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「僕」
春の麗らかな風に身を任せながら、震える腕をそっと抑える。もう4月になるというのに、まるで冬の様な寒空を見上げながら、フウっ…と溜息をつく。ゆっくり息を吸い、吐く。そうすると少し、心が落ち着く気がした。あまりの寒さに、思わずリュックに入れていた上着を着る。モコモコした生地の温もりが、僕の寒さを和らげてくれる。風がふぶく度に、冷えていく心を温めようと、ふと駅の中に入る。気が付いたら、コンビニの中に入っていた。前に接客態度の良かった店員さんを、ふと思い出す。どうやら潜在的にコンビニを選んでいたらしい。いつもと同じ陳列に安心感を感じながら、冷えた身体と心を温めようとホットドリンクコーナーを見る。なんだか甘いものを飲みたい気分だったので、紅茶花伝を手に取り、レジへ向かう。先客がいたため、暇つぶしにレジ前陳列に目を向けていると、あっという間に僕の番が来た。手に持っていた紅茶花伝を店員さんに渡す。慣れた手つきで金額を伝える店員さんに、お代を支払った。「レシートはご入用ですか?」と丁寧な対応に、返事をする。リュックにレシートを入れ、紅茶花伝を手に、僕はコンビニを後にした。外は相変わらず寒い。冷え性の僕は、紅茶花伝と共に手をポケットに入れた。カイロのようにぬくぬくしている。そうこう考えているうちに、サッと眩しい光が射し込む。昨日と同じく、曇ったり晴れたりしている天気は、まるで僕の心のようだと思いながら、暖かい陽射しの中、僕は帰路に着いた。