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【みこと視点】
昼休み。
俺は、すっちーのほうを見ていた。
でも――
すっちーは、らんらんと話している。
みこと「……」
昨日からずっと。
俺が話しかけても、すっちーは少し距離を取る。
今日もそうだった。
朝だって、俺が「おはよ」って言ったら返してくれた。
でも、それだけ。
前みたいに笑ってくれない。
みこと「……俺、やっぱり何かしたのかな」
こさめ「みこちゃん、まだ気にしてるの?」
みこと「だって気になるよ!」
なつ「まあ、そりゃそうだろ」
いるま「でも、すちが避けてる理由は分かんねぇんだろ?」
みこと「うん……」
俺は、すっちーを見る。
すっちーが笑った。
らんらんと話している。
その笑顔を見ると、少し安心する。
でも――
俺には向けてくれない。
みこと「……寂しい」
こさめ「みこちゃん……」
みこと「俺、すっちーと話したい」
いるま「なら、話せばいいだろ」
みこと「でも避けられてるんだよ?」
いるま「だからってずっと待ってんのか?」
みこと「……」
いるまの言葉に、俺は黙った。
確かに。
ずっと待ってるだけじゃ何も変わらない。
なつ「みこと、お前すちのこと好きなんだろ?」
みこと「うん」
なつ「じゃあ、ちゃんと向き合えばいいじゃん」
みこと「……そうだね」
俺は立ち上がった。
こさめ「どこ行くの?」
みこと「すっちーのところ」
いるま「今?」
みこと「うん」
俺は、すっちーのところへ向かった。
でも――
あと少し。
あと少しで声をかけられる。
そう思った瞬間。
すっちーが俺に気づいた。
すち「……みこちゃん」
みこと「すっちー」
すっちーの顔が赤くなる。
みこと「……?」
まただ。
どうして顔が赤くなるんだろう。
みこと「すっちー、俺――」
すち「ご、ごめん!」
みこと「え?」
すっちーは、そのまま俺の横を通り過ぎようとした。
みこと「待って!」
俺は、すっちーの袖を掴んだ。
すっちーが止まる。
すち「……」
みこと「少しだけ話したい」
すっちーは黙っている。
俺は、袖を掴んだまま続けた。
みこと「俺、すっちーに嫌われたくない」
すち「……」
みこと「何かしたなら謝る」
すち「違う」
みこと「じゃあ、なんで?」
すっちーが俯く。
すち「……分からない」
みこと「分からない?」
すち「うん……」
しばらく沈黙が続く。
俺は、すっちーの顔を見る。
みこと「……俺、すっちーと普通に話したい」
すち「……」
みこと「前みたいに」
すっちーの指が、少し動いた。
すち「……俺も」
みこと「ほんと?」
すち「……うん」
その一言だけで、少し嬉しくなる。
みこと「じゃあ、明日から普通に話していい?」
すっちーが顔を上げる。
すち「……努力する」
みこと「ふふ、何それ」
すち「だって……」
すっちーの顔がまた赤くなる。
すち「……難しいんだもん」
みこと「そっか」
俺は笑った。
みこと「じゃあ、待ってる」
すち「……うん」
すっちーが小さく笑った。
その笑顔を見て――
俺は、やっぱり思った。
(俺、すっちーのこと好きだな)
そして。
すっちーも何かを抱えている。
そのことだけは、少し分かった気がした。
コメント
1件
碧さん、第37話読ませていただきました。 みことくんの「俺、すっちーに嫌われたくない」って言葉、すごく響きました。友達に背中を押されて「待ってるだけじゃダメだ」と動き出すところがいいですね。すっちーが赤くなったり「難しいんだもん」って小さく笑ったりするのも可愛くて、二人の距離が少し縮まった感じがじんわりしました🌷 次が気になります!