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第二話
〈nakamu視点〉
待ち合わせ場所につき周りを見渡す。
今は待ち合わせの10分前。少し早いから、まだ彼はいないだろう。
そう思っていると、ふと視界に見覚えのある人物が映る。
ズボンとダウンといったシンプルな服装で、少し青がかったストレートヘア。
スマホを眺めている彼がつけているショルダーバッグは、この前俺が企画でプレゼントしたものだ。
少し小走りで彼に近づくと、俺に気付いたのか片手を少し上げる。
「よっ !早かったね、待った?」
「いや、俺もさっき来たところ、楽しみではやくついちゃった」
そう微笑む彼に思わず目を見開く。
え、なにそれかわい
こうゆうこと自然に言えるのがきんときなんだよなぁ
楽しみにしてたのが自分だけではないことがわかり、嬉しさで爆発しそうだ。
まじで幸せすぎて怖い。今年の運全部使い切った??
「ーーむ!なかむ!!」
「、、んえ!?は、はい!」
「ほら、早く行こ、映画始まっちゃうよ?」
彼に急かされて時間を確認すると、確かに余裕があるとは言えない時間だ。
折角の映画なのに遅れてしまっては元も子もない、二人は目的地へと急いだ。
飲み物やポップコーンを買い映画館へ入る。
幸い内容自体は始まっていないようで、そっと席についた。
少しすると映画が始まり一気に暗くなった。
ふと横を見ると、画面を面白そうに眺めているきんときが見える。
スクリーンの光に照らされるその横顔があまりにも綺麗で、ずっとこうしていたい。なんて思ってしまう。このまま永遠に2人でいられたらどんなに幸せだろう。
そんな思いを押し込めるようにスクリーンへと視線を戻した。
好きな監督の映画だったこともあり、思っていた以上に満足する内容だった。
始まったのが昼だったのでまだ夕方。このまま帰るのもあれなので、近くのカフェに入ることにした。
「映画面白かったね!!」
「あ、うんそうだね」
あれ、面白くなかったのかな。
普段なら感想を一緒に話したり俺の話を笑顔で聞いてくれるが、今日はなんだか表情が暗い。
俺やらかした、、?きんときも好きそうだと思ったのが見当違いで、実はすごくつまんないって思ってたとか?
「ご、ごめん。あんま面白くなかった、?」
「え、違う違う!面白かったよ、?」
恐る恐る尋ねると、驚いたように否定される。けど何故か気まずそうな雰囲気を醸し出している。
もしかして俺が原因?なんかしたっけ、、。
ここ最近の出来事を思い返してみるが、これといった心当たりもない。
知らず知らずのうちにに彼に嫌な思いをさせていたのだろうか。彼を傷つけていたのかもしれない。
いや、まだそうと決まったわけじゃない。本人に聞いてみるまではわからない。
「あ、あのさ。さっきから変だけどどうした?俺なんかしちゃった?」
「そ、そう?てか、なかむは何も悪くないよ!!?ほんとに!」
「ほんと?ほんとのほんとに??俺のこと嫌いじゃない?」
「そんなわけないじゃん!」
あまりにも必死に否定されて、自分の思い違いで良かったと安堵する。
きんときに嫌われたら俺生きていけない。
そんなことを思ってると、彼が躊躇いがちに話し始める
「俺、実は相談があって、、」
「相談?全然聞くよ、どうしたの?」
「言ってなかったんだけど、最近好きな人できたんだ」
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