「売れた~~~っ!」
最後のホールケーキが売れ、綾乃とやっと温かい室内に戻れると喜びのハイタッチを交わした。早く温かい所に入りたい一心で片付けの作業スピードが早くなる。
「はぁぁ、寒いっ! 早く帰りたいっ!」
「帰りたいって日和はこれからデートなんでしょう?」
「デートっていっても会う約束しかしてないし、そもそも時間も場所も決めてないんだよね」
本当どうしようか。やっぱり自分から仕事が終わったと電話をしてみようか。うーん、なんだかもやもやする。自分だけが楽しみにしているみたいで。
キキーッと勢いよく入ってきた車が駐車場に止まった。バンっと開いたドアからは鬼の形相の洸夜がドスドスと勢いよく向ってくる。
(な、なにごと!?)
「お前!!! なんて格好してるんだよ!!! バカ!」
ば、バカーーー?
「バカって仕方ないでしょう! クリスマスなんだからサンタの格好するのは!」
「あぁ、もうッ! 帰るぞ!」
バサリと洸夜はスーツのジャケットを脱ぎ、日和にかけた。腕を掴み引き寄せられるがまだ帰れない。片付けが残っているのだから。引かれないよう足に力を入れてその場に留まる。
「ちょっと、まだ帰れないわよ。片付けも終わってないし」
「ふふ、片付けなら私がやっておくわよ~」
「綾乃!?」
ニヤニヤ嬉しそうな顔で見つめてくる綾乃の考えていることが手にとるように分かる。多分、いや、ぜったいいやらしい妄想を広げてる!
「助かる! 日和帰るぞ」
「えぇ!? 荷物だって店の中だし」
「んなもん明日でいい。俺はもう待てない」
グイッと腕を引かれ流されるように車の助手席に押し込まれる。抵抗する隙きも与えられずシートベルトを付けられ、勢いよく車はシュガーベールを出た。
この車はいったいどこへ向っているのだろうか。
見覚えのある高級住宅街。一軒一軒うちが一番綺麗に輝いているわと言わんばかりにイルミネーションが光りを放っている。まるでどこかのデートスポットにでも来たような華やかさだ。
何に対して怒っているのだろうか? 不機嫌な顔はなかなか直らない。「おかえりなさいませ」とコンシェルジュの人が挨拶しても見向きもしないで日和の腕を離さなずズンズンと進んでいく。
長いエレベーター。なんだが空気が重く、その重さに耐えられず落ちてしましそうだ。
「ねぇ、何怒ってるの?」
せっかくのクリスマス、久しぶりに会えるのを楽しみにしてたのに怒っている。やっぱり自分だけが楽しみに今日という日を待っていたのだろうか。
「聞いてる?」
突然重なる唇に驚いて目が開いたまま、身体が固まってしまった。
突然なに?
「聞いてる。聞いてるけど俺は聞いてない」
怒った鋭い目つきは日和を至近距離で見つめる。
「はい?」
聞いてるけど聞いてないってどういう事? 子供が何か嫌なことがあって駄々をこねてる、そんなかんじか?
タイミングよく上品な音が鳴りエレベーターを出る。ここまで来ればもう洸夜の部屋に向っていることは分かっている。分かっているらこそ、洸夜が怒っていても日和の心臓はバクバクと鼓動を高鳴らせていた。
洸夜は乱暴な手付きで玄関の鍵を開け、グイッとドアの中に引き込まれる。
「ちょっ……んっ――」
背中をドアに押し付けられ、日和の身体は洸夜の四肢に取り押さえられている。完全に包囲され、唇を何度も何度も喰われてしまうかのように甘く噛まれ、舌が乱暴に歯列をなぞってきた。
「はっ、ん……んぅ……」
離れるのを惜しむようにゆっくりと離れた唇が開いた。
「なんで、なんでそんな格好してんの?」
「格好? あぁ、コレは売上を伸ばすためにって店長が言うから仕方なく」
「悠夜から日和の写真が送られてきて、急いで店に向ってみたらなんだよ、可愛すぎんだろ! 他の男が日和のこんなに可愛い姿を俺より先に見たこともムカつくし、むしろ俺以外の男が見たことがムカつく! 他の男に日和の綺麗な脚も、この鎖骨も見られたのかと思うと嫉妬で頭がどうにかなっちまいそう」
洸夜はボスンと日和の肩に顔を埋めた。
機嫌が悪かったのは嫉妬をしていたから? おもわずふふっと笑ってしまった。嬉しくて。
「なに笑ってんだよ」
顔を上げ不機嫌そうに日和を覗き込んできた。
怒った瞳も今はとても可愛く見えてしまう。愛されるってこんなにも嬉しいものなんだ。
「なんでもない」
そう言った声に嬉しさが交じる。
「俺はまだ怒ってるんだからな!」
「分かってるって」
「いーや、分かってないな、俺がどれだけ日和のことを好きなのかお前は全く分かってない」
真剣なブラウンの瞳に吸い込まれそう。
「もう俺我慢の限界だから、ここで抱く」
ゾクリと震える低くて芯のある声。洸夜は本気だ。
「え? ちょっと、んんっ……」
乱暴に唇を押し付けられ息もできないくらいの激しいキス。舌をキツく吸われピリッと小さな痛みを感じた。激しすぎてお互いを求めすぎてガチッと歯があたりもするがそんなものは気にしない。とにかく貪るように洸夜は頭の後ろに手を回し更に近づけてくる。もうこれ以上近づけない距離なのに頭から手を離さずに、あいているほうの腕は日和の腰を抱き寄せた。
「んっ……ぁ……んんっ」
こんなに近くにいて唇を重ねているのにまだ足りない。もっと洸夜を感じたい。もっと洸夜でいっぱいにしてほしい。日和は自分の両腕を洸夜の首に回してしがみついた。
「んだよ、可愛すぎ」
「あっ……」
羽織っていたジャケットは剥ぎ取られ、服を捲り上げられた。冷えた身体に洸夜の熱い吐息がかかりビクリと身体が感じて震えた。
「なんか今日の日和の匂い甘いけど、ケーキの匂いの方が強い気がする。でも、いい匂いだ。俺の好きな日和の匂い」
胸の間に顔を埋め、スーハーと息を吸う。息を吐く度に胸の間に熱い熱が溜まった。
「んあぁっ……やっ……あっ」
下着を下げられ二つのマシュマロのように柔らかく甘い膨らみが洸夜に食べられてしまう。軽く甘噛され、ちゅうっとキツく吸い付かれる。
「はぁんっ……ぁあッ……んんぅッ……」
胸の突起を舐められ背筋にビリっと甘い刺激が走った。下に視線をずらせば洸夜が美味しそうに自分の乳首を舐めている。舌先をつかい執拗にペロペロと舐め回されて、視覚にとらえる淫靡さだけで、クラリと目眩がするほどに昂ぶった。
「アぁ……やぁあっ……」
「ヤじゃないだろ。こうやって俺の舌で舐められるの日和は好きだもんなぁ」
「んんっ……恥ずかしいッ……」
「っはぁ――可愛すぎる日和がいけないんだからな? こんな格好もう俺だけにしか見せないで」
膝上のスカートの中にするりと手が入り込んできた。洸夜はいつも日和の脚を大切そうに撫で回す。太腿を捕まれグッと片足を開けられると熟れて蜜でトロトロの蜜口が大きく開いた。ショーツに染みをつくるほど濡れている。
クロッチ部分から指を入れられくちゅりと卑猥な音をたてながら日和の秘部は洸夜の指をあっという間に呑み込んだ。中で指が動く。日和の良いところを知っているこのスラリと長い指はいとも簡単に日和を絶頂まで導いてきた。
「あぁぁ……やっ、あつ、あ、あんっ――」
後少しで達しそうなところを絶妙なタイミングで指を抜かれ、待てとご主人さまに命令された犬のようだ。食べたくて食べたくて、トロトロと蜜口から液を垂らす。
「まだイッちゃダメ。俺ともっと繋がってからじゃないとイかせない」
カチャカチャと金属の擦れる音にゴクリと唾を飲む。勢いよく飛び出してきた洸夜の性はもう既に準備は満タン。大きく反り勃っていた。
(も、もうこんなに大きくして……)
キュンと子宮が疼いた。
「あ、こんなときに限ってゴムが入ってねぇや。くそッ」
スーツのポケットを探っていたが、まさかいつもポケットに避妊具を忍び込ませていたことを初めて知った。
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