テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
308
ゆか(*^。^*) 活動復帰!
3,792
天野 夢縁
213
80
終了までのカウントダウン僕らは
ーもし神様が存在するのならもう一度、彼のそばにいさせてくれませんか
彼がただひたすらに誰かの隣を求めた未練。影一つ落ちない、漂白されたような純白の世界。ただ、祈りの残響だけが、温度のない風に溶けていくだけの場所____。
ー隕石衝突まであと一ヶ月をきりました。
ー安楽死を選んでる人も多いですね
ーそうですね⚪︎⚪︎さんはどー…
チーンチン
「お母さん、あおいいってきます!」
「あぁぁ、テレビ消すの忘れてた!」
僕の名前はいつき。朝から気分の良いニュースがなく、朝からテンションダダ下がり。
地球は、隕石がぶつかり消滅するらしい。しかもあと一ヶ月で。対策の手もなく世間が大騒ぎしているのが現状。ま、学校につけばそんなテンションもあがると思っていたのだが…
「人少なっっっ!?」
「みんな、もー学校行かないってよー。最後は遊び呆けたいってさー。」
そりゃ、一ヶ月もないのに学校で勉強してもだし、残りの人生全うするか…笑
「あぁーーーーさみしいぃぃ、」
「そんなしょぼくれんなよwww」
そんなん言われても、寂しいんだからしょうがないだろ、
「てかいつきは、安楽死えらぶん?」
「僕は選ばないよー」
理不尽に世界が終わるため、世の中では安楽死制度が導入されている。でも僕は、自分の意思で死ぬことができない。僕は約束したから…
ー「あおと!あおと!しっかりしろ」
今でも鮮明に思い出す。ツーンと鼻にくる消毒の匂いが広がる真っ白な部屋で
ーお前は…ちゃんと生きろ、よ?俺のぶん、までさ
疲れ切った笑顔、もう消えそうな声で残したその言葉を…。
「いつきー?」
「わぁ、!ごめん、ぼーっとしてたわ」
「めずらしっ」
ガラララ「おーい座れよー」
「やべ、先生来たから行くわ」
「んーばーい」
ーキーンコーンカーンコーン
「あぁぁぁぁ、つっかれたぁー…」
今日も夕日綺麗だなー。でもこれを見ることができるのも…。余計なこと考えずに帰ろう。
見慣れた景色を早足で通り過ぎていく。大切な人と何度も通ったこの道を、
「おぉ、いつきくんじゃないかぁ!」
「あ!こんにちは!隣のおじいちゃん!」
いつも挨拶してくれるお隣さん。いつもよくしてくれてる人なんだよね。
「いつきくん今日テレビつけっぱなしじゃなかったかい?」
「ほんと!?教えてくれてありがと!またね〜!」
もー、ほんと抜けてる。ん…?僕テレビけさなかったっけ?
かぎ掛はかかってる。てことは誰かが入った形跡はなし。
じゃあ、安心かと思い部屋にはいったのはいいが、テレビと電気が付いてる…さすがに電気は消したから、絶対についてるはずがない…。
泥棒…?でもどうやって?バレないようにいかないと…
ガコン…!
あ!やっべ!!!スマホ落とした!
「あれ〜?いつきかえってきた〜?」
え、この声…
「あおい…?」
「お〜!大正解〜!おぼえてたんだな」
え、なんで?そこには間違いなく僕の幼なじみ、あおいがいた。でもあおいは…。
「ん〜いつき今、俺死んだはずじゃ?っておもったでしょ?」
なんで、なんで、…?
「そうだよ。俺はちょうど1年前心臓病で死んだ。」
「じゃあなんでここにいるんだよ!」
「俺もわからない。でもずっと真っ白な世界にいたんだ。そこは生きてる時みたいに苦しくなくて、暑いも寒いもない場所だった。」
あおいは顔を上げて僕の目を見た。
「でも、いつきがいなかったんだ。僕一人がその場所にいた…。苦しくてもどんなに辛くてもいつきがいる方がよっぽど楽しいって思った。だからずっと祈ってたんだ。いつきにあえますようにって、だからかな?」
そういって、あおいは笑った。もう見ることのできないはずのその笑顔を見たところで僕のこらえていた涙があふれ出した。
「泣き虫なの変わってねーの。」
そういって泣きじゃくる僕の頭を撫でるあおい。指先から伝わる体温はとても冷たい。でもあおいに包まれる感触も、微かに香る懐かしい匂いも僕の記憶のあおいのまんまだった。
「ねぇ、ずるいよ…あおい。僕の分まで生きろって言ったくせにさ、世界がなくなる直前に戻ってくるなんて、これからどうやって生きろって言うんだよ…」
戻ってきてくれた喜びと、すぐそこまで迫っている世界の終焉。その狭間で、僕の心はぐちゃぐちゃにかき乱されていく…。
世界が消滅するまであと1ヶ月。ここから僕たち二人だけの物語がはじまっていく。モノクロだった僕の世界が彩りはじめるのか、もっと黒に染まっていくのか。それは僕たちの秘密の物語。
コメント
2件
めめさん久しぶりですねー!覚えてます? めめさんの作品神すぎてやばい!😇✨💕
うわっ、めっちゃ刺さった……1話からこれかよ。「生きろ」って遺して逝ったあおいが、終末直前に戻ってきて「おかえり」って笑うの、反則すぎるだろ。泣き崩れるいつきの気持ち、痛いほどわかる。再会の喜びと世界終焉のカウントダウン、その狭間で揺れる心情描写が丁寧で、もう続きが気になって仕方ない。この二人の「秘密の物語」、絶対に見届けたいわ。めめさん、この始まりはガチで刺さる🔥