【断罪…?なんの話で?】
「はぁ〜ぁ…」
ずるずるとソレの入ったゴミ袋を引きずる。
重いし臭い。
それに、いつバレたっておかしくない。
そもそもここまで来れたのがおかしかったんだ、
『ちっさい部位は細切れにしてトイレに流しといたけど…』
『頭どうする?』
そう、いつも手足は細かく切って近くの公衆トイレ3つぐらいにバラバラに流す。
ただ、頭の処理は難しい。
「なーそういえばお前金がないって言ってたよな」
『まぁないけど、だからなんだよ?』
「売ればいいんじゃね」
『はぁ?生首単体だぜ?』
「こいつ顔だけはいいじゃん」
『まぁな…そういう趣味な奴には売れるんかな…』
「やってみなきゃわからん」
『でもそんなことしたら俺らがやったってバレるかもよ?』
「…それはその時。こんなことやり始めた時から人生は諦めてたようなもんだろ」
『そーだよな、』
『俺はお前がいればいいよ』
「俺も。」
その後、とあるサイトのオークションに出してみれば、かなりの高額で売れた。
『世界ってどんな趣味のやつがいるかわからんもんだな…』
「そうだな…」
『学校休まね?』
「サイコー、やすも」
俺らだって一応人間だ。あんなのみたら気分が悪いし吐き気もする。
「はぁ…マジ吐きそ」
『俺が受け止めるよ』
「冗談抜きで受け止めろよ?」
『俺も吐くわ』
何かカツカツ言ってる音が聞こえてベランダに目をやる。
「げえ…」
『んだよ?』
「ベランダ…」
『ベランダ?』
『うわきっしょ!!!』
「カラスが共食いしてるよ…」
もう死んでいるカラスの死骸を生きているカラスが啄んでいた。
『結構グロイ感じでもう無理』
一羽のカラスの死骸を数羽で啄んでいたせいか、カラスの死骸はもうぐっちゃぐちゃ。
腹のあたりからなんらかの臓物なのか臓器なのか、なにかが飛び出していたり…。
地面には血が飛び散って…
え、こんな悲惨になることあるの?
『は、はきそ…』
「トイレで吐けよ!!」
『やだよあそこ異臭が…』
「はぁ〜…袋持ってくるからもうちょっと我慢しろ…」
『てんさーーい、ありがとう♡』
『うぷ…』
「喋ってる暇あるならゲロを我慢してくれ…」
それに応えるように奏多は親指を立てた。
…こいつはほんとに。
『はぁぁぁスッキリした…』
「おっさんみたいなこと言うなよ」
『おっさんは吐かないだろ』
「おっさんにどんな幻想持ってんだよ」
結局あの後奏多が吐いてるのをみてもらい吐きした。
なんだかいっきにどっと疲れが来る。
俺は奏多と一緒に住んでいて、親はいない。
俺らは男同士だし、親は考え方が古いタイプの人間で、奏多への気持ちを拒否され続けて来た。
ついには「その感情はいらない」「お前なんかいなきゃよかった」なんて言い出す。世間体を気にしていると言うが、世間じゃなくて自分の思い通りにしたいだけだ。
そんな親にイラついて、俺は両親を殺した。
初めての殺人だった。
コメント
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奏多は学校などの人がたくさんいる場所だと関西弁、家などの安心する場所だと普通に口悪いだけの標準語になります