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-夕海side-
入学式の日、初めて楓ちゃんを見た時違和感があった。
でもずっと、何の違和感かはわからなかった。
まるでお人形さんみたいな顔。
綺麗でスタイルのいい体。
夕「なんだろう?」
その違和感の正体は、今日、わかった。
宿泊学習の事前指導で班を作った時、隣に楓ちゃんが座った。
綺麗で少し切れ長の二重に高い鼻。薄く形のよい唇。
その顔を間近で見て、わかった。
はるちゃんに伝えなきゃ。
1限目が終わったあと、緑風館に移動だ。
樋口さんはお手洗いに行くから先に行ってと私たちに伝えた。
…まぁ誰も待ってないけどね…。
とか思ってたら、多分同じことを思ったであろう雪ちゃんが顔に出てる。
と、とりあえず。
夕「先行ってるね」
楓ちゃんにそう伝えてはるちゃんと教室を出た。
教室とは違い、廊下の空気がひんやりしている。
出るのが遅かったようで、私たちは最後尾になってさしまった。
でも都合はいい。
私は小さい声ではるちゃんに話しかける。
夕「ねぇはるちゃん」
は「なに?夕海」
つられてはるちゃんも小さな声。
夕「楓ちゃんさぁ、ずっと違和感あったの」
は「違和感?どういう」
夕「んーなんかこう、上手く言えないんだけど、怖いっていうかなんていうか」
は「怖い?」
夕「怖いともまた違うかもなんだけど。さっき隣に座って近くで見て、その違和感がなんなのか分かったの」
は「…?」
はるちゃんはよく分からないという顔でこちらを見てる。
緑風館への道を歩きながら小さな声で話し続ける。
夕「楓ちゃん、多分整形してる」
は「え…?」
はるちゃんはショックを受けたように立ち止まってる。
しかしここで止まってるわけにはいかない。
夕「…緑風館、いくよ」
は「そう、だね」
私たちは再び歩き始めたのだった。