと祈った
4度目の呼び出しで
留守番電話に変わった
ユリアは一言つぶやいた
「あなたは・・・・・誰? 」
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