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第三話
〈nakamu視点〉
「言ってなかったんだけど、最近好きな人できたんだ」
「、、え、」
聞き間違いだと思った。いや、そう思いたかった。
溢れ出てくるドロドロした気持ちを隠すように、顔に笑みを貼り付ける。
俺上手く笑えてるかな
「そ、そうなんだ、!良かったね!!それで相談って?」
「どうやったら付き合えるかなって」
まじか。そんなの俺が知りたいくらいだ
よりにもよって好きな人の恋愛相談を聞くなんて、、
でも、、彼に愛される子はどんな子なのだろう、俺にはなくてその子にはあるものってなんなんだろう
「、、その子はさ、どんな子なの?」
「んーそうだな、明るくて可愛くて透き通るような目をしてて周りのことをよくみてる。それでいてすごくまっすぐな子」
「、、、めちゃくちゃいい子じゃん、笑」
「でしょ?その子がいればどんなことでも頑張れる。そう思わせてくれる子なんだ」
「きんとき、その子のことすごい好きなんだ」
「うん、世界で一番大切で愛してる」
そう話すきんときは、みたこともないような優しい顔をしてる
くそ、、なんだよ、ぞっこんじゃんか、、笑笑。勝ち目なんて最初からなかった。
ああ、いいなぁ、その子になりたい
きんときから愛されて、その子に為なら頑張れるとまで言われる子が心底羨ましい
もし、俺が女の子だったら。もし男じゃなくて守りたくなるような可愛い子だったら。
そう何度も何度も思っていた
でも、そうじゃない
俺は身体的にも精神的にも男だ
女の子じゃないなら、人より低いこの身長も、大きな瞳も、長めの髪の毛も、
ぜんぶぜんぶ意味がない
彼に好きな子ができるまで、、なんて思っていたくせにいざそうなると受け止められない
ほんとに俺かっこ悪すぎる
全く気持ちが追いつかない、悔しい、俺の方が好きなのに、、!なんてバカみたいなことを思ってしまう
段々と目頭が熱くなってくるのを感じる。
だめだ、こんなとこで泣き出すなんていい迷惑だ
どうせ、どうせ叶わない恋なのだから、、 せめて親友として見守りたい、応援したい
泣き喚きたいわけじゃない、そう思い涙を堪える
「応援んしてるよ、、大丈夫!きんときはいいところ沢山あるから、だからさ、、ちゃんと幸せになってくれよ!」
震えそうになる声を溢れそうになる涙を押し殺して言葉を繋ぐ、少しでも力になれたら。と思って
だが、きんときは苦しそうな、辛そうな表情を顔に浮かべていた
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